シズる映画@ドミンゲス&セラーノ

ドミンゲスとセラーノが送る「シズル映画」 シズるポイントのある映画を独自のゆるい視点(…

シズる映画@ドミンゲス&セラーノ

ドミンゲスとセラーノが送る「シズル映画」 シズるポイントのある映画を独自のゆるい視点(おぼろげな記憶だけを頼りに)でお送りします。 社会に向けているようでほぼ交換日記。 ドミンゲス>東宝東和の宣伝で人格形成された社長 セラーノ>初めて借りたビデオがルードヴィッヒとチャドな社長

最近の記事

海老食べに行こう。

運命の逆転 Reversal of Fortune 実際にあったクラウス・フォン・ビューロー事件という貴族の夫による妻殺害未遂事件を映画にしたもので、クラウスの一審有罪後、高名な人権派弁護士アラン・ダーショウィッツを雇い、彼の集めたチームによって上告審で無罪となるまでの話です。アラン・ダーショウィッツ本人の同名の著作が原作ですね。主演のジェレミー・アイアンズはこの映画でアカデミー主演男優賞を獲っています。 映画の作りは対策・調査・裁判を盛り込んだ一般的な法廷ミステリを踏襲

    • 【シズる映画にハズレなし】「フリック」が私のお昼どきの価値観をひっくり返した

      7~8年くらい前までは富士そばとか日高屋で昼食をとったときは、自分が人生に敗けを刻んだ気がしていました。 いや別にお店についてどうこう言いたいわけではないんです。 こういう店とか吉牛とかで食事するときって、「時間があまりないけど食べとかないと」っていう場面が多いじゃないですか。つまり1日のスケジュールを自分がハンドリングできていない結果だととらえていたのです。 若いうちは他の人の都合で予定が決まることも多いので仕方ないですが、自分の行動を自分で決められる立場になってから

      • 「ゼラチンシルバーLOVE」はシズる感とフェチを混ぜたブラック・プディングみたいな映画

         この映画はVOGUEなどのカバーストーリーによくあるような不自然で、何のシチュエーションだかさっぱりわからないけれどやたらと妖しくて全体がシズってる。そんな映画です。広義のシズル感を全カットに対して目論んだ膨大な数の組写真を連続再生したような混乱と陶酔があります。しかも作家による偏愛性が全体を統合しているのです。つまりシズル感をフェチが繋いでいる映画です。抽象的で何を言っているかわからないと思いますがシズル感ってかなり普遍性がある感覚で、フェチは個別の感覚です。ここで取り込

        • 【シズる映画にハズレなし】「スクワーム」は逆方向シズルの極北

          さあっ、今日はみんな大好き『スクワーム』(1976)について書くぞ! 「スクワーム?じゃあまたスパゲッティの話かよ」 いやいや、そんなベタな話ではなく。 ちゃんと劇中に印象的なシズルポイントがあるんですよ。 ジョージア州の田舎町に休暇で訪れたミック。地元のジェネラルストア(軽食もとれる雑貨屋)風の店にやってきて、客を切り盛りするお姉さんのすぐ前のカウンター席に陣取る。 お姉さんが彼に注文を聞くと、だいたいこんなやり取りになる。 ミック「エッグ・クリームをラージサイズで。

          「ストレンジャー・ザン・パラダイス」は、いいまつがい的なシズった映画

           ジム・ジャームッシュ監督のストレンジャー・ザン・パラダイスは公開前から話題になっていた映画でした。86年に日本公開されてポパイとかホッドドッグプレスのようなカルチャー誌や流行通信などのファッション誌、フールズメイトやドールなんかのエッジな音楽誌の映画コーナーでも紹介されていて、モノクロで、大したことは何も起こらない映画なんだけどそれでもなんだか新しい、そんな映画評だったと思います。観たかったし観ようと思っていたのですがなぜかタイミングが合わなくてリアルタイムでは観られません

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          【シズる映画にハズレなし】カメラが奇跡の瞬間をとらえた「眠れぬ夜のために」

          パスタを茹でるとついつい「雨に唄えば」を口ずさんでしまう人はキューブリックの影響を受け過ぎだよね、ってオレだけですか。 麺を湯のなかでまわしていて気がつくと 「しーんぎんざれーん♪」と脳内再生してる。ラーメンやうどんの麺をまわしてるときには鳴らないので、要はスパゲッティの口になっているときのテーマ、ってことやね。 斯様に、映画が人間の嗜好や習慣に与える影響は大きい。 「食べてるとこがおいしそうな映画にハズレなし!」と30年くらい吠え続けてきたんですが、語呂が良くなかったので

          【シズる映画にハズレなし】カメラが奇跡の瞬間をとらえた「眠れぬ夜のために」