見出し画像

仕事と人生の調和 - 現代社会で自分らしく生きるためのヒント

” あなたは何のために働いているのでしょうか? ”

健康寿命の多くを仕事に費やす現実

健康寿命(HALE)は、平均寿命とは異なり、病気や障害により健康が損なわれる期間を除いた、健康な状態で生活できる期間を表す指標です。世界保健機関(WHO)のデータによると、2000年から2019年の間に、世界の健康寿命は58.3年から63.7年へと5.4年伸びました。

日本人の生涯労働時間は、個人差はあるものの、約20歳から65歳までの45年間が一般的です。一方、1週間は合計168時間あります。このうち睡眠にかかる時間を除くと、起きて活動している時間は約112時間です。もし週5日、1日8時間働くとすると、40時間を仕事に使っており、つまり起きている時間の約3分の1が仕事に充てていることになります。

ただし、これはあくまでも最低限の労働時間であり、実際には残業や休日出勤などにより、労働時間が増える人も少なくありません。また、仕事が終わった後も、仕事のことが頭から離れず、いわゆる"仕事の心理的持ち帰り"状態になることもよくあります。

このように、多くの人が精神的にも肉体的にも、健康寿命のほとんどを仕事に費やしているのが現状です。仕事は生活の大部分を占め、人生において非常に大きな比重を占めているのです。
ちなみに、健康寿命の伸びは主に死亡率の低下によるものですが、平均寿命の伸びに完全には追いついていません。つまり、健康でない状態で過ごす期間も依然として存在します。

そんな中、自分の仕事に満足している人はどのくらいいるでしょうか。仕事の満足度は人それぞれですが、業務が自分のスキル、関心、価値観と合っているか、同僚や上司との関係が良好か、職場環境は快適か、給与や昇進の機会に不満がないか、福利厚生は充実しているかなどが関係するでしょう。

しかし現実には、経済的な理由やその他の制約から、必ずしも理想の仕事に就けるとは限りません。現状に不満を抱えながら働いている人も少なくないのが実情です。だからこそ、自分が何のために働いているのかを改めて考えてみることが大切です。仕事は単に生活のための手段なのか、それとも自分の価値観を実現するための場なのか。自分にとって仕事とは何なのかを見つめ直すことは、限られた健康寿命をどのように使うかを考えることにつながります。仕事に多くの時間を費やすことは必要ですが、健康を維持し、家族や友人との時間、趣味や自己啓発にも時間を割くことが、人生の質を高めることにつながるでしょう。

ライフワークバランスに対する考え方は人それぞれです。仕事を最優先する生き方を選ぶ人もいるでしょう。私自身も、常に締め切りに追われる状況下で、仕事とプライベートの境目なく生活しています。自分の責任で仕事を遂行しているため、オンとオフの切り替えをしていません。むしろ休日の方が集中して取り掛かれる仕事もあります。だからこそ、仕事とリフレッシュを効率的に行うことを大事にしています。

大切なのは、自分に合ったライフワークバランスのスタイルを見つけること。個人の価値観やライフステージに応じて、仕事とプライベートの関係性を柔軟に調整していくことが重要だと言えるでしょう。
ライフワークバランスを軽視することは、一時的には仕事の成果につながるかもしれませんが、長期的にはバーンアウトや人間関係の悪化など、マイナスの影響が出る可能性があります。個人の価値観に基づいて優先順位を決めることは大切ですが、ライフワークバランスの重要性を理解し、意識的に取り組むことが大切です。

マラソンランナーが最高のパフォーマンスを発揮するためには、適切なペース配分が鍵となります。途中で立ち止まったり、無理にスピードを上げたりすると、体力を消耗し、レース後半で力尽きてしまうリスクが高まります。
これは、仕事においても同様のことが言えます。業務を効率的に進めるには、適切なペース配分と無駄な作業の排除が不可欠です。これにより、長期的に高いパフォーマンスを維持することが可能になります。

リモートワークの普及による営業業務の変化

システム開発の営業における最も大変な業務の一つに、以前は対面インタビューのための移動の負担が挙げられていました。候補者を同行して顧客先に赴き、その都度インタビューを実施しなければならなかったため、移動に要する時間と手間がストレスとなっていたのです。

しかし、コロナ禍の影響により、多くの人が苦労を強いられた一方で、オフィスへの出社が大幅に減少し、リモートでのインタビュー実施が主流となりました。在宅ワークの普及は、私たち営業にとって好影響をもたらしました。コロナ禍が収束した現在でも、インタビューを行う際は事前にWeb会議ツールのリンクURLを顧客に送信し、指定の時間になったらWeb会議室に入室するだけで、世界のどこからでもインタビューに参加できるようになりました。場所の制約を受けずに行えるため、柔軟なスケジュール調整が可能となったのです。

そして、リモートワークの導入により、通勤に費やしていた時間を有効活用できるようになりました。この余剰時間を休息や自己啓発に充てることで、ライフワークバランスの改善と個人の成長を図ることができます。
例えば、通勤時間を削減できた分、十分な睡眠をとることができるようになりました。適切な休息は、仕事のパフォーマンス向上や心身の健康維持に役立ちます。また、自己啓発の時間を確保することで、新しいスキルの習得が可能となります。これは、長期的なキャリア形成にも好影響を与えるでしょう。

さらに、通勤ストレスから解放されたことで、心理的な余裕が生まれます。この余裕を活用して、趣味や運動に時間を割くことができます。自分の時間を大切にし、充実した生活を送ることは、仕事へのモチベーション向上にもつながります。

そのため、私たちは週に1日、メンバー同士顔を合わせて仕事をしています。コミュニケーションの円滑化を図るためには、最低限の対面ワークは必要と考えています。その他、客先訪問や会食の予定がある日以外は、基本的に自宅で業務を行っています。

お客様と対面で商談してこそ契約につながるという意見もありますが、お客様自身もリモートでの会議を希望される方が多い。また、電話で済ませられる用件が多いため、対面での打ち合わせは必ずしも行わなければならないものではないと感じています。

一方で、お客様との会食は、より重要な意味を持っています。お酒の席では、仕事の話やプライベートの話題、お客様の本音を聞ける貴重な機会となります。お酒の席を通して、お客様との関係を深め、ビジネスにおいて欠かせない懇親の場となるのです。

営業事務メンバーは、契約書類の対応、営業活動に必要な書類の作成、事務関連のメールや電話対応など、営業活動を支える重要な役割を担っていますが、お客様との直接の商談や会食への出席がないため、完全リモートワークが可能です。正確性と迅速性を両立しつつ、質の高い業務遂行が求められる営業事務は、リモートワークを活用することで効率的に業務を進め、営業活動全体の生産性向上に貢献することができます。

リモートワークの課題と新しい働き方の確立に向けて

しかし、リモートワークを導入する際には、いくつかの制約があることを認識しておかなければなりません。私たちは、会社オフィスでの勤務に代わって、オンラインオフィスを設けています。Web会議室を介して常時メンバー同士がつながることで、リアルタイムのコミュニケーションを実現しています。リモートワーク時、メンバーは自身のプライベート空間で仕事をするので、プライバシーの侵害を避けるために、基本的にPCのカメラをオフにして会議室に参加しています。

新メンバーが参画した当初の数ヶ月は、自身のPC画面を共有してもらい、先輩がいつでも見れる状況下で仕事を行っていただきます。現実のオフィスで仕事をする場合、新人がわからないことがあれば、すぐに隣の先輩に自分のPC画面を見せて質問することができます。また、先輩も新人の様子に気を配り、適宜訂正やアドバイスを行うことができます。しかし、リモートワークでは、新人が先輩に質問する際、相手の姿が見えないことや作業の邪魔になることを懸念して、話しかけることを躊躇してしまうことがあります。さらに、画面共有をする際には、事前に相手の都合を確認し、断りを入れるなどの配慮が必要となります。他人に自分が操作する画面を見られることに不自由さを感じる人も多いのですが、リモートワークにおいては、この画面共有が非常に重要なコミュニケーションツールとなります。新人の作業の様子を見ることで、先輩メンバーは的確なアドバイスを与えることができるからです。

このように、リモートワークでは対面ワーク時には考えられなかった課題が発生することがあります。PC画面の共有は、リモートワークにおけるコミュニケーションの障壁を克服するための取り組みの一つですが、これ以外にもリモートワークならではの様々な問題があります。例えば、自宅の作業環境の整備、情報セキュリティの確保、仕事とプライベートの切り分けなど、解決すべき課題は多岐にわたります。

私たちは、こうした課題に対して普段からメンバー同士で相談し合いながら、快適なリモートワークの実現と効率的な職場環境の維持を目指しています。メンバー間のコミュニケーションを活性化するために、定期的な雑談の機会やチャットツールの活用を推進しています。また、リモートワークに適した業務プロセスの見直しや、必要なツールの導入なども進めています。

リモートワークには様々な課題がありますが、それらを一つ一つ乗り越えていくことで、新しい働き方を確立することができると私たちは信じています。メンバー一人一人が、リモートワークのメリットを最大限に活かしつつ、デメリットにも真摯に向き合うことで、より良い職場環境を作っていきたいと考えています。

企業の定例会議の実態と課題

多くの企業では、定例会議が業務の一部として組み込まれています。しかし、それらの会議の中には、生産性や意義に乏しいものも少なくありません。例えば、議題が明確でない会議や、参加者全員の関与が必要でない会議などは、時間の無駄になりかねません。このような非効率的な会議は、業務の進捗を妨げ、社員のモチベーションを低下させる要因となります。

そのため、私たちは営業中のリソースや案件を精査する営業成果に直結する営業会議以外の定例会議を設けていません。また、その営業会議も決まった曜日や時間に固定して行うのではなく、各担当者の予定を考慮しながら、柔軟に会議の日時を設定します。

このような柔軟な会議運営は、少人数の組織だからこそできるのではないかと思われがちですが、そうではありません。大企業においても、営業部を複数に分割することで十分に実現可能です。各営業部の人数を適切な規模に限定することで、メンバー個々人の状況を考慮した柔軟で、個別最適化されたマネジメントが可能になります。

定時退勤を促進するための取り組み

自分の仕事が終わっても、周りがまだ働いているから、帰りづらいと感じたことはありませんか?こうした同調圧力による無駄な残業は、生産性を下げ、社員のモチベーションを低下させる要因となります。

私たちは、この問題に対して非常にシンプルな取り組みを行っています。定時になったら、リーダーがメンバー一人一人の手持ちの業務を確認し、何時までに終わらせられそうかを確認します。そして、翌日以降の業務を照らし合わせ、特に急ぎで取り掛かる必要のない業務であれば、できるだけ定時に退勤してもらうようにしています。土日祝日に仕事をすることも推奨していません。

無意味に残業するくらいなら、早く帰って休息をとったり、趣味の時間を楽しんだり、友達や家族と一緒に過ごしたりした方がよっぽど有意義だと考えているからです。

ただ、自分なりに新しい知識を習得したり、すでにある知識の深化を図ることは、長期的な目線で自分のキャリア形成のために重要です。それが現在の仕事に関連する知識であれば、早期に成果を出すことにもつながります。そのため、自己投資としての学習や能力開発は、適度に行うことをおすすめしています。

採用後の新入メンバー育成体制

大手企業の多くは、新卒・キャリア採用を問わず、一度に大量採用する傾向があります。しかし、私たちは採用の際、少人数に絞って採用を行います。

大量採用では、一人一人の個性や能力を見極めることが難しく、画一的な人材が集まりがちです。一方、少人数採用では、応募者一人一人と向き合い、その人の持つ強みや可能性を見出すことができます。

私たちは、応募者の経歴や専門性だけでなく、人柄や価値観、将来のビジョンなどを重視しています。面接では、応募者との対話を通じて、組織文化や目指す方向性に共感してくれる人材を見極めます。

採用後の育成においては、先輩全員が役割分担し、新入メンバーをサポートします。営業スキルの指導、業界知識の習得、社内システムの使い方など、きめ細やかにサポートを行います。また、業務の効率化と標準化を図るため、業務のマニュアル化を推進しています。各業務の手順や注意点を詳細にドキュメント化し、オンライン上で常時アクセス可能な状態にしています。これにより、メンバー全員が場所や時間に制約されることなく、必要な情報をいつでも確認できる環境を整えています。

リモートワーク環境下でも、新入メンバーが孤独を感じることのないよう、コミュニケーションの機会を積極的に設けています。わからないことや不安なことがあれば、いつでも相談できる体制を整えており、他のチームメンバーとの信頼関係を築きながら、自分のペースで着実にスキルを身につけていくことができるのです。

チームパフォーマンス維持のための健康配慮

体調が悪いのに我慢して出勤し、かえって体調を悪化させてしまった経験や、急に病院に行くと言い出すと上司に怒られてしまうのではないかと恐れを抱いたことはありませんか。

私たちは、チーム全体のパフォーマンスの維持を大切にしているため、常に互いの体調に配慮しながら仕事をしています。万が一、体調が急に悪化した場合でも、無理をせずに休憩を取ったり、必要であれば病院に行くための時間を設けるようにしています。

体調不良を我慢することは、結果的に生産性の低下につながり、より大きなアクシデントを引き起こす可能性があります。そのため、体調管理は個人の問題ではなく、チーム全体で取り組むべき課題だと考えています。
上司や同僚も、メンバーの健康状態を気にかけており、体調不良を理由に休むことを決して咎めたりはしません。むしろ、無理をせずに休養を取ることを推奨しています。

私たちは、お互いの健康を尊重し合い、支え合える環境づくりに努めています。それが、長期的に見てチームのパフォーマンスを高め、より良い成果につながると信じているからです。一人一人が健康で、生き生きと働ける職場を目指して、これからも取り組んでいきます。

まとめ

現代社会において、仕事は生計を立てるための手段であると同時に、自己実現の場でもあります。私たちは多くの時間を仕事に費やしますが、健康や家族、趣味といったプライベートな時間も大切にする必要があります。

仕事とプライベートのバランスを取ることは容易ではありませんが、自分自身の価値観に基づいて仕事を選び、職場環境を整えることが重要です。自身のライフスタイルに合った仕事を見つけ、リモートワークや柔軟な働き方を活用することで、健康的でバランスの取れた生活を送ることができるでしょう。

仕事もプライベートも充実させることで、私たちは人生をより有意義に過ごすことができます。

自分らしく、健康的に働き、生活することが、現代社会を生き抜くための鍵となるのです。

参照元:


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?