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SNSカウンセラー養成講座を受けてみた

書くことにしたきっかけ

ネット上に「SNSカウンセラー養成講座」の情報があまりにも少なく、改めて誓約書などを見返してみました。講義の内容や個人情報などについては守秘義務がありましたが、講座を受けたことについては特に制限はありませんでした。私がそうだったように、きっと気になる人もいるはずなので難易度や感想をまとめてみます。

SNSカウンセリングとは

SNSの本来の機能

SNSカウンセリングと聞いて「おん?」と思った人はネットに精通している方だと思います。そうです。本来SNSは、Twitterで自分のくだらない独り言を全世界に向けてつぶやいたり、Facebookで知り合いに向けて近況報告をしたり、Instagramで写真をあげたり、いいなぁと人をフォローしたり、コメントをしたり、逆にフォローされたり、いいねされたり、オープンなコメントをもらったりと自己表現の場として使うものです。

ただネットをやらない層にはそうは映らない

ネットのことをテレビのニュース番組で知るような層には、SNSのことが誤解されています。ニュースで「被害者は容疑者とはSNSで知り合い、DM(ダイレクトメッセージ)で言葉巧みに誘われ〜」という報道がされてばかりいるせいか、「SNSは犯罪の温床ザマス!」となってしまいました。

SNS=チャットするものという誤解

そういうニュース報道のせいか、「SNS=知らない人とチャットするもの」という誤解が広がってしまいました。それゆえ、SNSをよく知らない層には「SNSカウンセリング」と聞いてもイメージがつくのかもしれませんが、逆に今までSNSの本来の機能を使って楽しんできた我々は、この名前に違和感を覚えるはずです。

たしかにLINEはチャットが主だけど

たしかにLINEは、どちらかというとクローズドなチャット(DM)の機能が主ではありますが、どこの誰とも知らない人とのやりとりに使うよりも、リアルの友達や家族とメールや電話代わりに使う人がほとんどではないでしょうか。

SNS以外でクローズドなチャットができるもの

クローズドなチャット機能は、MSN Messanger(のちにLive Messangerになったり)・Skypeなど昔からもあります。最近だと有名なのは、slack・chatwork・Microsoft Teams・GoogleChatといったものや、salesforce・kintoneといった有名なビジネスアプリケーションにもあります。携帯電話の番号があればSMS(番号でのメッセージのやりとり)でも可能です。その他、アカウント同士でクローズドなやりとりするアプリケーションは数多くあります。自社開発・受託開発したチャットアプリケーションを入れたら、かなり多くのものがあるのではないでしょうか。

SNSカウンセリングじゃなく、チャットカウンセリングと呼べ…

そういうわけで、チャットでカウンセリングするという意味なので、「SNS」と媒体を限定せず「チャットカウンセリング」や「テキストカウンセリング」や「短文カウンセリング」などと呼ぶべきですが、文科省が進めている事業にも「SNS等を活用した相談体制の構築事業」とあり、「等」が入っているけれど、お国が「SNS」と言ってしまっています。

そして現状、チャットカウンセリングの資格がありません。(SNSを使うとは限らない)チャット形式のカウンセリングの勉強をしたい人でも「SNSカウンセリング」と検索しないと資格にたどりつけません。そういう方がこの記事にたどりついていただけたら幸いです。

資格取得の条件①ベースとなる資格を取得する

心理カウンセラー資格

  • 公認心理師(国家資格)

  • 臨床心理士(一般社団法人⽇本臨床⼼理⼠会)

  • 認定心理カウンセラー(公益財団法人関西カウンセリングセンター)

  • プロフェッショナル心理カウンセラー(一般社団法人全国心理業連合会)

  • 産業カウンセラー(一般社団法人日本産業カウンセラー協会)

  • ガイダンスカウンセラー(一般社団法人⽇本スクールカウンセリング推進協議会)

近隣資格

  • 精神保健福祉士(国家資格)

  • 社会福祉士(国家資格)

  • キャリアコンサルタント(国家資格)

資格取得の条件②養成講座を受け修了証をもらう

「心理カウンセラー資格」をもっている場合

次の実施団体で行っている2日間の養成講座を受ける。

  • 公益財団法人関西カウンセリングセンター

  • 一般社団法人全国心理業連合会

  • 一般社団法人日本産業カウンセラー協会

  • 一般社団法人⽇本スクールカウンセリング推進協議会

「近隣資格」をもっている場合

次の実施団体で行っている50時間のカウンセリング講座を受ける。

  • 公益財団法人関西カウンセリングセンター

  • 一般社団法人全国心理業連合会

加えて、心理カウンセラー向けの2日間の養成講座を受ける。

資格取得の条件③協議会に認定登録する

「自称SNSカウンセラー」の問題

おそらくネットで「SNSカウンセラー」や「チャットカウンセラー」を自称している人たちの多くは、SNS上でチャットでカウンセリング的なことをやる人だから、そのように名乗っているだけです。名乗ることに決まりはないのです。
養成講座を受けた目的が、SNSカウンセリング、チャットカウンセリングを勉強することであれば、認定登録に進まなくてもよいかもしれませんが、そうなると結局「自称SNSカウンセラー」たちとの差別化はできなくなってしまいます。

「全国SNSカウンセリング協議会認定カウンセラー」を名乗ろう

認定登録すれば、カードタイプの認定書をもらえて、名刺やプロフィールに「一般財団法人全国SNSカウンセリング協議会認定カウンセラー」と書けるようになります。これは「SNSカウンセラー」との差別化ができるということです。ただ、そんなに長い資格名だと名刺に印刷したり、名乗ったりするのには少し不便な気はします。

一般財団法人全国SNSカウンセリング協議会に費用を振り込む

  • 認定登録料 11,000円

  • 年会費3年分 16,500円(5,500円✕3)

専用フォームから認定登録申込

  • 振込証明となるものの画像

  • 顔写真の画像

  • 心理カウンセラー資格 or 近隣資格の証明証の画像

  • 2日間の養成講座の修了証の画像

  • 50時間のカウンセリング講座の修了証の画像(近隣資格の方のみ)

私について

産業カウンセラー資格を持っています

私は足掛け3年で産業カウンセラーの資格を取得しました。1年近い講座(約30万円)を受け、試験を受けて(約3万円)、年会費(1万円)を払っています。産業カウンセラー講座では、人の話を聴くことの難しさを初めて知りました。また、講座はとても厳しいです。ゆるゆるなカルチャースクールのようなものではないです。精神をえぐられますし、自分自身でもえぐらないといけません。厳しさのレベルは支部によるのかもしれません。

産業カウンセラー養成講座は通学形式

たいていのことはオンラインで済ませたい派ですが、この産業カウンセラー養成講座に関しては私は通学があってよかったです。1年近く月に2〜3回、同じ目標を持つ人たちと会って、みなさんの存在が刺激になりました。コロナ前だったので、ランチで話したり、飲み会をしたりと楽しかったです。

産業カウンセラー養成講座が本当に良かった

私もみなさんの成長につられる形で成長でき、どうにか合格できました。20代のうちにこの講座を受けていたら、私の人生ももう少しうまく進められたかなと思います。本当に30万円以上の価値があるので絶対におすすめです。資格を取るかどうかは別にして、傾聴の勉強はしておいて損はないです。

なぜSNSカウンセラーを知ったのか

以前から宣伝などを見かけて、SNSによる相談ができるのを知っていました。しかし、「顔も声も身振り手振りもわからなくて、一体どうやってカウンセリングをするのだろう?」と興味がわきました。産業カウンセラー講座では、表情を見て〜手の動きを見て〜声色を見て〜とよく注意されたのですが、それが全部できないんですよ…
コロナ禍もあり、そういう需要が増しているだろうから、いつか会社の事業でできたらよいなぁと思いました。

SNSカウンセラー養成講座を受けることにした

産業カウンセラー協会で受けることにした

自分が産業カウンセラーを持っているので、素直に日本産業カウンセラー協会で講座を受けることにしました。SNSカウンセラー養成講座2日間で(55,000円)です…

SNSカウンセラー養成講座はオンライン形式

講座は神奈川県支部でやっていますが、自分の支部が別のところであっても、Zoomでオンラインで受講できるので遠方でも問題ありません。これまでZoomは使ったことがなかったので心配していましたが、そんなに難しいものではありませんでした。

2日間でいいの?

産業カウンセラーは通学で1年弱かかったのに、オンラインでたった2日間です。「そんなんでSNSカウンセラーなれるものなのかなぁ」と懐疑的でしたが、産業カウンセラーというベースがある人が対象なので、この短期間なのだと思います。何のベースもない人が2日でできるようになるとは思いません。

JAICO登録認定SNSカウンセラー審査会

産業カウンセラー協会で受ける人は、2日間の養成講座のほかに、審査会(5,500円)というものがあります。これに合格すると、協会が主催するSNSカウンセリングにカウンセラーとして関われるようです。
協会に関わる気がないとしても、自分の理解度を測る意味で審査会は参加したほうがよいです。

養成講座の前にやっておくべきこと

予習必須!!!

テキストは2日間で覚えられるような量でも内容でもないので、テキストを事前に通読しておかないと理解できないと思います。1ヶ月くらいかけて、3回くらい読んで、なんならノートにまとめるくらいしてもよかったかもしれません。

安定したインターネット環境を準備!!!

安定したインターネット回線、特に有線での利用をおすすめされます。有線なら何でも良いわけではなくて、wifiをつかまえて有線にするものだと遅いかもしれません。
また、時間帯によって混雑するかもしれないので、同じ曜日の同じ時間帯に、事前に誰かとZoomで話して、カクカクしたり、音が途切れないか確認しておいたほうがよいです。

IPアドレスの競合も起こらないようにしておく!!!

IPアドレスの競合などでネット回線が切れてしまうと、その間の時間は受講していない扱いになるらしいので要注意です。その日は家じゅうのインターネットに繋がるもの(監視カメラやテレビなど)はすべてコンセントから抜き、使わないタブレットなどは電源をオフにしておくとよいでしょう。

OSの更新もしておく!!!

うちのパソコンはOSが最新でないとものすごく遅くなるので、前日に最新バージョンにしておきました。OSの指定があり、Windows必須でした。用途からしてChromeでもいけるかなと思ったのですが、私の激安chromebookでは、zoomとの相性が悪くてダメでした。ビデオカードの問題っぽかったです。

シミュレーションをしておく!!!

テキストを読んでいても、実際の間合いなどはイメージしづらいです。なので、イメージをしやすくするために、SNSカウンセリングをどこかで受けておいたほうが良かったです。こころの耳で無料で受けられます。

置き配の張り紙をしておく!!!

配達などのピンポンでも出ることもできないので、一人暮らしの人はインターホンに張り紙をして、置き配してくれと書いておいたほうがいいです。家族(特に子供がいる方)の乱入も気をつけたほうがよいです。

受講中に気をつけること

座っているだけでよいと思わないこと

2日間、画面の前に座ってればよいのだろう、音楽聴きながらやるかー、野球を見ながらやるかーと思っているならやめたほうがいいです。そんなに暇な講習ではないです。

予習したことの答え合わせや質問の場として

この2日間で学ぶというよりか、予習で自分が理解したことの答え合わせの時間、予習でわからなかったことを質問する時間、自分が勘違いしていることなどに気づいて修正する時間と考えたほうがよいです。2日間だけ勉強するくらいでは到底足りません。

受講後の感想と反省

本っっっ当に疲れた

オンライン会議などを1時間程度はしたことがあったのですが、2日間、朝から晩までぶっ続けというのは初めてで本当に疲れました。ネットが回線が切れないかとヒヤヒヤしました。椅子や使いやすいキーボードなど、周辺環境の準備をしておいたほうがよかったかもしれません。

予習が足りなかった

自分はテキストを真面目に読んできていたつもりですが、周りの方はもっとしっかり読んできていました。それだけでなく、自分の考えもまとめてきていて本当にすごかったです。自分のレベルが低くて、とても恥ずかしい思いをしました。2日目が始まるまでに追加で勉強しました。

対面カウンセリングとの違い

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