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11月15日「いい遺言の日」にちなんで               "遺言" のお話


本日11月15日は「いい遺言の日」なんだそうです!
そして11月22日の「いい夫婦の日」までの1週間が、「夫婦の遺言週間」とされているそうです!

今回は、そんな「いい遺言の日」にちなんで「遺言」についてのお話です。

生前に "財産を誰にどれだけ残すのか書いたも" のというイメージはあると思いますが、具体的にどう書き遺すのかなどをお話しようと思います。




「遺言」とは?


遺言とは、被相続人(故人様)が「自分の財産を誰にどんな形でどれだけ残すか」についての意思表示をする事で、
それを書面に残したものが遺言書です。

遺言書は認知機能が衰えてからでは作成が難しくなるため、
判断能力があるうちに作成することが重要です。

遺言には法的に大きな効力があり
遺産は基本的に遺言書通りに分けるということになっています。

遺言によって、法律で定められている相続人以外の人に財産を分ける事や、寄付をすることもできます。


◆「遺言書」にはいろいろと種類がある


「遺言書」とひと言で言っても様々な形があり、3種類に分けられます。

  • 「自筆証書遺言」

  • 「公正証書遺言」

  • 「秘密証書遺言」


上記はまとめて普通方式遺言と言い、通常の遺言書を作成する余裕のないときに利用する特別方式遺言という特殊な遺言書もあります。




自筆証書遺言とは?


遺言者が遺言書の全文を自ら書いて作成する遺言書のことを言います。
(財産目録以外の本文をパソコンでの作成や代筆などは無効となります。)
一般的に多く書かれている遺言書はこの形式です。
用いる紙や書式に条件は無いそうで、ボールペンなどの筆記用具やノート、
印鑑があればすぐにでも作成できます。
(※正確な年月日署名をして捺印する必要があります。)

遺言書の保管に関しては、遺言者本人か法務局での保管になります。
法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用して保管する場合は、
検認の手続きは不要です。

◆自筆証書遺言のメリット・デメリット

<メリット>

  • 手軽に作成でき、費用がかからない
    (法務局に保管を依頼する場合は、1件につき3,900円がかかります)

  • 法務局で預かってもらう場合は検認不要

<デメリット>

  • 無効になりやすい(PCでの作成や代筆など)

  • 紛失や発見されないリスクがある

  • 隠蔽・破棄・変造されるリスクがある

  • 遺言者自身で保管する場合には検認が必要


◆検認とは?

「検認」とは、相続人に対し遺言の存在を知らせるとともに、
遺言書の形状や内容などを明らかにして、遺言書の偽造・変造を防止するための手続きです。
遺言書がある場合、発見者や保管者が遺言書を家庭裁判所に提出し
検認を請求しなければならず、相続人にも手間がかかります。

※相続人は遺言書を見つけても検認前に勝手に開封するのはNGです。


公正証書遺言とは?


2人以上の証人が立ち会い、遺言者が口述した遺言内容を
公証人に作成して貰うという形式の遺言書の事です。

公証人による作成のため確実性が高く、公証役場での保管になるので
検認も不要です。

公証人は、未成年、推定相続人やその配偶者や直系血族、受遺者やその配偶者や直系血族といった関係性でなければ誰でもなる事ができます。

◆公正証書遺言のメリット・デメリット


<メリット>

  • 公証人が関与するので無効になりにくい

  • 紛失・隠蔽などのリスクがなく発見されやすい

  • 検認が不要

  • 文字を書けなくても作成できる

<デメリット>

  • 費用と手間がかかる
    (作成料は財産の価額に対応する形で定められています。
     100万円以下は5,000円、100~200万円は7,000円など)

  • 2人以上の公証人が必要


秘密証書遺言とは?


内容を秘密にしたまま存在だけ公証役場で認証して貰える遺言書の事です。
遺言の内容は公開せず、遺言書があるという事実だけを確実にする事が
目的になります。
一般的にははほとんど利用されていないのが現状です。

◆メリット・デメリット


<メリット>

  • 誰にも遺言の内容を知られない

  • 署名と押印だけ自分で行えば、内容はパソコンや代筆で作成が可能

<デメリット>

  • 無効になりやすい

  • 紛失・隠匿のリスク、発見されないリスクがある

  • 検認が必要

  • 手間や費用がかかる

  • 証人が2人以上必要




遺言書が無い場合は?


故人様が遺言書を残していなかった場合、
一般的には法定相続人全員で遺産の分割協議を行います
※遺産分割協議は、故人様の財産のうちでどの財産を誰がどのくらい相続するかを話し合うことです。

遺産分割協議は、民法が定める相続割合を目安に遺産を分けますが、
全員の合意を得られる場合は、法定相続の割合と違っても問題ありません。

遺産分割協議で話し合いがまとまったら、遺産分割協議書を作成し
登記変更や名義変更など遺産分割協議の内容を実行します。

遺産分割協議で話がまとまらず解決しない場合は、
家庭裁判所へ遺産分割調停の申し立てを行うなど、時間がかかってきます。

財産の多さに関わらず、家族間のトラブルを避けるためにも
遺言書を作成しておくのは有効ですね。




「いい遺言の日」ということで、今回は遺言書についてのお話でした。

最近は終活を進めている方もかなり増えていますが、
終活の一環で遺言書も作成する方も増えています。

財産は無いからと思っても、忘れていた思わぬ財産を見つけることも。
今一度身の回りを整理しつつ、ご家族や思い入れのある方に
ご自身の財産を遺してみてはいかがでしょうか。






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