おすすめできる喜びが、ここにある(ミリアニを見てください)

 どうしようもなくアイドルマスターミリオンライブ!が好きでよかった。
 ありがとう。
 ミリアニを観た時、それ以外に言いようがなくなってしまった。

前述

 ミリアニによりミリオンライブが好きだという気持ちが爆発してしまったため、こうしてぐだぐだと言葉を並べ立てるのを許してもらいたい。他女性Pの方たちのnoteを見ていたらぐわーっとなってしまったので、私も便乗してそっとこの感情を残しておく。

 他にも幾多の素晴らしい感想があるため、ぜひそちらを優先して読んでほしい。それらをもうすでに読んでなお私の記事に興味がある方向けに、まずミリアニの宣伝から。

 アニメ「アイドルマスター ミリオンライブ!」劇場先行上映を見てほしい。秋アニメなので地上波放映もされる(おそらく配信もある)が、劇場で見るという体験があまりにも良すぎたので、秋と言わず今見てほしい。

前提知識は必要か?

 個人的にはなくても問題はないと考えている。
 しかし、「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」(通称ムビマス)を見たほうがよりわかりやすいのは事実か。
 あえて最低限知識を入れてから見たいという方は、以下のふたつをおすすめする。

 正直何も知らない方からの感想も楽しみにしているので、知らなくてもいい。とにかく興味があれば見てほしい。

 第1幕は9月7日までの公開となっており、今週末25日からは応援上映が始まる。個人的にはまずじっくりと話を知ってほしいので、通常上映からの鑑賞をおすすめしたい。
 とにかく劇場のめちゃ良音圧で私たちが大好きなミリオンライブを浴びてほしい。


感情

 以下、読んでも読まなくてもいい一女性Pの感情です。元々が後ろ向きになりがちな性格なので、感情の途中に嬉しくなかったことも書いています。
 なお、当初担当アイドルへの感情を交えながら書いていたら2万字超えたので全て抜きました。気が向いたら担当アイドルへの感情だけで別noteのせます。

 先に言っておくと、私はミリオンライブというコンテンツに対してそう詳しいプロデューサーではない。ミリシタリリース時(2017年6月)にゲームを始め、スマホの動作事情により2018年1月からようやくまともにゲームがプレイできるようになったP歴6年……とも言い難い浅いオタクだ。
 無(理のない時々無理する)課金勢で、普段は衣装を確実に取りつつ担当イベントでは100位周辺をうろうろするスタイルでミリシタをプレイしている。ライブについては基本ライブビューイングか配信で参加することが多い。現地参加してみたいものの、人が多い場所が怖いので参加したことはない(これについては申し訳なく思っているが、本当に苦手なので許してほしい)。

 桜守歌織さんに心奪われてからこの6年、そっとミリオンライブのことが好きでい続けている。

私にとってのアイドルマスター

 アイドルマスターというものを、正直私は良く分かっていない。20周年を2年後に控えた一大コンテンツという認識はあるし、5大ブランドのゲームorメディアを一通りプレイor視聴したことがある程度の知識はある。
 しかし、自分が「アイドルマスター」にハマっているという感覚はない。全ブランドに触れた結果、自分の性に合っているのがミリオンライブであり、プロデュースしたいアイドルがここにいた。それくらいの意識だ。
 もちろん他ブランドに好きなアイドルは何人もいるものの、彼ら・彼女らへの意識はすべて「ファン」という立ち位置から来るものであって「プロデューサー」ではなかった。(ちなみにASではおひめちん、シンデレラでは新田美波さん、SideMではピエール、シャニでは桑山千雪さんを中心として、ミリオンほど深くはないものの応援させてもらっている。)

 だからこそというべきだろうか。他ブランドにあってミリオンライブにないものをまざまざと意識させられるたび、心からおめでとうと思えなかった自分がいたのも事実だ。
 この気持ちは単純にファンコミュニティにおける立ち位置によって変わるのだろうと認識している。全く別個の組織として全ブランドを捉えていれば、こんなことを考えることはなかっただろう。他と比べてしまうのは、少なからず同じ大きなくくりに帰属しているという意識があるからだ。例えるなら「同じ学校にいる別クラスの一グループ」に近い。同じグループ内ですら交流にむらがあり、人によっては別グループとのほうがクラブ等の関係で仲がいいものの、グループ的には同じところにいる(かくいう自分自身、私が女性であり基本的には女性向けとされるコンテンツで活動しているというのもあり、SideMのそばにいることのほうが圧倒的に多い)。他グループに関しては廊下ですれ違ったりたまに噂を小耳に挟むくらいで深く絡むことはないものの、どこか同じ場所に帰属していることだけは認識している。
 ここでいう学校が私にとっての「アイドルマスター」なのだと思う。

アニメへの思い

 話を戻すと、他ブランドPとの交流のほうが圧倒的に多いPだったからこそ、ミリオンライブにもアニメが欲しかった。これは自身の至らなさによるものだが、基本的に私は布教が得意ではない。チョロいので周りからのおすすめには興味を持ってレスポンスを返すようにしているものの、自分が好きなものを発信して肯定的な意見が返ってきたことはあまりない。
 特にミリオンライブにおいてはなかなか辛口の意見が多く、「作中Pが男性固定なのが受け付けない」「豊川風花ちゃんへのプロデュースが納得行かない」「結局男性向けコンテンツじゃない?」「Pの性格が無理」「恋愛要素はちょっと……」など、直接間接問わず言及されているのを見て言い返せない自分に悔しさを感じていた。
 何しろ、言われていることは全てが間違っているわけではない。コンテンツに触れるに当たってファーストインプレッションは最も重要であり、それに値する初期コミュやお仕事コミュでの作中Pの振る舞いは正直目に余るものもある。
 今ではどのコミュも「見てほしい!」とおすすめしたいものになったが、布教して「どれやってみるか」と軽く触ってくれる人間は最新のメインコミュに到達するまでの労力を注ぎ込んでくれるほど優しくはないのだ。

 ただ、コミカライズのPたちの距離感はかなり良いと個人的には思っていた。コミカライズされたどの話も魅力的で、アイドルたちの魅力を充分に伝えてくれるおススメしやすいメディアだ。デメリットを言えば「読むに至るまでの選択・行動が多い」点にある。ゲッサンミリオンライブ全巻送り付け妖怪と化していた過去から考えると、本を開いて活字を読むというステップでもう渋る人もいた。これはおそらく私の周囲にいる人間が基本的に映像を楽しむタイプが多いところに原因があったとは思う。

 ソシャゲという継続していくコンテンツへの高い段差を越えるステップとして、気軽に「これを見て!」と言えるものの代表格は、やはりアニメだ。なにせアニメは選択しなくても目に入る可能性がある。サブスクが幅を効かせる社会になってからは、おススメされてから見るまでのハードルが格段に下がった。ながら見をするユーザーが増えた中で、両手が塞がらず軽く目を離しても話がわかるという点でアニメは一般大衆向けにも大きな利を得る。
 アニメでコミカライズのようなシナリオが展開されれば、きっと。
 私の最大の希望はそれだけだった。

 周年ライブや記念放送が発表されるたび、次こそは来るのではと半ば祈るような気持ちで期待していた。他ブランドでは次々とアニメ化が発表され、「ゲームが合わないならアニメだけでも!」と次善策を提示できる中で、私の手にあるのはゲームとコミックだ。もちろんコミックも大好きだが、これまで読んでもらえなかった経験のほうが圧倒的に多すぎて臆病が勝った(これは完全に私の問題だが)。

 そんななか2020年7月4日の周年記念生放送で待望のアニメの発表があったとき、100%良い反応ができたとは言えない。A-1はすでにアイドルマスターから手を引いていて、自分が無意識下に求めていたムビマスと同じ作画のセルアニメは出ないと分かっていたからだ。更に3DCGアニメという情報を聞いたとき、不安感がじわじわと押し寄せるのを感じた。
 先ほどアニメがハードルの低いコンテンツと言っただろう。それは正しくいえば違う。ハードルが低いのは、いわゆるセルアニメ(もしくはそう見えるもの)だ。現状未視聴の方が口々に言っているように、3DCGに抵抗感を持つ視聴者は未だ多い。私自身某バスケ漫画の映画を見るまでは侮っていたところがある。過去ジャンルの良くない思い出がいくつかあったこともあり、半ば忌避すらしていた3DCGに間違いなく私は落胆した。
 更には、ミリオンスターズ全員にスポットをあてるというコンセプトにも不安を覚えた。1クールアニメで描ききれる人間関係は、多くて10人ほどが限界などと言われる。確かにミリオンPはUNION!!で誓った「ひとりも手放さない」精神を愛しているが、現実的な問題でそれができるほど甘くないことも知っている。
 同時に発表されたシャニマスのアニメが初期ユニに焦点を当てているぶん、否応なく対比の目はあった。

 気分が塞いでいると、悪い意見ばかり目につくものである。他ブランドPからの意識的・無意識的なsage発言、それに対抗するミリオンPからの他sage(こちらはどう見ても意識していたので本当にしないでほしかったし自ブランドPの観測を基本やめた)、オワコンとまで言われたときにはもう開き直って笑っていた。
 あんたらがどう言おうと知るか。私は私のアイドルたちといられればええわ。悪く言いたいやつは勝手に言えばええ。
 良くない思考だ。コンテンツが閉じていく原因そのものである。わかっていても、力のない一オタクには何もできない。

 MOIW後のキャスト陣の声を聞いて、やはりもっと知ってほしいという気持ちになっても前向きにはなれなかった。このときすでにムビチケの発売が開始していたが、39枚セットという攻めた売り方の意図を、このときは理解していない。
 皆さん10年も待ったのだから、思い出補正で誰しもがいい作品だと言っているに違いない。
 コンテンツをずっと支えてきてくれた人はそれは肯定的な意見を出すだろう? 見てほしいんだから。

 劇場公開初日、仕事終わりにひとりで見に行こうとして……勇気が出ずにやめた。とにかく情報だけは取得していたくて、タグを使った感想、使っていない感想、はては伏せ字感想までありとあらゆるメディアで情報を得ようとしていた。
 悪感情側の意見がほとんど見られないのが逆に怪しい。この称賛はほんとうなのか? 果てには疑心暗鬼に陥る始末だ。調べ続けて、寝ようとしてもアニメのことが気にかかりすぎて、実際のところほとんど眠れなかった。
「駄目だったらどうしよう」
 一緒に見に来てくれた友人(私にSideMからアイマスを教えてくれた)へ、劇場に向かう車の中で言おうとして、やめた。彼女を自分のミリオンライブへの後ろ向きな感情に付き合わせたくなかった。
 基本的に自分で感じたことしか信じないので、劇場で映画がはじまるほんの直前まで後ろ向きに思っていた。上映時間ギリギリまで見ていたTwitterの検索履歴はミリアニ関連でいっぱいで、しかし自分はそれを信じられない。
 これは何重にも重ねた自分のどうしようもない期待感への保険だ。ミリオンライブという好きなコンテンツに対して「いいものがそこにあるかもしれない」といううわずった気持ちと、これまで何度もこき下ろされてきた経験が告げる落差への反射的な防御反応。そうすれば、今までのように好き勝手言われても、そうだね、でも私はこの作品が好きだよと笑って受け止められる。
 何よりも、自分がこの作品を好きになれなかったときのダメージが少なくてすむ。
 心の弱いプロデューサーであることが申し訳なかった。今思うと、信じてあげられない自分というプロデューサーが嫌だったのだと思う。

アニメを見た結果

 2時間前の自分を全力で殴ってやりたい。
 泣いた。もう全話で。
 今のところ全話面白い。一部涙が引っ込むパートもあったが、本当に全てが丁寧に作られている。

 何よりも、私が好きなミリオンスターズ、そしてASのみんながそこにいた。
 本当にひとりも手放す気がない。気概に満ち溢れているというわけではなく、それが当たり前というようにそこに765プロライブシアターがある。
 その中には私たちプロデューサーさえ手放さないという意志を感じて、大好きなコンテンツを信じてあげられなかった申し訳無さとそんな私の背中すら何度でも押してくれる優しさからまた泣いた。

 これは試聴ですでに出ている部分なのでこのまま話すが、Rat A Tat!!!Aメロの以下の部分でどうしても泣いてしまう。

ほらほら早く 前を向いて!

Rat A Tat!!!歌詞一部

 これは信じて前を向けなかった、大好きな場所にちゃんと誠実でいられなかったことに対する自戒だ。
 同時に、こんな私に前を向かせてくれたことに感謝したい。
 この作品を作ってくださった全ての方に、これから見てくださる全ての方に、ありがとうと言いたい。
 最初から今までずっと「ありがとう」を伝え続けてくれていたこの場所だからこそ、ありがとうからはじめていけたらこれ以上ない幸せだ。

最後に

 以上つらつらと書き連ねてきたが、映画をどう受け止めるかは結局のところ人によるので、面白くないと感じる方も必ずいると思う。もしこの文章で見てみようと感じて、結果期待通りにならなかったら申し訳ない。
 ただあの場所にいるみんなが765プロミリオンスターズなのだということを知ってくれたら、それで充分だ。
 気になるアイドルがひとりでもいたら、彼女の名前を各種音楽サービスで検索してみてほしい。名前がわからないときは、公式サイトから宣材写真付きで探せる。
公式サイト宣材写真:https://millionlive-theaterdays.idolmaster-official.jp/idol/

 いつかまた、どこかで見かけたときに「見たことがある」と思ってもらえるのが、私が目指すプロデュースの第一歩である。


 P.S. 私の担当アイドル桜守歌織さんをご覧いただければ幸いです。シアターには他にも総勢52人の魅力的なアイドルがいます。
 いつでも気が向いたときに、お気軽に会いに来てください。

自由な空へどこまでも羽ばたいていってください。

大好きです……この先もずっと……歌織さんのPでいさせてください……

蛇足(ミリオンライブに興味がない人にもミリアニを見てほしい)

 これは同人作家の端くれとして全ての物語を創作する人間におすすめしたいのだが、物語の構成も見せ方の下地もかなりうまい作品になっている。
 アニメとしての完成度がかなり高い。
 というかアニメ云々を抜きにしても、話が………うまい……!!!!
 家で物語の構成をまとめつつ展開への下地をまとめていったら美しすぎて勉強になった(これも出したいが字が汚すぎるしネタバレなのでやめる)。
 ある程度アイドルマスターらしいテンプレはあるものの、論理的に緻密に組み上げられたストーリー回しには手放しで拍手しかできない。脚本の方(加藤陽一さん)がすごすぎるのでアイカツも見てみようと思う。

追記

 これを書き終わった直後、ミリオンライブミリしらのメインジャンルフォロワーから「村木さんがTwitterでたくさんおすすめしてたから観に行ったよ! 良かったよ!」という趣旨の感想をいただいて大泣きしてしまった。お願いしたらタグをつけた感想も呟いてくださった。女神か。
 1900円と決して安くはない映画代に加え映画館までの往復代や時間もあるでしょうに、私の好きなものを観てくれてありがとうございます。

 いい作品です。ミリアニ。

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