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【ポケモンORAS】君たちは「化身ボルトロス」のヤバさを知っているか? 2022/08/21 【3391文字】

皆さま、「ボルトロス」というポケモンについてご存じでしょうか?

結果から言うと、こいつのせいで次回作の7世代サン・ムーンでは、こいつのアイデンティティーの「いばる・でんじは・いたずらごころ」がすべて弱体化しています。

・いばる→命中85、混乱自傷率33%(6世代:命中90、混乱自傷50%)

・でんじは→すばやさダウン1/2、命中90(6世代:すばやさ1/4、命中100)

・いたずらごころ→悪タイプに無効、サイコフィールド無効(6世代:制限なし)

要するに、6世代の”ぶっ壊れポケモン”なんです。

ボルトロスのイカれポイント


1.特性:「いたずらごころ」

・兎にも角にも化身ボルトロスの強さの中核を担うのが、この特性「いたずらごころ」である。

・分かりやすく言うと、6世代では「変化技は常に優先度+1で打てる」というイカれた特性で、種族値が貧弱な《クレッフィ》でも、この「いたずらごころ」のおかげで環境で息ができるほどには強い特性だった。

・変化技を優先度+1で打てるとなにがまずいのか?

・まず、先程の《クレッフィ》の例で話そう。単純に「リフレクター」+「ひかりのかべ」で退場するのも強いのだが、「いばる」+「イカサマ」+「みがわり」で相手が混乱して自分を攻撃してしまうのを待つ戦法も一般的になった。

・要するに相手がいばるの混乱率50%を引くのをひたすら祈って、自分を殴れば「みがわり」、もし突破されても裏にいる「かわりものメタモン」でコピーして逆に勝ち筋を作る。

・もちろん、これはボルトロスも例外ではなく、むしろボルトロスの方がすばやさや多様性が高いので採用されやすく、『ボルトメタゴーリ』などと呼称され、ORASの害悪構築として名高い。


2.でんじは、いばるによる「ボルト式猫騙し」

・前項でもお話したが、優先度+1からクソゲーを仕掛けてくるポケモンであることはもはや明白である。

・単純にORASでの「麻痺状態+混乱状態」で動ける確率を概算してみよう。

・麻痺状態は25%(1/4)で行動不能、混乱状態は50%(1/2)で行動不能。つまり、行動可能な確率は3/4*1/2で3/8。ざっくり、12.5*3なので、約37.5%の確率でしか動けない。

・6段階上昇した回避率がおよそ33%で回避なので、それに近いことが簡単に起こる。

・要するに、「でんじは」で25%行動不能、すばやさ1/4の状態にして、次に「いばる」をするだけで、相手は6割ほどの確率で動けない。

・これを優先度+1でしてくる。これが恐怖でなくして、何と言えばいいのか。もっとも、地面タイプには「でんじは」は通らないのだが、後述する「めざめるパワー」や「イカサマ」によってそれらは解決されやすい。

化身ボルトロスの「いたずらごころ」+「電磁波」は、ガルーラの猫騙しになぞらえて、『ボルト式猫騙し』とも言われ、とにかく麻痺が強い世代であったことは強く否定できない。


3.普通にアタッカーができる

・ボルトロスの最大の強みはミスリードにある。

・その高いとくこう、すばやさによって、素直にアタッカーにも転じれるこの多様性にすべてが詰まっていると言っても過言ではない。むしろ、元々はアタッカーとしてのデザインなのだろう。

・このとくこう、すばやさラインは「サンダー」とほぼ同じで、剣盾とほぼ同じ「麻痺+混乱」をしてくるとなれば、弱いわけがない。

・この世代のボルトロスは「めざめるパワーこおり」がほぼ必須で、これは特殊の飛行技をほとんど覚えないので、じめんタイプへの打点が枯渇しているためである。

・主にランドロスやガブリアスなど氷4倍組への打点として優秀で、不一致威力60ながら、おくびょうCS@珠ならば183-105の無振りガブリアス程度なら落とす火力がある。

・おくびょうCS@珠で単純に相手を殴るのも強いし、HBボルトチェンジでクッションとしての役割も無難にこなす。

・「でんじは」+「いばる」を採用して、「イカサマ」で2段階上昇した相手の攻撃力を参照して攻撃すると、とんでもないダメージが入る。

・特に「わるだくみ」を採用した型では、HSオボン10万/めざ氷/でんじは/わるだくみなどで、対面性能がかなり高いのも、ボルトロスの強さの1つである。


4.レート対戦・オフ環境での活躍

・第6・7世代特有のものとして、『メガシンカ』があり、トップメタである《対メガガルーラ》や《対メガゲンガー》への安定性自体は無いのだが、「でんじは」による最低限の機能停止を狙えるのが大きい。

・それに加え、《メガメタグロス》や《メガボーマンダ》などの中堅Tierに対してのマッチアップで、軒並み有利だったのも大きい。

・化身ボルトロスの強みは広く浅く相手を誤魔化せる性能で、どんな相手にも「でんじは」は必須で、それ以外の要素をどんどん足し算できるカスタマイズ性能も魅力的。

・特に頭角を現したのはシーズン10前後だろうか。いわゆる『ガルガブアロー』の役割集中や、催眠ゲンガーなどが出てきた後で、それらのストッパーとして優秀だった記憶がある。

・この頃はまだ一般的な珠アタッカー+「でんじは」という側面が強く、これらが変異するのはシーズン14辺りだろうか。

・シーズン14では、いわゆる『対面厨パ』が台頭し、そのスタメンであるボルトロスは、その多様性から爆発的に数を伸ばし、数を増やし続け、開拓もどんどん進んでいった。

・この時のボルトロスは全盛期で、シングル厨のつどい・あめオフ・キツネの社など様々な大会で成績を残した記憶がある。

・今までは、アタッカー+「でんじは」の様相を保ってきたが、シーズン15を過ぎると、「まもる」+「どくどく」で裏のガルーラやゲンガーと合わせて相手を落としきる型も開発された。

・これは最終シーズンであるシーズン17で最終1位・2位を独占した構築にも「どくどく」+「まもる」のボルトロスが入っていることからも、最終的には3タテアタッカーではなく、サポート気質になったことが伺える。


5.「化身ボルトロス」の圧倒的な存在感 そして、弱体化へ

・さあ、いよいよ大詰め。ここまではシングルバトル限定での話だったが、今からはダブルバトルもといWCSの話をしよう。

・WCS2015、我らがビエラの6年ぶりの日本人優勝。このWCSは私も生で見ていたし、手に汗握る戦いであったのは間違いない。

・しかし、ここにも一点の不安要素が存在する。概要から言おう。この年のWCSは『いばるJAPAN』と揶揄された。

・ここまで読んでいて勘の良い方は察されたかもしれない。TOP3がほとんど同じ構築であり、そこには化身ボルトロスの姿も見受けられる。

・そう。VGC2015世界決勝はボルトロスの「いばる」が、全面的に強みを押し出された試合内容だった。もちろんぶっ壊れである《メガガルーラ》や、安定の《ランドロス》、《クレセリア》なども見えるのだが。 

・シングルバトルにおいても、信じがたい画像がある。それがこちら。

・6世代をやっている人なら一度は見かけたことがある画像だろう。これはいわゆる『KP:かぶりポイント』で、大会でもっとも使われていたポケモンたちをまとめたもので、それが10人まったく同じ構成だったという話。

・どうでしょうか、化身ボルトロスの恐ろしさが充分に身に染みたでしょうか?さて、ここまではORASの話。使用率TOP10は確実だったボルトロスの輝かしい遍歴です。

・時は移ろい第7世代。サン・ムーンで、こいつの姿はほとんどありません。何故なら、最初にも話した通り、メインとなる「でんじは・いばる・いたずらごころ」がすべてナーフされているからなのです。

・その後の世代で見かけないのは、現在ありえないほど弱体化されているからなんです。それが無かったら普通に今でも暴れてるでしょう。

・こいつのせいで悪戯心はみな苦しんでいる。こいつは巨悪だ。許してはならない。

6.最後に

・振り返ってみて、とても懐かしかったし、久しぶりに顔が憎くなりました。

・こいつは存在自体が悪だった。

・余談ではあるが、私がオフ大会に参加した時の画像およびKPも残っていたのでここに記す。

第14回キツネの社mf結果まとめ

KP1~19位
KP33位~50位

かく言う自分も、めちゃくちゃ化身ボルトを使っていた。こいつは間違いなく最強ポケモン。


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