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価値観を共有できる新たな仲間と共に、B2B マーケティングを進化させる

株式会社ビズヒント 代表取締役の関です。

ビズヒントは2023年12月をもって、マネーフォワードグループの一員であるスマートキャンプ株式会社にジョインします。

今回の決定の背景をご説明するにあたり、まずビズヒント事業の概要、そして強みである決裁者集客力を下支えしている私たちの価値観や取り組みについてお話しさせてください。
(そうすることで、今回のグループジョインが事業の更なる発展のため一手であることもご理解いただけると思います)

ビズヒントと、そのコンテンツの背後にある考え方

ビズヒントは、B2Bマーケティングにおけるリード獲得(リードジェネレーション)を通じ、SaaSを中心としたB2B事業のマーケティング活動をサポートしています。

立ち上げはいまから遡ること7年前。当初は人事領域のサイトとしてスタートし、そこから中堅・中小企業の経営者の方をメインターゲットとする現在の方針にシフトして現在に至ります。

それ以前、私はビズリーチ事業のマーケティングに関わり、その後は新規事業として若手向け転職サイトの立ち上げも経験しましたが、事業が拡大する中で膨らんでいくマーケティング費用に対して複雑な思いも持っていました。

元々、学生時代からインターネット業界に関わり、ネットそのものが大好きでコンサルティング業界から戻ってきた、という経歴です。ですので、ネットのコンテンツがより良いものになっていって欲しい、できればその一端を担いたい、という考えが頭のどこかにあります。

ただマーケティング費用を全て外部媒体に支払うのでは無く、その一部だけでも自分たちが「これだ」と思うコンテンツに投資することで、ニーズはあるのにまだ形になっていない情報を世に送り出し、それによって社会を一歩前進させられないものか?と思っていました。

実はビズヒントの立ち上げに至るまでにも2度、いわゆる「オウンドメディア」の立ち上げを経験しています。しかし、いずれも成功を収めることは出来ませんでした。

次こそは絶対に成功させる。コンテンツを軸とした事業そのもので収益化する。その為にターゲットとコンテンツの方向性、そして誰のどのような課題を解決することでお金をいただくのかを明確にし、そこから逆算しながら事業を組み立てよう。そうした考えでスタートしたのがビズヒントです。

「自分たちが良いと思うコンテンツ」と「黒字化に足るだけの集客」の両立は難しい課題です。まして一過性の「バズ」ではなく持続的な集客力を持つためには、「誰に、何を、どのように届けるのか?」という明確な戦略が必要です。

ただ勝算はありました。

ビズヒントは当初からSaaSを中心としたB2Bサービスのマーケティング市場を収入源としており、SaaS市場もB2Bマーケティング市場も拡大を続けていたからです。
(そして、その流れは新型コロナ禍で更に加速しました)

あとはゴールから逆算して課題を絞り込み、チームが正しい進路に向かっていることを数値で確認しながら着実に事業を前進させる。逆にそこから外れるものは敢えて捨てる。それが私たちの採ってきた方針です。

「B2Bの広告主から見て最もリーチしたいターゲットは誰なのか?」
→ 中堅・中小企業の経営を担う、自身の事業に誇りを持つ経営者・決裁者の方々

「その方々にとって、既存の媒体で満たされていないコンテンツのニーズは何か?」
→ 当時の大手メディア、新興メディアで取り上げられづらかった中小企業の事例。
「自社でもやってみたい」「勇気を貰えた」と思っていただける、等身大の苦労話や失敗談、そこからのV字回復の事例など「再現性のある事例」に拘る

「そのコンテンツを、確実にターゲットに見てもらうにはどうするか?」
→記事公開直後の一過性の拡散狙いではなく、必要としてくれる方の目に触れるよう、広告費をかけてでも記事を配信し続ける(それで採算が合うようビジネスモデルを設計する)

こうした取り組みを続ける事で、ビズヒントは累計58万人以上の登録会員と月間1万人以上の新規登録。さらには65%を超える役職者比率を誇るサービスへと成長してきました。

「広告媒体」ではなく「マーケティングの伴走者」をめざして

もう一つ、ビズヒントが立ち上げ当初から取り組んできたのが、広告主のマーケティング活動に「伴走」する、持続的な関係の構築です。

決裁者に必要とされるコンテンツを将来にわたって発信し続けるためには、ビズヒント上でのマーケティング活動が広告主にとっても満足のいく、信頼の置けるものでなくては成らない。仮に「焼き畑」的な事業拡大をすれば、結果的に離反を招き、チームも疲弊する、というのが当初からの考えでした。

一過性の接点では無く、中長期で支持していただくよう、あるべき方向に向けた努力を重ねようとする考え方は、読者の方々への向き合い方とも一致しています。

広告主とビズヒント、その共通のターゲットである決裁者の方々に、手に取っていただけるコンテンツ、読んで良かったと思っていただけるコンテンツはどの様なものなのか?

ビズヒントでは、テーマの選定、コンテンツの構成、メルマガの件名、PDFのページ単位の閲覧動向など。自分たちの仮説と、それに対するユーザーの方々の反応を可能な限りデータとして蓄積し、チーム内で振り返りを行い、その結果をわかりやすい形、次のアクションに繋がる形で各クライアントにフィードバックとしてお伝えし続けています。

「自分たちは明確な方向性を持ち、そこに向けて着実に進むことができているのか?」

それを絶えず数値で計測し、確認することでコンテンツに磨きを掛け、事業を成長させていることこそがビズヒントの強みです。それであれば、広告主の方々にも同じ数値をオープンにし、活動に巻きこもうと考えています。

こうした取り組みを地道に続ける事で、いまでは日本を代表するSaaS企業の多くから「自社に欠かせないB2Bマーケティングのパートナー」として見ていただけるようになり、大きな予算を信頼と共に預けていただく事が出来るようになりました。

では、いまなぜグループジョインなのか?

ターゲットとする読者に選んでいただけるコンテンツ制作、配信の仕組みと、日本を代表するSaaS企業群に「なくてはならないパートナー」と選んでいただける営業・カスタマーサクセス体制。

そこだけを見れば、順風満帆にも見えます。では、なぜこのタイミングで「他社グループにジョインする」という選択肢を採るのか?それは、現在のビズヒントの姿が、目指すゴールイメージから逆算すると、まだまだ道半ばだと捉えているからです。

私たちが目指すのは、日本企業の生産性を底上げするような数々のSaaS、その他のB2Bサービスが、自分たちの運営するサービスや、手がけたコンテンツの力によって顧客企業とマッチングし、普及が加速する未来。そして、それによって1社でも多くの企業の生産性と、そこで働く人々の働きがいが向上する未来です。

その為には、B2B広告はメディアに間借りする「邪魔な存在」ではなく、それ自体がコンテンツとして喜ばれ、経営者の課題解決や、意志決定に資するものに進化していかなければならない。そしてクライアントは共に決裁者の声に耳を傾け、コンテンツを発信するパートナーである、と考えています。

「受け取って喜ばれるB2B広告」

そういう話をすると、相手によっては「それは『夢』ですよね」という、どちらかといえば否定的な反応が返ってきます。

それでも、これまでのビズヒントがそうであったように常識を疑い、「こういうやり方も可能では?」という高めのゴールを定め、そこに向かって地道な改善を続けない限り、理想に近づくことすら無い、と私たちは考えています。

その観点から考えると、私たちのチームには足りない要素が幾つもありますが、中でも重要なのはB2Bマーケティングに於ける、リード獲得前後のフェーズへの関わり方です。

例えば広告主が「どの媒体でどの様なマーケティング活動を行うのが最適か?」悩まれている段階での広告代理店としてのアドバイスであったり、或いはインサイドセールスチームの立ち上げといったリード獲得後のフォローや効果検証へのサポートであったり。目の前のクライアントが助けを必要としているにもかかわらず、我々がサポートできていないことが多々有ります。

逆にユーザーである決裁者の方々側から見れば、我々が提供したリードに対する架電について「どのタイミングで、どの様な話をさせていただくのが、忙しい決裁者の方々にとってより有益な対話になりうるのか?」という点。

リード獲得の起点となるコンテンツの改善には注力できているが、理想を言えばそのリードの向こう側にいるお一人お一人の決裁者にとって、ユーザー体験としてより良いアプローチが届けられるところまで、ビズヒントはどう関わるべきなのか?

B2Bマッチングの在るべき姿を考え、プラットフォームとして広告主と決裁者の双方により深く、徹底的に向かい合い、得られたインサイトを元に改善を重ねていくことによってはじめて、コンテンツを軸としたマッチングの場として更に進化していくことが出来るはずです。

代理店機能とインサイドセールスのサポート機能という、私たちに欠けている要素を兼ね備え、また同時に、ほぼ同じ時間軸でリードジェネレーション市場の成長を担ってきた良きライバルが、今回手を組むことになったスマートキャンプ株式会社でした。

なぜスマートキャンプなのか?

リードジェネレーションという、同じビジネスモデルを手がけているからこそ感じるスマートキャンプ社の強み、魅力は幾つも在ります。

SaaS選定の最終段階において必要とされる、「比較」「口コミ」といったコンテンツに強みを持ち、また同時にそこにユーザーを集めるためのSEOで後発ながら急成長を続け、勝ち続けていること。

また先に述べたような、SaaSに特化した代理店機能や、獲得したリードへの架電を担うインサイドセールスチームの立ち上げから代行まで、広告主がリード獲得を軸としたマーケティングと営業活動を行おうとした場合、必要とされる機能を上流から下流まで、カバーしていること。

そして創業からの短期間にそれらのサービスを一気に立ち上げてきた実行力や、それに必要とされる組織を創りあげてきた採用力。これだけのスピードで事業と組織を拡大し、クライアントに必要とされるサービスを提供されてきたことを強くリスペクトしています。

今後、ビズヒントの強みであるコンテンツ制作力と集客力に加え、スマートキャンプの強みであるB2Bマーケティングの上流から下流までをカバーするサポート体制がプラスされることで、コンテンツを通じた広告主と決裁者のマッチングをより良いものへと進化させていく体制が整うことに、非常にワクワクしています。

ディールの過程で林さん・阿部さんをはじめとするスマートキャンプの経営陣とは対話を重ねましたが、リードジェネレーション市場を先行して切り開いてきた両社だからこそ解り合える市場の課題感や将来性、信念など共感する部分が多く、「同じ山を別のルートから登ってきた同志」に出会ったような感覚で深夜まで話が盛り上がった事が印象的でした。

その後は回を重ねる毎に、私だけでなく他の経営陣も含め「この人たちと手を組んでB2Bマーケティングを更に発展させたい」という気持ちを強くし、事業を支えてきてくれたチームの皆にも、ビズヒントの新たな一章を踏み出すパートナーとして自信を持って紹介できそうだ、という手応えを確かなものにしてきました。

今後も変わらないもの

最後に、これまでビズヒントをお使いいただいてきた読者の方、広告主の方。あるいは社員のみなさんや、記事の執筆や写真の撮影など、様々な形で我々を支えてきてくださった外部パートナーの方々の中には、突然の発表に「今後のビズヒントはどうなるのか?」と、不安を感じる方もいるのでは無いかと思います。

今回のディールの過程で私が最も拘ったのは、これまでビズヒントが培ってきた強みや、その背景にある考え方、あるいはその先に見据えている未来に共感してくださり、手を組むことで共に成長させることが出来るパートナーと出会えるかどうか?という点でした。

その点で、林さんをはじめとするスマートキャンプの皆さんからはこちらが恐縮するほどの評価をいただいており、これまでビズヒントが支持されてきた部分を、更に伸ばして欲しいと期待を掛けていただいています。

決裁者の方々に支持されるコンテンツ作りと、そこに関わってくださる方々をリスペクトし、長く読まれるものを送り出そうとする姿勢。広告主の悩みに寄り添い、伴走者であり続けるスタンス。そしてデータと再現性を重視し、効率を追い求めながらトライアンドエラーを行う組織のカルチャー。そのいずれも、方向性はそのまま、更に進化します。

また現状の評価に甘んじること無く気を引き締め、また現在の我々に足りない部分を貪欲に吸収しながら、この2社だからこそ実現できる、一段も二段もレベルアップしたサービスをお届けしていきたいと考えています。

今後とも、ビズヒントならびにスマートキャンプの提供する各サービスに、ご期待ください。

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