小野寺 慎平

株式会社NEWONEの人材開発、組織開発のコンサルタント。仕事を面白くするための情報を…

小野寺 慎平

株式会社NEWONEの人材開発、組織開発のコンサルタント。仕事を面白くするための情報を発信します!

マガジン

  • #チームで共通言語にしたいことシリーズ

    将棋にも定石があるように、またサッカーにも基本戦術があるように、チームや組織にも、所属しているメンバーの「共通認識」になっていることで、組織がWorkすることがあります。組織開発を支援している私が、チームで読みまわしてほしいと思うことをまとめています

  • #20代読んでよかった本を読み返してみたシリーズ

    人材開発・組織開発に20代を捧げた私が読んでよかった本を、30代になった今読み返して整理しています

最近の記事

脱 当事者意識を持て!

より良いチームをつくっていくためには、「良いチームリテラシー」のようなものをチームメンバーで共通認識にしながら高めていくことが大事です。 押すな押すな、が面白いのも、押す人がいて、それがお決まりだと分かるから面白いのと一緒です。 このテーマで過去いくつか、書きました。 そのうえで今回は、一定のチーム力がある組織でよく使われがちな「当事者意識を持て」という点について、反省や自戒の念も込めて、言い切りたいと思います。 当事者意識は当事者しか持てない組織開発を生業とする組織

    • ダブルバインドと組織開発(chat GPTと考える)

      精神科医グレゴリー・ベイトソンによって提唱された「ダブルバインド」について組織開発の観点から、chat GPTと対話しながら考えてみました。 そもそも、ダブルバインドとは、 二つの矛盾した要求や情報を受け取ることで、どちらの選択肢を選んでも罪悪感や不安感をおぼえるような心理的ストレスのある状態 です。 具体的にはどういうことでしょう。 どうでしょうか。 イメージしやすく、あるある~と思う方は多いのではないでしょうか。 私は各社の組織開発を支援したり、自社の組織開発

      • 仕事が手段でプライベートが目的化するワケ

        ちょっとタイトルと違う話から入るのですが、先日、主体性と社会性がトレードオフ状態になることで主体性が損なわれる、ということを教わりました。 主体性→自分らしく生きたい、自分がやりたいことをやりたい、自己実現をしたい 社会性→社会や組織、コミュニティの中で順応したい、責任を果たしたい(果たすべき) 例えば以下のような状態です。 サッカー部に入部してシュート練習をしたいが、ボール拾いをするのが1年生の役割という不文律があるので、シュート練習をしたいと言い出せない 会議で意

        • 現実はいつも対話から生まれる

          今回は社会構成主義について分かりやすく書かれた良書「現実はいつも対話から生まれる」からの学びをご紹介。 個人的にははじめて知ったとき、嫌われる勇気(アドラー心理学)と並び、目の前の現実だと思っていたことが、あれ、もしかして現実じゃないのか?と、知るだけで現実が書き換わる感覚がありました。 どういう方が読んでも面白いと思いますが、組織開発にも多分に活かされている考え方なので、人事・組織開発に携わられている方には特にお薦めします。 社会構成主義とは社会構成主義の立場について

        脱 当事者意識を持て!

        マガジン

        • #チームで共通言語にしたいことシリーズ
          8本
        • #20代読んでよかった本を読み返してみたシリーズ
          4本

        記事

          自分の状態にあった適切な休み方

          突然ですが、休むのは上手ですか? 私は正直上手でありません笑 心療内科医が教える本当の休み方(鈴木裕介)を読み、「休む」という概念がアップデートされました。 今回はいくつか発見があった点をご紹介します。 働く全ての人におすすめですが、私の専門である人材開発・組織開発の立場からもとても重要な気づきがありましたので、組織づくり、人事、マネジャーの皆さんには特におすすめです。 AbsentとRest 休養とは疲労を回復し、健康を取り戻すという目的を果たす活動だが、本書い

          自分の状態にあった適切な休み方

          他人のことは見えるが自分は見えない

          20代で読んだ本を読み返そうシリーズ#3です。 今回は、自己矛盾劇場(細谷功)をご紹介。 細谷さんの本は大変分かりやすく、実施する研修等でもよく紹介しています。 この本は、読んだときにスッキリ!というよりも、ウッとなる本です。笑 人には多くの矛盾があり、それを自分では気づけていない、という自己矛盾について構造的に説明されていて、認めたくないが、自分あるあるだなと思いました(読み返してもまたウッとなりました。笑) 自己矛盾とは 自己矛盾、つまり言動に対する一貫性のなさ、

          他人のことは見えるが自分は見えない

          官僚主義とヒューマノクラシー

          ヒューマノクラシー(ゲイリー・ハメル)が希望の書でした。 自律分散組織の大家でもあるゲイリー・ハメルから、組織開発を担う人、より良い組織をつくりたいすべての人への大号令のようにも感じました。 どれだけ良い組織を作ろうと思っても、なんか見えない壁のようなものを感じる、前提から見直す必要があるように思う、といった方にぜひ読んで頂きたいです。 官僚主義とヒューマノクラシー本書では官僚主義(bureaucracy)に対して、著者の造語であるヒューマノクラシー(humanocra

          官僚主義とヒューマノクラシー

          非合理的な意思決定が組織を動かす

          先日ある人から、非合理=粋と教わり、たしかにー!!となりました。 自分のメリットにならない、何ならデメリットやリスクがあるけど、誰かのためになることだったり、その人らしいとなることに対して、粋だなとなる。 非合理であれば必ずしも粋ではないかもしれませんが、粋である、というのは確かにその行動の主体者にとって合理的でないと感じられる時に生まれる感情だなと思いました。 企業の人材開発、組織開発をご支援していると、(当たり前ですが)合理的な提案を求められることが多いです。 そ

          非合理的な意思決定が組織を動かす

          Blue Giantから学ぶリーダーシップ

          主人公が世界一を目指すJazz漫画、Blue Giant。 何度か薦められてたものの読んでおらず、昨年映画をみて号泣し、その後全巻揃えまして、最近発売の最新刊も読みました。 読まれた方それぞれの感想があると思いますが、人材開発やコーチをやってきた自分の立場では、リーダーシップの究極形を見ることのできる作品だと思いました。 先日以下のnoteにて、リーダーシップを求めているのは自分自身、ということを書きました。 上記で紹介している書籍「リーダーシップで一番大切なこと」で

          Blue Giantから学ぶリーダーシップ

          希望は高貴、絶望は権利

          今回は『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話(頭木弘樹編訳)』をご紹介。 この本の構成が大好きで、年に数回風呂で読む本です。 どうでもいいのですが、東京テレポートの本屋で買った記憶がぼんやりあります。 たぶん何かの集合時間よりちょっと早くついてしまって、暇つぶしに買ったのだと思いますが、良い出会いをしました。 この本の構成なんですが、2人の作家、ゲーテとカフカの名言対決!と題して、同じテーマに対して、二人がどのように考えていたのかが書かれています。 この二人は明のゲ

          希望は高貴、絶望は権利

          現代はバビロニア式奴隷制度?

          ポスト資本主義という言葉が年々聞かれるようになってきました。 資本主義のその先についてちょっとずつ調べていく中で、貨幣論という学問があることを知りました。 先日noteでも書いたお金の向こうに人がいる、おすすめです。 そしてその中で、現代はバビロニア式奴隷制度である、となんともパンチのある表現を見つけました。 バビロニア式奴隷制度とは、借金をかたにして返せない人を奴隷として労働力を搾取する仕組みのようです。 ではなぜ現代も同じなのでしょうか。 それは①お金は誰かの借

          現代はバビロニア式奴隷制度?

          イシューから始める

          30代に突入したので、20代で読んでよかった本を読み返そう企画#2です。 今回は言わずと知れた名著「イシューから始めよ(安宅和人)」を読み返しました。 - バリューのある仕事は、イシューの質が高く解の質が高い - 解の質が高いがイシューの質が低い仕事をどれだけ沢山しても、バリューのある仕事には到底到達できない - なので、イシューからはじめよ - そしてイシューとは、”自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ” 学生時代、仙台から青春十八キップで帰京する際に

          イシューから始める

          組織を動かす2つの力

          組織にあるのは2つの力、という考え方を仕入れました。 それは、①権力②影響力 です。 ではどんな違いがあるでしょうか。 権力とは、「情報」「権限」「金」によって、発揮される力です。 これはいわゆる「役職者」が有している力です。 この権力は、権力がない他の所属メンバーを従わせる力があります。 なぜならば、「情報」「権限」「金」の優位性によって権力に従わないことによって、組織にいづらくなる(組織に所属するメリットを享受しづらくなる)、または組織から排斥されるリスクがあ

          組織を動かす2つの力

          リーダーシップを必要としているのは自分自身

          30代に突入したので、20代で読んでよかった本を読み返そう企画#1です。 今回は、新卒で入社した会社で先輩に俺のバイブル、と言って薦められた「リーダーシップで一番大切なこと(酒井穣)」から一行をご紹介。 当時所属していた会社が、リーダーシップ開発を専門としていたので、多くのリーダーシップに関する本を読みました。 そのほとんどがリーダーシップとは他者への影響力の行使と定義しているなか、本書ではリーダーシップにフォロワー(他者)の存在は実は関係ないと書かれています。 なぜ

          リーダーシップを必要としているのは自分自身

          お金の向こうに人がいる

          今回はお金の向こうに人がいる(田内学著)をもとにお金の仕組み、お金と労働について考えていきます。 本書を読んで、お金の正体についてお恥ずかしながら全然分かっていなかったなと感じました。あらゆる方に一読をおすすめします。 AIによる本noteの3行まとめお金は誰かの労働力を使うためのチケットであり、お金を使うことは誰かに働いてもらうことと同じである。 お金があることで知らない人にも労働をしてもらうことができるが、顔の見えない人との関係は労働の無駄使いや浪費を招きかねない。

          お金の向こうに人がいる

          何もしなくても楽しいということを思い出す

          ある講座の事前課題で、わら一本の革命(福岡正信)という本を読みました。 自然農業について書かれていますが、How to本では全くなく、複雑化していく現代を裏側から読み解く哲学書でした。 そんな本書を読んで私が受け取った問いと解はこちら。 極端な話し、人間何もなくとも楽しかった、のではないでしょうか。 スマホがなかった時代の人は今より不幸だったのか。豊かさを追求してきたが、本当に豊かになってるのか。多くの人が一度は考えたことがあるテーマではないでしょうか。 本書読んで

          何もしなくても楽しいということを思い出す