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わたしのお茶のこと・南坊流・宋光

私は南坊流(なんぼうりゅう)という博多の黒田藩由来のいわゆる武家茶道の会に所属してお茶の世界を学んでいます。40の手習いと思って39才のときに門戸を叩き、仕事もまあまあ忙しい中、どうにか週に3回は稽古に通っていたので、2年に1度の都度都度に免状を取得することができ、2020年に10年習った集大成として「奥伝」という南坊流の教授になる免状(資格)をいただきました。ひかるという名前から宋光(そうこう)という宋名にし、活動しています。

お茶の世界は総合芸術という通り、10年学んでもまだほんの入口。
知らないこと、初めてのこと、見たことがないものが多すぎて、やっとスタート地点に立てたような感じ。

私はソムリエの資格も持っていますが、まさに資格をとってからがスタートで、基礎知識がやっと頭に入ったので、これから経験を積んで良い先生になれるように修行するぞ、という氣持ちで励んでいます。

今年は教授の資格を持ってから改めてのお稽古となり、利休百首の「稽古とは一より習い十を知り 十よりかえるもとのその一」を地で行っております。
(※稽古とは一から順を追って十まで進み、その次には再び初めの一に戻って、又改めて二、三と順に進むのである。)

そう思っていると不思議なもので、私も南坊流で習いたいというメンバーから2人も問い合わせがあり、私の先生を紹介して社中に入門していただきました。

先生は新規のお弟子さんに、最初の最初、割り稽古や盆点前からきちんと教えていらっしゃり、私は自分が10年前に習ったことを、また改めて同じ空間で習うことができています。

私の最初の先生は、今の先生のお母様の大先生で、私が入門したときはすでに92才でいらっしゃいました。それでも98才か99才くらいまでは現役で教えてくださっていたので、大先生のおかげでお茶を続けることができ、10年も続けることができたと感謝しています。

のびのびとおおらかに個性を大事に、と教えていただいていたので、今あらためてお茶の最初のことを教えてもらっている内容を横で聞きながら、ハッとすることも大いにあり、メモをとったり、写真を撮らせていただいて、今後自分が誰かに教える時に役立てよう、もしもの時に困らないように伝承できる準備をしておこうと、毎回先生にお許しを得て稽古終了後に写真や記録をとらせていただくことにしています。

本来だったら口伝、ということや、写真を撮ることによって集中が失われることがあるのかもしれませんし、不快に思う方もいらっしゃると思いますので、自分の中では答えが出ていない領域ではありますが、個人的には昭和のお茶から脱却した「令和のお茶」の解釈が自分なりにできたらいいな。

こんなに素敵な時間と機会をみんな知らなすぎるから、敷居が高くて厳しそうで入れないわ、と思っている私の知人友人にこんなだったんだよ、って知らせたり、私がいつか催すだろう「令和式のわたしのプライベートな茶事」に来てみたいなと思っていただけるように、茶道家としてのスタートは自分なりに稽古で感じたことを書き記しながら伝わる方にだけでいいので、伝える努力をしてみたいと思っています。

茶の湯の世界は途方もなく広くて深い海のようです。
もしかして「空(くう)」かもしれません。

知らないから知りたい。知ってみたらまたもっと知りたくなる。
そんな研究対象として茶の湯の道は修行なのかも。

※現在の私の道(どう)
・コーチング道
・ワイン道
・茶道

宋光

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