見出し画像

文系受験生の戦略について考える(5)【文系数学の勉強法①まずは、「解法パターン」のインプットが重要である理由】

大学受験における文系受験生の戦略について考えています。
今回はその5回目です。

前回はこちら。

今回は前回に引き続き数学について考えます。

前回は、理系の数学の先生が作り出した「常識」を一旦捨てて、文系受験生なりの戦略を考えることに焦点をあててみました。

今回は「解法パターン」をインプットすることの重要性です。私は、あえて「暗記」という言葉を使わないようにしています。インプットと暗記は似て非なる言葉だと思っているからです。

前からそう思っていたのではありません。昔は、数学が苦手な受験生には、暗記しても大丈夫だよと言っていました。

ところが、暗記という言葉を使う弊害を徐々に実感するようになりました。文系受験生の場合、特に暗記する事項が多いこともあり、暗記といってしまうと、覚えればいいという思考になりがちで、応用が効かない事例がでてしまうことが多かったからです。

一番大きい弊害としては、解法を知らない問題は解けないと思いがちになる点です。難関大の入試問題などは、問題をみて即、解法が浮かぶというのは稀です。

自分が知っているテリトリーに誘導するための工夫であったり、そのためのトレーニングであったりが必要ですが、数学の勉強=暗記となってしまうと、知っている問題か否かという単純思考から抜けることが難しくなり、思考の発展性が阻害されてしまうことがあります。

そのような背景もあり、数学の先生が暗記学習を嫌がるのも間違ではなく、一定の合理性があります。

暗記の場合、問題をどう解くかのプロセスを重視するあまり、なぜ問題が解けるというメカニズムについてあまり意識しないことが多くなるのではと感じるようになり、最近は、インプットという言葉に変えています。

インプットで得た問題の解法は、2つの点に留意して頭に入れてほしいと思います。

ひとつは、その周辺に類題があるということです。学習で得た問題から、似たような問題を手持ちの問題集などで探し、これとこれは、同じような発想で解けるなという感じでテリトリーを広げてください。

次に解法の手法が他の単元にも活用できるのではないかという視点を持つことです。置き換えなどは典型ですが、2次関数(2次不等式)、三角関数、指数対数と広範囲に通用する同一手法の問題は結構あります。解法を貫く考え方は、応用性があるものがあるので、他の単元への広がりも意識してください。

インプットで得た知見は、少しでもそのテリトリーを広げようとするときに応用性という武器を獲得できます。その意識をもつメリットは大きいので大切にしてほしい考え方ではと思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?