出会い

小学生の時、彼女が転校してきた。
転校して来た当初から彼女はクラスメート達から
イジメられていた。

制服のシャツは真っ黒・アイロンもかかてなくてシワシワ。。
クラスメートたちは、そんな彼女の外見をイジメた。

私は、おそらくその子にとって
唯一なかよくしていた一人だったと思う。

彼女をここでは仮名の未知と呼ぶことにする。

未知は、イジメられていても
泣くことも、怒ることもしなかった。
ずっと、笑顔だった。
笑顔を絶やさない、人の悪口も言わない優しい子。

私は、彼女から
「あなたは唯一、普通に接してくれる」と笑顔で言われた。

人というのは弱いものだ。
複数人にたった一人でいることはとても怖いとおもってしまった。

そんな未知が、毎日同級生からイジメられ
「ルンペン!(おそらく当時はばい菌とかそういう意味で呼ばれていたと思う)」などと呼ばれ、
毎日そんな風に呼ばれたら誰だって泣くし、
学校に来たいとも思わないだろう。

でも未知は、一日も休むことなく学校に毎日きていた。
そして、いつも笑顔を絶やさなかった。

未知とは、学校で会えば
いつもいろんな話をした記憶がある。
周りの目も正直気になった。
でも未知はいつも笑顔で私に話しかけてくれた。

未知の制服がきれいになることはなかった。
いつも汚く汚れたままだった。

何か事情があったはずなのに、この時の私は
彼女の事情を知らなかった。

未知と仲良くしていると、
周りから「なんであんなのと仲良くするの」と言われた。

そこに、未知が来て
私はたった一度だけ過ちを犯した。

周りのクラスメートたちが未知に
「汚い、汚いー」などと言い始め
私も一緒になって言ってしまったのだ。

たった一度の過ちかもしれない
でも私には一生の過ちになった。

心は苦しく
相手に対しての申し訳なさで一杯になった。

その日の学校の授業の時も
帰り道も道にかけたひどい言葉が
私の心を締め付け、苦しくつらく
足取り重く家に帰った。

虐めをした自分に涙が止まらなかった。

次回に続く・・・

注)未知という名は仮名です。
私の小学生の頃の本当の話です。

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