こんにちは。栄養学者で栄養疫学が専門の“こばやん”こと児林聡美(こばやし さとみ)です。「食事を通じた社会の健康づくりへ貢献する」ことを目標に、起業家として働き…
栄養疫学の研究は食事調査を実施して、対象者の食事摂取量を調べることから始まります。その方法には大きく分けると3種類に分けられ、それぞれに特徴があることをお伝えし…
厚生労働省が公表している食事のガイドライン「日本人の食事摂取基準(食事摂取基準)」。このたび改定されて2025年版となるタイミングで、本文全体を読み、しっかり理解し…
こんな質問をいただきました。コラムの案と、悩んでいるポイントはこちらだそうです。 この質問をくださったのは、「日本人の食事摂取基準(食事摂取基準)」の知識をある…
人が食べているものと健康状態の関係を明らかにする「栄養疫学」の研究をするときはもちろんのこと、現在の私たちが何を食べているのかを知りたいとき、「食事調査」を実施…
食事調査の裏側、秘密をお伝えしている最中ですが、今日のnoteはちょっと話題を変えて、お知らせです。 今年の1月~2月に「栄養疫学入門講座」という名前で、食情報の見…
人が食べているものと健康状態の関係を明らかにする「栄養疫学」という分野は、たくさんの人の食事摂取量を調べることが必須!という説明をしました。そして、その方法には…
私が専門にしているのは「栄養疫学」という分野です。栄養素や食品の摂取状況などの食事に関わることを扱っている疫学のことです。 栄養疫学研究では、どんな栄養素や食品…
こちらのnoteで、大学院にはどういうときに行くとよいのか、を紹介したところです。 そうしたら、私が経験したことのある職業である「国家公務員」のことも知りたい、とい…
疑問・質問サービスを受け付けるようになって「○○は健康によいと聞いたけれど本当ですか?」というおたずねをいただくことが増えました。○○の部分には、食品や、栄養素…
栄養疫学は食情報を見きわめるために大事な学問だ!と日常生活や業務の中で気づく方は多々いらっしゃるようで、私のところには「すでに社会人だけれども栄養疫学を学ぶため…
という質問をいただきました。 この方はよく勉強されていて、食事摂取量を扱うときには、生じている誤差を補正(調整)したエネルギー調整済値を使うべきということをご存…
4月1日ですね。新年度が始まりました。今年度もがんばろう!(でも力をいれすぎず…)と気合をいれるためにぴったりのお知らせが、数日前に私の手元に届きました。 ●取材…
機能性表示食品を摂取して健康被害が生じたという報道がなされているようです。様々な専門家がこの事件に関して発信しています。そして機能性表示食品の制度の在り方の意見…
昨年末、こちらのnoteで紹介した栄養疫学入門講座ですが 1月~2月に4回のオンラインLIVE講義、そして3月にはスペシャル企画の、オンラインでのお疲れさま会と、リアルでの…
私が栄養疫学の研究者として活動をしていた期間に執筆した9報の論文の内容を紹介する「執筆論文紹介」のシリーズ。前回はこちらのnoteで紹介しました。 「日本人高齢女性…
児林聡美/栄養学者(栄養疫学)
2023年9月10日 10:43
こんにちは。栄養学者で栄養疫学が専門の“こばやん”こと児林聡美(こばやし さとみ)です。「食事を通じた社会の健康づくりへ貢献する」ことを目標に、起業家として働き、正しい食情報の普及とそれらを正しく活用してもらうためのサポートをしています。アカデミアを離れてフリーで活動するようになって4年半(起業してからは1年)たったところです。その前は、東京大学の特任助教として、栄養疫学の研究者をしていました
2024年5月27日 15:47
栄養疫学の研究は食事調査を実施して、対象者の食事摂取量を調べることから始まります。その方法には大きく分けると3種類に分けられ、それぞれに特徴があることをお伝えしたところです。けれども、2つの現象があるために、食事と健康との関連を考えたいときに知りたい日常的な食習慣、つまり長期間の食事の習慣を知るのって、とても難しいんですよね。2つの現象とは「申告誤差」と「日間変動」でした。こういった専門家
2024年5月22日 11:43
厚生労働省が公表している食事のガイドライン「日本人の食事摂取基準(食事摂取基準)」。このたび改定されて2025年版となるタイミングで、本文全体を読み、しっかり理解しておきたい!と思っている人はきっと多いことと思います。それを確実に、現実のものにしませんか?食事摂取基準には、日本人の健康の維持・増進のために1日に摂取しておきたい栄養素の摂取量の基準が示されています。本文の中では基準値の数値だけで
2024年5月20日 09:54
こんな質問をいただきました。コラムの案と、悩んでいるポイントはこちらだそうです。この質問をくださったのは、「日本人の食事摂取基準(食事摂取基準)」の知識をある程度お持ちの栄養士さんなんだなと感じました。だからこそ、正確に伝えようとして、色々悩んでしまっているんですね。承知しました。このコラム案に意見出しをしてみますね。まず気になったのは「このコラムを読んだ人にどんな気づきを与えたいのか」が
2024年5月13日 14:55
人が食べているものと健康状態の関係を明らかにする「栄養疫学」の研究をするときはもちろんのこと、現在の私たちが何を食べているのかを知りたいとき、「食事調査」を実施して、たくさんの人の食事摂取量を調べます。そして、その方法には大きく分けると3種類に分けられ、それぞれに特徴があることをお伝えしたところです。こうして食事調査で得られた摂取量の値ですが、日常の食事に存在する「2つの現象」を知っていないと
2024年5月8日 10:19
食事調査の裏側、秘密をお伝えしている最中ですが、今日のnoteはちょっと話題を変えて、お知らせです。 今年の1月~2月に「栄養疫学入門講座」という名前で、食情報の見分け方の基礎をじっくり解説する講座を運営していました。この講座、受講生のみなさんの満足度は非常に高くて、講師である私も含めてみんなで楽しく学んだ講座となりました。講座終了後のレポートもnote記事にしたところです。このレポー
2024年4月30日 09:55
人が食べているものと健康状態の関係を明らかにする「栄養疫学」という分野は、たくさんの人の食事摂取量を調べることが必須!という説明をしました。そして、その方法には大きく分けると3種類に分けられ、それぞれに特徴があることをお伝えしたところです。では、食事調査で栄養素や食品の摂取量が得られたら、すぐにその値を使えばいいと思いますよね。けれども、食事調査を実施したときに起こる注意すべき「現象」を知って
2024年4月25日 09:47
私が専門にしているのは「栄養疫学」という分野です。栄養素や食品の摂取状況などの食事に関わることを扱っている疫学のことです。栄養疫学研究では、どんな栄養素や食品をどのくらい食べている人が健康状態がよいか、病気になりやすいかを調べるのですから、食事摂取量をはかる(測定する)ことが必要です。人が食べているものを測定することを「食事調査」といいます。栄養疫学研究では、たくさんの食べているものを、食事調
2024年4月22日 11:03
こちらのnoteで、大学院にはどういうときに行くとよいのか、を紹介したところです。そうしたら、私が経験したことのある職業である「国家公務員」のことも知りたい、というリクエストをいただきました。栄養学や研究という話からは少しずれますが、実際に働いたことがある人の経験談というのはそれなりに価値があるかなと思い、私の経験が誰かのお役に立てばという思いで国家公務員の仕事のことも紹介してみようかなと思い
2024年4月15日 09:59
疑問・質問サービスを受け付けるようになって「○○は健康によいと聞いたけれど本当ですか?」というおたずねをいただくことが増えました。○○の部分には、食品や、栄養素や、健康法など様々なものが入ります。さて、それぞれの質問に回答する前に、質問者の方に知っておいてほしいことがあります。「健康によいとは本当か?」という質問に、直接的に、科学的に回答することって不可能なんです。そして「○○は健康によい」という
2024年4月9日 10:09
栄養疫学は食情報を見きわめるために大事な学問だ!と日常生活や業務の中で気づく方は多々いらっしゃるようで、私のところには「すでに社会人だけれども栄養疫学を学ぶために東大の公衆衛生大学院(東大SPH;私の母校)に行った方がよいでしょうか?」といった個人的な質問も届きます。そのときの回答は、質問くださった方それぞれの背景や事情によるので、どなたにも当てはまる回答ってないんですよね。とはいえ東大を含む「比
2024年4月5日 09:45
という質問をいただきました。この方はよく勉強されていて、食事摂取量を扱うときには、生じている誤差を補正(調整)したエネルギー調整済値を使うべきということをご存知なんですね。それではエネルギー調整済値をどのように使えばよいかというと、主な方法が3種類もあり、どの場面でどの方法を使うのか、迷うところだと思います。ところが、その考え方や使い分けに関して、まとめて示してある資料がどこにも見当たらな
2024年4月1日 15:34
4月1日ですね。新年度が始まりました。今年度もがんばろう!(でも力をいれすぎず…)と気合をいれるためにぴったりのお知らせが、数日前に私の手元に届きました。●取材を受けました3月はじめごろ、私のもとに、朝日新聞の記者さんからインタビュー記事執筆のための取材依頼がありました。食情報の見極め方をお伝えしたいということでした。●食情報の見きわめ方を解説ちょうどこの栄養疫学入門講座で、信頼できる食情
2024年3月29日 15:09
機能性表示食品を摂取して健康被害が生じたという報道がなされているようです。様々な専門家がこの事件に関して発信しています。そして機能性表示食品の制度の在り方の意見も出されているようです。このままの制度の継続は見直したほうがよいとか、廃止も検討したほうがよい、との記事も目にしました。それにしてもなぜ多くの専門家がこの食品の制度を批判しているのでしょうか。私自身も機能性表示食品には課題があると感じて
2024年3月26日 15:24
昨年末、こちらのnoteで紹介した栄養疫学入門講座ですが1月~2月に4回のオンラインLIVE講義、そして3月にはスペシャル企画の、オンラインでのお疲れさま会と、リアルでのランチ会を開催し、無事にすべての日程を終えました!受講生のみなさんからは講座終了後にアンケートに回答いただき、講座の満足度や気づきなどをいただきました。すごくよかった、ためになった、楽しかった、といった、うれしい感想をたく
2024年3月21日 09:56
私が栄養疫学の研究者として活動をしていた期間に執筆した9報の論文の内容を紹介する「執筆論文紹介」のシリーズ。前回はこちらのnoteで紹介しました。「日本人高齢女性でたんぱく質摂取量が多い人はフレイル有病率が低い」という結果が得られた論文です(文献1)。この論文、けっこう反響があって、その後「高齢者はたんぱく質を積極的に摂取したほうがよい」といったことを主張するエビデンスとして、様々な場面で使わ