【BAR ABYSS】01.ゴッドマザー


【登場キャラ】
深見 (シンミ マコト)(BAR ABYSS)
通称 シン

真淵 至(マブチ イタル)(BAR ABYSS)
通称 ブチ

如月 エマ(キサラギ エマ)
(依頼主/芸能プロダクション〚ラビットスター〛
女社長)

一ノ瀬 遥斗(イチノセ ハルト)
(〚ラビットスター〛所属アイドル/現在売り出し中)

【冒頭のナレーション】【シン】
ここはBar abyss
毎晩いろんなやつがやって来る
仕事の疲れを癒やすやつ
好きな酒を煽るやつ
デートや友人と酒を飲みに来るやつ
ちょっと変わった常連客や 厄介事を持ち込むやつも
そんなごく普通のBar
表向きは……な!

SE【鈴付きのドア】

シン
『はぁ…今月も赤字だ...』

ブチ
『依頼でも来りゃァな』

シン
『探偵の依頼なんて
そんな簡単にくるわけないだろ…』

ブチ
『そりゃ!お前が...!』

SE 【鈴付きドア】

ブチ
『あ!へい!らっしゃい!』

シン
『お前な…ここは寿司屋じゃねーんだぞ…
おっと、失礼しました。いらっしゃいませ』

ブチ
『へへ!すいませんね!いらっしゃいませ!』

シン
『ご注文は?』

エマ
『じゃあゴッドマザーを』

シン
『かしこまりました。』

SE(シェイカー音など)

ブチ
『お客さん、ウチは初めてですよね?』

エマ
『えぇ…考え事してたら雰囲気のいいお店があったから...』

ブチ
『あぁ、そうですか』

シン
『お待たせしました。ゴッドマザーです。』

エマ
『ありがとう…』

SE 呑む(一口)

エマ
『美味しいわね…はぁ…』

シン
『浮かない顔してますね』

エマ
『えぇ…実は困った事が起こっていて』

シン
『良かったら話し、聴きますよ?』

エマ
『私、『ラビットスター』って言う芸能プロダクションをやってるんだけど…』

ブチ
『ラビットスター!?大手じゃねぇか!!』

シン
『まぁまぁ。とりあえず続きを聴こう』

ブチ
『お、おぉ…すまねぇ』

エマ
『困った事って言うのがね、今売り出し中アイドルが居るんだけど、ひと月前から事務所に脅迫状が届くようになって、最近その子も塞ぎ込んじゃって…これ以上、続くようだと活動に支障が出ると思うの…』

ブチ
『なるほどな、そら気が気じゃねぇな。おい!シン』

シン
『あぁ。そうだな。
俺達は探偵
深淵の奥に触れるもの
きっとあなたのお役に立てると思います

エマ
『え?探偵?ここは…』

ブチ
『あぁ!二足のわらじってやつだ!
そこらの探偵より腕は立つぜ?』

シン
『俺達に任せて貰えませんか?』

エマ
『これも何かの縁ね…お願いしようかしら。』

ブチ
『よし!これで店の家賃も払えるな!』

シン
『おい!やめろバカ!』

エマ
『ふふふっ』

シン
『ほんとすみません。エマさん詳しい話しは明日。』

エマ
『ええ、じゃあ事務所で。』

SE 鈴付きドア(閉まる)

┈┈┈┈┈【次の日】┈┈┈┈┈┈

シン
『ここが事務所か』

ブチ
『でっけぇビルだな!ウチの店とは大違いだな!』

シン
『比べるな…』

ブチ
『なんで待ち合わせが裏口なんだ』

SE 人集りがザワザワ

ブチ
『出待ちが裏口にまでいやがる!』

ブチ
『あん?何か変な匂いがすんな!俺はこういうの苦手だ!』

シン
『ほぉ。珍しいな。行くぞ』

SE歩く

SE 扉(ガチャン)

SE 黄色い声援

SE 歩く

エマ
『せっかく来てくれたのにごめんなさいね!この子忙しくて。とにかく車に乗って。』

SE 車のドア

SE 車内

ハルト
『初めまして。一ノ瀬 遥斗です。社長から話しは聞いています。』

シン
『早速ですが、脅迫状見せてもらってもいいですか?』

ハルト
『これです…』

SE紙

ブチ
『薄汚い野良猫め。
今すぐ芸能界から消えろ。
さも無くば貴様の命は無い。だとさ。』

シン
『なるほど。脅迫状が届いてから何か変わった事は?』

ハルト
『数日前、収録中にセットが倒れてきたり…
衣装が汚されていたりして…このままだと僕は!
お願いします!僕を助けて下さい!』

エマ
『私からもお願いするわ!』

シン
『わかりました。おい、ブチ。その脅迫状貸してくれ』

ブチ
『ん?おぉ…』

SE紙

シン
『ん?なるほどね。じゃ、俺達はこの辺で』

SE車止まる

SE ドア

シン『ほら、行くぞブチ』

ブチ
『おう』

SEドア
SE走り出す車

ブチ
【しかしよー。脅迫状1枚で犯人を探せって言われてもなぁ、どうするシン】

シン
『それなら気になる事がある』

ブチ
『気になる事?なんだよ?』

シン
『良いから事務所に行くぞ』

ブチ
『ったく!勿体ぶりやがって』

SE 歩く

┈┈┈┈┈【事務所】┈┈┈┈┈┈┈┈
SEガサガサ

犯人
『あんたさへ居なければ…
あの子の邪魔はさせない…死ね…死ね!』

シン
『そんなところで何やってんだ?』

犯人
『え?いえ、何もしてないわよ』

SE歩く(ヒール)

ブチ
『ちょっと待ちな。』

犯人
『え。』

シン
『ブチ、その袋を調べてくれ』

ブチ
『その袋、ちょっと見せて貰うぞ!』

犯人
『ちょっとやめ!』

SE 紙袋

ブチ
『うっ!何だこれ!猫の死体!?…手紙?』

シン
『やっぱりな。あんたさっき出待ちの中に居ただろ?』

ブチ
『あ?どういう事だ?』

シン
『匂いだよ。お前があの時嗅いだ匂いは希少な香料を使った珍しい香水でな。それと同じ匂いが微かに脅迫状にも残ってた。それでピンときたのさ。』

ブチ
『この手紙、脅迫状だ!』

犯人
『これは…ち、ちがっ』

シン
『残念だったな。俺達に出会ってしまったのがアンタの運の尽きだ。』

犯人
『あの子を1番にしてあげたかったの…なのに…あの子さえいなければ…』

ブチ
『そんな裏工作使って1番になったって、そいつも嬉しかねぇーだろうよ。』

┈┈┈┈┈┈【BAR】┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

ハルト
『この度はありがとうございました。おかげで安心して仕事が出来ます。』

ブチ
『まぁトップスター目指して頑張れよな!』

エマ
『ほんとね、ハルトにはこれから益々頑張って貰わないとね?』

ハルト
『え、なんかプレッシャーだなぁ…』

シン
『俺達も応援してるよ。ところでエマさん、
事件も解決した事だし、俺と夜明けのコーヒーでもどう?』

エマ
『え…そ、それは遠慮しておくわね!』

ブチ
『あー。また始まった…こいつは口説き文句が最高にだせぇんだよな…黙ってりゃいい男なのによー』

エマ
『ほんとね!』

ブチ・エマ・ハルト
笑う

SE 街

エマ
『ここはBar abyss
毎晩いろんな人がやってくる
仕事の疲れを癒やしにくる人
好きなお酒を煽る人
デートや友人とお酒を飲みに来る人
ちょっと変わった常連客や厄介事を持ち込む人も
そんなごく普通のBarよ
表向きは……ね!』(エマが読みやすい様に)

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