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【リバース1999】レグルスの元ネタについて【元ネタ徹底解説&考察】

今回は美少女海賊のレグルスと、りんごの哲学者APPleについて考察を交えて解説をしていきます。

まずレグルスの【本源】のDJについてですが、これは60年代に流行っていた海賊放送の中の一つ『ワンダフル・ラジオ・ロンドン』がルーツに当たると思われます。
海賊放送とは政府の認可なし海上の船から無線放送を行うラジオ局の俗称で、『ワンダフル・ラジオ・ロンドン』はその中でも人気が高いラジオ局でした。
『ラジオ・ロンドン』はギャラクシー船と名付けられた掃海戦を改造した船に、DJブースを積み込みそこからポップスロックを中心に配信しており、ミック・ジャガーやリンゴ・スターなどの有名ロックスターからも支持されていました。


続いて彼女の名前にもなっている【ミディアム】のレグルスですが、これは彼女が持っている星型のキーホルダーが関連していると考えられます。

説明文から察するに錬金術関係のものと推測できる事から、このキーホルダーは”賢者の石”の重要な調合素材となる『アンチモン・レグルス』なのではないかと推測しました。

『賢者の石』とはそれを手にすれば不死になれるという錬金術に於いて重要なアイテムです。

アンチモンはこの『賢者の石』に用いられる調合素材で、アイザック・ニュートンはこれを銀などの他の鉱物と調合し、何度も蒸留して”星状のアンチモン”を生成しました。
これを『アンチモン・レグルス』と言い『賢者の石』の第2段階の状態の物とされています。彼女のキーホルダーは形状や色合いからこの『アンチモン・レグルス』であると考えました。

続いてレグルスの光学の神秘術についてですが、これもニュートンと関連しているものと考えました。
ニュートンが1675年に発表した「光の仮説」という論文では、獅子座の中で最も明るい『恒星のレグルス』を見て、光は引力の影響を受けるという仮説をあげました。
これが彼女の神秘術の由来だと推測しました。

しかしここまでの考察では【本源】のDJと【ミディアム】のレグルスには関連性がなさすぎるので、更にレグルスのルーツについて深掘りしていきます。

まず錬金術とレグルスに関連性がありそうなものに『錬金術の太陽』という概念があります。
『錬金術の太陽』は錬金術の概念をイメージ化した象徴で、太陽を咥えたライオンが描かれています。
そしてこの太陽は”王”を意味しているようです。(王水のことでもある)

ここで関連性をあげていくと、『恒星のレグルス』には、”小さな王”や”ライオンの心臓”という意味を持っていることから『錬金術の太陽』と『レグルス』には多くの接点が存在しているのがわかります。

更に『錬金術の太陽』はローマ神話のアポロを象徴しているようで、このアポロは光の神とされていることからレグルスの神秘術と合点があり、音楽とダンスを司る神でもあることから【本源】のDJと接点があります。
これらのことから【ミディアム】の”レグルス”はアポロがルーツにあるのではないかと考えました。



次に彼女のユーディモ(=星座)ですが、小ライオンと書かれていることから子獅子座が当て嵌まります。
しかし星座について詳しい人なら疑問に思うかもしれませんが、彼女の名前にもなっている恒星の”レグルス”は獅子座の一つです。
なのに彼女のユーディモが子獅子座になっているのは、パミエのユーディモに獅子座が使われているからだと思わます。

レグルスのルーツをまとめると――
【本源】
遠い星の輝き=光の仮説/ニュートン
DJ=海賊放送:ワンダフル・ラジオ・ロンドン
【ミディアム】
レグルス=アンチモン・レグルス/音楽の神アポロ

【展示場所】
ロンドン=ラジオロンドンの本社
【展示開始日】
20世紀半ば=海賊ラジオの流行った時代
8月15日=ウッドストック・フェスティバル
【ユーディモ】=子獅子座

これらのことからレグルスは”音楽”に纏わる逸話が習合したキャラクターだと考えられます。

ちなみに彼女がキーホルダーにしていた”アンチモン・レグルス”ですが、マヌス・ヴェンテッタはこれを求めて彼女を追っていたようで、逃げている最中に無くしてしまったようです。

何故マヌス・ヴェンテッタが不死に関する石を欲していたのかは、今後の物語で語られるかもしれません。


今回は更にもう一人、レグルスの相棒でもあるAPPLeについて簡素に解説していきます。

彼はすべての要素がアイザック・ニュートンに関連しているもので、まず【本源】の”宇宙の思惑”は『ニュートンの万有引力の法則』だと思います。
これはニュートンの頭の上に林檎が落ちてきて万有引力の法則を発見したというあまりにも有名な逸話が元になってると思われます。

次に”学術研究”についてはレグルスの解説でも言いましたが、ニュートンの錬金術研究が関係していると考えられます。
ニュートンは一般的には科学者として知られていますが、晩年には錬金術の研究に没頭しており”エリクサー”という”賢者の石”を用いた不死の霊薬を作ることに心血を注いでいたとされています。

続いて【ミディアム】の”リンゴ”は彼の大好きなワインが関連していると考えられます。

ニュートンは大のワイン好きだったとされ、リンゴの木を大量に所持し、ワンセラーも持っていたとされています。

そしてそのワインセラーで友人と何故ワインに色が着くのかと会話しているときに、光学について造詣を深めます。
この出来事をきっかけに彼は太陽光をプリズムに当てると光には様々な色が含まれていることを発見します。
これを『光のスペクトル』と言い、これがAPPLeの神秘術のルーツになっていると思われます。

またヨーハン・テルドという人物が書いた『アンチモンの凱旋車』にはアンチモンに関する研究内容が載っており、ワインには「星状レグレス」と呼ばれる結晶が出来ると書かれていました。
ニュートンはこの本を参考に錬金術の研究を行い、その副産物としてアンチモンがワインの発酵原料になることを発見しました。

APPLeについてまとめると

【本源】
宇宙の思惑=万有引力の法則
学術研究=エリクサーの研究
【ミディアム】
リンゴ=光のスペクトル
【展示場所】
リンカーンシャー州=生まれた場所
【展示開始日】
ニュートンの誕生日
20世紀の60年代=アルティウスの秘本

”20世紀の60年代に展示された”という情報は、『アルティウスの秘本』というニュートンが書いたエリクサーのレシピ本が、1963年にサザビーズより出品された出来事を指していると考えました。

尚、ユーディモに関しては彼は神秘学者ではなく意識覚醒者だからなのか、星座に該当する物がありません。
また、ミディアムも本源も同じ人物から由来しているという点もまた神秘学者のルーツの法則性と異なります。

憶測ではありますが、ミス・ラジオがボイジャーと交信したことで意識覚醒者として誕生したように、APPLeもレグルスと出会ったことでただのリンゴから意識覚醒者になったのかもしれないという仮説を経てました。
であれば彼の存在はニュートン由来というより、レグルスが持っていたニュートン由来のグノーシスから派生した存在なのではないかと考えました。

以上で今回の考察は終わります。



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