有限と微小のパン/森博嗣
S&Mシリーズの最終作「有限と微小のパン」の感想です。
これまでの作品で最も哲学的。
森博嗣の思想に触れることができる一冊でした。
1.本書の魅力は天才達の会話にあり
シリーズ一作目「すべてがFになる」に登場する天才・真賀田四季が今回再び登場。やはり圧倒的な存在感がありました。
真賀田四季と犀川先生の会話が興味深い。
一番印象に残ったのは、
「その言葉こそ、人類の墓標に刻まれるべき一言です。神様、よくわかりませんでした・・ってね」という真賀田四季の一言。
私は、天才ではないので天才の思考は理解できない。でも、その思考に触れることで、自分にはない考えを知ることができて楽しい。
そんな魅力的な登場人物を誕生させた森博嗣は天才。
今回も国枝先生の登場が多めで、個人的に嬉しい。かっこい国枝先生のことが、回を追うごとに好きになりました。
2.驚きのトリック
残りのページが少なくなってきて、「謎が明かされないまま終わってしまう、、?」と焦りましたが、
最後の方に一気に謎が解けます。
今回もその斬新なトリックには驚きましたが、同時に「なるほどなぁ」と納得。
真賀田四季の現実の居場所にも、まさかすぎてびっくりです。
とうとうS&Mシリーズ最終作を読み終えてしまったなぁ。
なのに、終わった感じがしない。
なにかが始まる予感がするラストシーンでした。
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