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いつもの会を経て(探究多め)

 月に1回、夜の大学に通い、2時間話をしたり聞いたりなどの時間を過ごした。それを1年ほど続けたが、私が4月以降に名古屋を離れることとなった。  最後の会では、特に後半において、主に総合的な探究の時間について話しながら、探究全体について議論した。そこで、自分なりに思ったことをここにとどめておこうと思う。なお、議論の前提として、ここでは高校地理歴史科を基礎に、総合科目と探究科目に分類の上、探究科目は「総合的な探究の時間」を中心に想定している点、ご了承していただければと思う。

    • 【卒論】現行憲法における国家緊急権的機能に関する一考察──徴兵制を事例にして──

      この記事は、私が執筆した卒業論文の一部始終である。 卒業論文執筆後に、より詳述すべきだった課題点についてより詳細に検討を加えている。本記事を参考文献として用いることはできないが、最後に掲げた参考文献リストから、元の文献を辿り学習に勤めることは大歓迎である。 しがない大学生の一考を楽しんでほしい。 第1編 卒業論文本文はじめに  昨今、憲法改正をめぐる論議が憲法審査会で活発化している(*1)。その中でも、自民党が2018年に発表した4項目のうち「緊急事態条項の創設」を優先的

      • 生徒の正統性は何処にあるのか──校則改正に関連して

        1.はじめに学校における校則改正の多くは、生徒の政治的有効性感覚を身につける一環として行われることが多い。そもそも、校則自体が教育的意義を持っている。生徒指導提要を引用して確認する。 このように、児童生徒の発達成長のために設けられている規律であって、校則の存在意義を教育に求めていることは明らかである。その上で、昨今のブラック校則の解消のため、校則改正が一大風潮となっている。実際、生徒指導提要でも強く求めている。 上に掲げたように、生徒の声を入れることが明記された点は非常

        • 先祖と戦争のはなし

          はじめに 久しぶりに父方の祖父母に会いに行きました。 ずっーと、気になっていたことがあったので、新刊紹介と卒業論文を渡したついでに聞きました。今しか聞けないすごくいい話だったので、文字にすることにしました。本来はFacebookに載せようかと思いましたが長すぎるので、ここに綴ります。 気になっていたこと返ってきた答えすると、次のような答えが返ってきました。(以下、苗字を明記します。) ① 百姓の家なのになぜ旧制高校へ進学できたのか? 小林家自体の歴史に関係あるそう。小林

        いつもの会を経て(探究多め)

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        • 生徒会
          2本

        記事

          第84回愛知県世界史教育研究会に参加して思ったこと。

           今年はすべての回に対面で参加した(厳密にはあと1回)愛知県世界史教育研究会であるが、今日のテーマは深みがあった一方で、うーん、と悩むことがあったので、ゆっくりと綴りながら整理したい。 1.「自分ごと」が便利な言葉すぎる 今回の研究会で、キーワードとなったのは「自分ごと」化することであった。だが、これがよくわからない。テーマは「イスラエルとハマスの戦争」を通じた「パレスチナ問題」であった。だが、遠い国の戦争を自分事化するのは非常に難しい。    そもそも、「自分ごと」化その

          第84回愛知県世界史教育研究会に参加して思ったこと。

          校則を立憲主義に組み込んで考えてみる

          はじめに生徒主体による校則改正実践がかなり蓄積されつつあるが、まるで「校則を改正すること自体」が目的となっていたりして、ブラック校則を生徒の手で変えることによって美談化されているように思う。 そこで、校則から学校に設置される組織の位置づけをするのではなく、校則を立憲主義としての構造にあてはめた時に、学校組織をどう位置付けることができ、どのような改正手続きが望ましいのかを考えようと思う。 第1章 校則は法律であるまず、校則を日本全体の法規にあてはめた時、校則は「憲法的」なの

          校則を立憲主義に組み込んで考えてみる

          【就活×教職】就活を終えて─反省を綴る

          2023年7月上旬、1年半にわたる就活を終えることができた。 結論から言うと、6月末に内定承諾書を投函し、希望する業界の大手企業に就くことができた。だが、その方向性は少し異なる点で半分以上は満足な状態である。 教職の道と民間の道を選ぶ人は珍しくない。だが、つい最近まで公務員も視野に入れていた人は少ないだろう。そこで、ここでは民間の就活を軸にしながら、学生生活を振り返り「何がまずかったのか」を炙り出すことにする。 さて、就活を語るうえで私の学生生活を語っておかねばならない。

          【就活×教職】就活を終えて─反省を綴る

          航空管制の歴史

          この論考は、昨年にnoteにあげたものであるが、アカウントの削除によるリセットを実施したため、ここに再度掲載する。なお、再掲するにあたって一部内容の削除・追加をしたりしている。 第1章 草創期第1節 FLAG MANについて  1910年代に出現し(航空交通管制協会 2016:5; 坂場 2002:194)、アメリカ合衆国で特に「フラッグマン」として1920年代に点在していた(齋藤 2007:344; 中野 2001:4)。フラッグマンは常に滑走開始地点に駐在し、「進行」

          航空管制の歴史

          生徒会の在り方とは?

          学校における民主主義の花形は、やはり生徒会活動であり、一方でこれが唯一である。ほとんどの児童生徒には「花形」という言葉にさえ、疑問を覚えるだろう。なぜならば、生徒会の民主主義はもはや「形式的」にすぎず『続いていればいい』『とにかくやればいい』という、実に舐め切った態度が蔓延しているからである。 どうしてこうなってしまったのだろうか。自らの生徒会役員時代を振り返りながら、その問題点を洗い出し、解決策を探ってみることとしたい。 1.学問への批判そもそも、生徒会は次のような関係図

          生徒会の在り方とは?

          セントレアに横風用滑走路は作れない

          1.はじめに1-1. 根拠なき言説の裏付け  セントレアについて調査していたところ、知恵袋に次のような意見が見られた。 ①セントレアは愛知万博に合わせて造られたので、アセスメントが適当になってしまい、鈴鹿山脈からの風を過小評価してしまった(Yahoo知恵袋 2020)。 ②セントレアに初めて降り立つ予定だった旅客機は、横風のためにダイバートしてしまった(Yahoo知恵袋 2011)。 ③セントレアは近隣住民からの騒音を心配する声にこたえて、南北の滑走路にした(Yahoo知

          セントレアに横風用滑走路は作れない

          セントレア新滑走路建設が賢明なワケ

          この記事は、2022年9月1日に一部文言(並行誘導路が建設された所以)について加筆しました。それに伴い、参考文献も追加されています。 1.はじめにすこし時間が経ったが、セントレアの新滑走路計画が本格化してきた。しかし、なぜ今なのか、どのように変化し、私たちにどのように影響を及ぼすのか。このようなことについて論じている記事はない。そこで、私の推測が混じるが、先の問題群などについて述べていきたい。結論を述べておくと、滑走路の建設は「賢明な判断」であり、非常に合理的である。ただし

          セントレア新滑走路建設が賢明なワケ

          セントレアの鉄道交通アクセス問題

          近年、セントレアの新滑走路の話が本格的になり、交通アクセスの問題点の解決がますます求められてきている。そこで、今回はセントレアの交通アクセス問題に関して、これまで他の方々が論じてきたことをまとめつつ、持論を展開しようと思う。 交通アクセス上の問題点現在のセントレアにおける交通アクセスは、自動車では、高速道路に乗って行くことが可能であるが、鉄道の場合、名鉄のみである。したがって、強風が吹き荒れることが発生した際には、セントレアはまさに孤島と化すことになるのである。それは絶対的

          セントレアの鉄道交通アクセス問題