見出し画像

有限と微小のパン/森博嗣


S&Mシリーズの最終作「有限と微小のパン」の感想です。

これまでの作品で最も哲学的。
森博嗣の思想に触れることができる一冊でした。

「F」から始まり今ここに終結、そして拡散?
萌絵たちが訪れたテーマパークで次々と起こる不可解な事件の背後には。

日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴンの事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は……。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。

amazon

1.本書の魅力は天才達の会話にあり

シリーズ一作目「すべてがFになる」に登場する天才・真賀田四季が今回再び登場。やはり圧倒的な存在感がありました。

真賀田四季と犀川先生の会話が興味深い。
一番印象に残ったのは、
「その言葉こそ、人類の墓標に刻まれるべき一言です。神様、よくわかりませんでした・・ってね」という真賀田四季の一言。


私は、天才ではないので天才の思考は理解できない。でも、その思考に触れることで、自分にはない考えを知ることができて楽しい。
そんな魅力的な登場人物を誕生させた森博嗣は天才。

今回も国枝先生の登場が多めで、個人的に嬉しい。かっこい国枝先生のことが、回を追うごとに好きになりました。


2.驚きのトリック

残りのページが少なくなってきて、「謎が明かされないまま終わってしまう、、?」と焦りましたが、
最後の方に一気に謎が解けます。
今回もその斬新なトリックには驚きましたが、同時に「なるほどなぁ」と納得。

真賀田四季の現実の居場所にも、まさかすぎてびっくりです。





とうとうS&Mシリーズ最終作を読み終えてしまったなぁ。
なのに、終わった感じがしない。
なにかが始まる予感がするラストシーンでした。


この記事が参加している募集

#読書感想文

187,194件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?