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誰が言った知らないが、言われてみれば、確かに・・・が社会を変える【芯を食ったパワーワードのチカラ】

文部科学省の中央教育審議会は、公立学校の先生の給与について、「給特法」という法律で残業代を支払わない代わりに支給されている上乗せ分を、月給の4%から、少なくとも10%以上に引き上げるべきだという答申を出したのだとか。

冗談こいている場合かという公立学校の先生の嘆きや怒りが聞こえてきそうな答申です。

文科省はこの程度の小手先の改善で何とか凌ぎたいのでしょう。

でもこれは、おそらく無理だと思っています。

というのも、公立学校の先生は、

定額働かせ放題

の境遇にあると社会に認知されてしまったからです。

この「定額働かせ放題」は、芯を食ったパワーワードだと感じています。

公立学校の先生の待遇については、今後世間から「定額働かせ放題ではない」と認知されるまで、改善していくとみています。

そうでないと、例えば若い世代が、

教員は、定額働かせ放題だから、公立学校の先生にはならない

と考えるだろうと思われるからです。

それくらい、定額働かせ放題という言葉の威力は大きいと思っています。

これは、セクハラに似ていると思っています。

世にセクハラという言葉が出る前は、
「職場の若い女性社員のお尻をタッチするのは、社内コミュニケーションとして必要だ」と大真面目に語るおじさんは結構いました。

子供ながらに、「ほんまかいな」と思っていましたが、セクハラという言葉が生まれ、「物理的な接触」だけでなく、言葉による干渉までもセクハラの対象になった。
それは、女性の努力だけでなく、男性も含めたセクハラへの意識を社会が持てたことが大きいと思っています。

定額働かせ放題もセクハラも、「誰が言ったか知らないけれど、言われてみれば、確かにそうだ」と社会が気づいたことが大きいと思っています。

言葉が現実の問題点を見事に言い当て、問題を告発した。
その言葉を通じて、社会が問題意識という視点を獲得した効果だと思います。

確かにそうだ・・・と気づいた以上、後戻りはできません。

このニュースなど、どうして大きな会社が「勝ち目のない」裁判をしたのか不思議にすら思います。
男女差別はみんながダメだと思っている社会に私たちは生きている。だから、男女雇用機会均等法もできた。社宅制度は男性優遇だと指摘された時点で気が付かないといけないともいえるのではと思います。

セクハラがなくなるまで、定額働かせ放題がなくなるまで、社会は変わることを私たちが求めていく。これが社会の持つ「機能」なんだと思います。

大きい会社であっても、文科省であっても、つまり「権力」であっても、これに逆らうことはできない。そのことを、理解することはとても大事なことだと思っています。




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