至福のおやつ時間
午後3時過ぎ。お菓子を求めて冷蔵庫を開けた。
ひんやりとした空気が流れ出てくる。
甘いものを探していると他の食べ物の隙間から何かがこちらを覗いているのが見えた。友人からもらった鳩サブレーだ。
今日のおやつはこれにしよう。
友人曰く「牛乳と食べるのが一番好き」だそうなので牛乳も一緒に取り出した。お気に入りのマグカップに牛乳をトプトプと注ぎ、電子レンジで少しあっためる。
できあがったホットミルクの横に鳩サブレーを添えてみた。茶色い素朴な鳩がこちらを見つめてくる。この光景だけでなんだかもうほっこりしてしまう。
地味に初めて食べるかもしれない。
封を開け、まずは鳩サブレーを一口。サクサクホロホロ。予想通りといえば予想通りの素朴な美味しさ。
牛乳を口に流し込む。
美味しいけど、友人の言う「めっちゃ美味しい」とは違う気がする。
ディップでもすればいいのかな。
頭の無くなったサブレーをホットミルクに浸して食べてみる。すると先ほどまでのサクホロな食感はなく、口の中で甘くやわらかくサブレーが溶けた。
なんだこの安心する美味しさは。
もはやサブレーじゃないみたいだ。バターの甘くて優しい味わいが口の中いっぱいに広がる。スポンジケーキの風味に似ている。夢中で牛乳に浸し次の一口を食べ、ということを続けているうちに気がつけば無くなってしまっていた。
また食べたいな。
指に甘い、幸せな匂いが残っている。
ごちそうさまでした。
<2021/08/23追記>
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