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健康だけでなく"認知機能"にも影響がある「腸内細菌」パワーのお話


最近SKKの note は健康記事がかなり増えております。

葬儀屋さんだって、皆さん健康でいて欲しい!

全てはこの気持ちから。
寿命が延びた現代でも、健康寿命が延びなければ意味が無いですよね。

前回、前々回と「予防医療」についてお伝えしました。
大きな病気になる前に、日々の食事や生活で気を付けていきたいところ。


という事で、今回も健康についてのお話です。

中の人は目下「予防医学」というものに興味を持って勉強中なので、今回も熱量を持ってお届けしようと思います!



分かってきた腸内細菌パワー


最近「腸活」という言葉をよく聞くようになりましたね。

腸活の目的で「発酵食品」も注目を集め、
味噌やヨーグルトを手作りする人も増えましたよね。

健康に大きな影響を及ぼすことが分かってきた腸内環境。
その腸に住んでいるのが細菌たちです。

腸内細菌には、大きく分けて3種類の細菌がいる事はよく知られています。

  • 善玉菌

  • 悪玉菌

  • 日和見菌

善悪の文字が付いている通り、良い菌も悪い菌も居る訳なのですが、
この細菌たちは「バランスが大事」だと言われています。

悪玉菌が増えすぎる事はもちろんダメなのですが、善玉菌ばかりが増えてしまうのもダメ。
いろんなタイプの細菌がバランスよく共存してこそ、腸内環境正常化と言えます。

バランス的には、善玉菌30〜40%、悪玉菌10%、日和見菌50〜60%の割合が望ましいとされています。

このバランスが崩れてくると、免疫力が低下したり、消化機能が衰えたりと体調の不具合が出てきます。

普通に生活していて自分の腸内環境の最近バランスを見ることはできませんが、悪玉菌を排除しなくちゃ!!なんて考えると逆効果になる事を覚えておきましょう。


具体的には1000種類の菌がいる!


腸内には大きく分けて3パターンの菌が居るとお伝えしましたが、
具体的にその金の種類はおよそ1000種類600兆個もの菌が生息していると言われています。

この菌の数は年齢によって増減する者の、菌の種類は一生を通じてほとんど変わらないことが報告されているそうです。

細菌たちは種類ごとにまとまって群生するという特性があります。
その見た目がさながらお花畑のようなので、「腸内フローラ」と呼ばれています。
この言葉、皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?

これだけ数多くの菌を大まかに分けて3種類になるのですが、細菌たちにはそれぞれの役割があるのです

  • 善玉菌
    腸内環境を酸性に保つことで悪玉菌の増殖を防ぐ。
    ビフィズス菌や乳酸菌などが有名。

  • 悪玉菌
    腸内の環境をアルカリ性にして有害物質を増やす。
    ブドウ球菌などが有名。

  • 日和見菌
    腸内で優勢な菌と同じ働きをする。
     →悪玉菌が増えてくると悪玉菌の味方になってしまう。

日和見菌に属する菌たちが優勢の菌の味方になる事を考えると、常に善玉菌が優勢の状態を保つことが、腸内環境を良く保つことになりますね。


腸内フローラ


悪玉菌が増える理由


腸内の悪玉菌が増える要因は幾つかあります。

  • 食生活の偏りや乱れ
    (たんぱく質や脂質が中心の食事、栄養の偏り、不規則な食生活など)

  • 不規則な生活
    (交感神経が優位になり、自律神経のバランスが乱れ腸活動が鈍くなる)

  • 喫煙習慣
    (喫煙すると交感神経が優位になり、腸の活動が停滞する)

  • 過度な飲酒

  • 抗生物質の服用
    (抗生物質により腸内にいる有益な細菌まで排除してしまう)

  • ストレス
    (腸の働きは自律神経によってコントロールされているため)

  • 便秘

上記のようなことが原因で悪玉菌が増えていきます。

腸内環境が悪くなることは、肥満や糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの深刻な疾患と密接な関係があり
これらの病気を持つ人の腸内細菌は、健康な人と比べて著しく変化していることが知られています。

一方、善玉菌は乳酸や酢酸などを作り、腸内を酸性にすることによって、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、
食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境を作ります。

また、善玉菌は腸内でビタミン(B1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸)を産生することができます。
さらに、体の免疫機能を高めたり血清コレステロールを低下させる効果も報告されています。

時代は「プレバイオティクス」


「プロバイオティクス」
という言葉、皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?

ビフィズス菌や乳酸菌を含む食品、例えばヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆、漬物などを積極的に摂る事により、
生きた微生物のプロバイオティクスを摂取して直接的に善玉菌を増やすという健康法が、腸活と共に勧められてきましたよね。

そして今注目されているのは、善玉菌のエサとなる「プレバイオティクス」

これは腸内にもともと存在する善玉菌を増やす作用があるとされていて、プレバイオティクスは消化・吸収されることなく大腸まで到達すると言われています。

プレバイオティクスになる成分としては、オリゴ糖食物繊維です。
大豆、たまねぎ、にんにく、ごぼう、アスパラガス、サツマイモ、きのこ類、その他果物などに多く含まれています。

食物繊維が便通改善など腸内に良い作用をもたらすことは以前から知られていましたが、
前回の記事でお伝えした通り、「ファイトケミカル」の観点から考えても、
食物繊維を積極的に摂ると良いですよね。

そして最近では、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を摂取する「シンバイオティクス」を心掛けると、腸内環境が良い状態に保たれやすくなるといわれています。

どちらも意識してバランスよく摂取する事が大切ですね。



腸内細菌は認知機能にも作用する


健康に影響を及ぼす「腸内細菌」。
最近では、その腸内細菌は脳内の「認知機能」にも作用することが分かってきています。

前回の記事で、「ファイトケミカル」が認知症の予防に有効という話をお伝えしましたが、それはそもそも腸内環境の改善になっている事も要因です。

腸は「第2の脳」とも呼ばれる独自の神経ネットワークを持っており、
生物にとって重要な脳機能と腸内環境は、相互に作用しあっています。

この関係は「脳腸相関」とも呼ばれ、心身の健康維持で重要な役割をになっているという事が、最近の研究で分かってきています。

食物繊維を多く摂取している人は、摂取が少ない人に比べてうつ病が少ないことが明らかになっており、
認知症リスクが低いという研究結果も発表されています。

食物繊維は、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、溶けにくい「不溶性食物繊維」がありますが、
水溶性食物繊維は、糖質の吸収をゆるやかにして食後血糖値の急な上昇を抑える効果があり、特にこの水溶性食物繊維を多く摂っている人で、認知症の発症リスクがより低下する傾向がみられたという研究結果があります。

認知症は「脳内の炎症」と言われていますが、
⾷物繊維の摂取が、腸内細菌の構成に影響をもたらし、神経炎症を改善したり、認知症の危険因⼦を減らすことで、認知症の発症リスクを低下させている可能性があると言われています。

健康だけでなく、認知症予防、認知機能の維持のためにも、食物繊維を積極的に摂り、腸脳関係を改善していきたいですね!



健康寿命を延ばすことが求められる現代。
体だけではなく、脳も健康でいたいですよね。

前回の記事から今回にかけて、予防医療的な健康のお話をお伝えしてきましたが、
これからのカギは「食物繊維」かもしれませんね。

日々の食事に少しの気遣いを心がけて、身体も心も健康な生活を送りましょう!!





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