真冬の静けさ、風の音の先へ〜手帳の佇まい(9)
真冬の静けさは
誰かを想う気持ちを強める。
真冬の静けさは
忘れかけてた何かを思い出させる。
テレビを着けず音楽を流さず
ひとり風の音を聴く時間が好きだ。
もし囲炉裏があり、その残り火があれば、
命を繋ぐようなその音にも気を注ぎたい。
やむなく巣籠りが長くなる当世、
暫く会えていない人や
昨春まで顔を合わせていたのに
もはや声やメールだけの
やりとりになった人もいる。
こういう生活に入って、
そういう人たちの存在の大切さを想う。
僕が通勤電車で聴いている
Mr.Childrenの昨年の楽曲に、
「Documentary film」がある。
♪「今日は何も無かった
特別なことは何も
いつもと同じ道を通って
同じドアを開けて
昨日は少し笑った
その後で寂しくなった
君の笑顔にあと幾つ逢えるだろう
そんなこと ふと思って 」♫
Mr.Children「Documentary film」
この主人公の想いが、
僕の心を衝いて、その襞をゆらす。
♫「希望や夢を歌った
BGMなんてなくても
幸せが微かに聞こえてくるから
そっと耳をすましてみる
枯れた花びらがテーブルを汚して
あらゆるものに「終わり」があることを
リアルに切り取ってしまうけれど
そこに紛れもない命が宿ってるから
君と見ていた 愛おしい命が」♪
Mr.Children「Documentary film」
現下、テレワーク、リモート勤務が
強く求められている。その納得感はある。
だから工夫をしたい。
心のふれあいを保つための。
僕にとっての
ドキュメンタリーフォルムは、
日記や手帳がその役割を担ってくれる。
映像に出来ない分、活字にする。
自分の文字で自分の言葉で
誰かへの想いや日々の記録を綴り、
気持ちをクリアにしていく。
その紙面に「紛れもない命が宿る」、
そんな気がするから。
真冬の静けさは、
誰かを想う気持ちを強める。
忘れかけてた何かを思い出させる。
この静けさが好きだ。
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