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生涯学習がメンタルに良い影響を与える理由

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingoです。今回は大人になっても学び続けることの意味や精神衛生上とても良い効果があることについて、お伝えしたいと思います。

じつは、公認心理師は「公認心理師法」という法律によって、職務を以下のように定義されています。この中でも最後の「心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供」において生涯にわたり学習することが求められる職種だと自覚しています。

(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析
(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助
(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助
(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

公認心理師法 第1章第2項より抜粋

他の仕事においても、それぞれの専門性やデジタル化による新しい知識が求められるなど、現代社会では、生涯学習の重要性がますます高まっています。しかし、生涯学習はただのスキルアップやキャリア形成の手段だけではありません。それは、メンタルヘルスに対しても非常に良い影響を与えることが知られています。この記事では、生涯学習がどのようにしてメンタルヘルスを向上させるのかについて、具体的な理由やそのメカニズムを解説します。

生涯学習とは何か?

生涯学習とは、年齢や職業に関係なく、一生涯にわたって継続的に学び続けることを指します。これには、正式な教育機関での学びだけでなく、職場でのトレーニング、趣味や自己啓発のための学習、オンラインセミナーやワークショップなど、様々な形態の学びが含まれます。

生涯学習がメンタルヘルスに良い理由

・認知機能の維持と向上
学習は脳を活性化させ、認知機能を維持・向上させる効果があります。新しい知識やスキルを学ぶことで、脳の神経ネットワークが強化され、記憶力や問題解決能力が向上します。これは、加齢による認知機能の低下を防ぎ、認知症のリスクを減少させることにも繋がります。

・自己効力感の向上
新しいことを学ぶことで、自己効力感が高まります。自己効力感とは、自分が目標を達成できる能力を持っているという信念です。新しい知識やスキルを習得することで、自分に自信が持てるようになり、自己効力感が高まるとおのずと、自己肯定感も高まります。これは、ストレスや不安を軽減するのに役立ちます。

社会的つながりの強化
学びの過程で新しい人々と出会い、交流する機会が増えます。特に、グループでの学習やワークショップなどでは、同じ興味や目標を持つ人々とつながることができます。これにより、社会的サポートが得られ、孤立感が減少します。社会的つながりは、メンタルヘルスにとって重要な要素であり、ストレスやうつ症状の軽減に寄与します。

ストレスの軽減
学習そのものがリラクゼーションやストレス解消の手段となることがあります。趣味としての学びや、興味のある分野を深掘りすることで、日常のストレスから一時的に解放されることができます。また、学びを通じて得た知識やスキルは、ストレスフルな状況に対処するための新しい手段を提供してくれます。

人生の目的意識の向上
生涯学習を続けることで、人生の目的意識や意味を見出すことができます。特に、退職後や子育てが一段落した後など、人生の転機において新しい学びを始めることで、人生に新たな目標や意味を見つけることができます。これは、メンタルヘルスの向上に大いに役立ちます。

生涯学習を日常生活に取り入れる方法

・小さな目標を設定する
生涯学習を始めるには、小さな目標を設定することが重要です。例えば、一日15分の読書や週に1回のオンラインセミナーを受講するなど、無理のない範囲で始めることが大切です。小さな目標を達成することで、徐々に学びの習慣が身につきます。

興味のある分野を選ぶ
自分の興味や関心に基づいて学ぶ分野を選ぶことで、学習が楽しくなります。趣味や仕事に関連する分野だけでなく、新しい興味を見つけるために幅広い分野に挑戦することもおすすめです。

学習コミュニティに参加する
学習コミュニティやグループに参加することで、学びのモチベーションが高まります。また、他の学習者との交流を通じて、新しい視点やアイデアを得ることができます。オンラインフォーラムや地元の学習サークルなど、様々な学習コミュニティが存在します。

継続的に学ぶ姿勢を持つ
生涯学習を続けるためには、学び続ける姿勢を持つことが大切です。学びに対してオープンマインドであり、新しい知識やスキルを積極的に取り入れる姿勢が必要です。また、学びの成果を実生活で活用することで、学びの意義を実感しやすくなります。

生涯学習とメンタルヘルスに関する研究

多くの研究が、生涯学習とメンタルヘルスの関連性を示しています。例えば、イギリスの研究では、成人教育プログラムに参加した人々が、参加しなかった人々に比べて、メンタルヘルスが改善し、幸福感が高まることが報告されています。また、カナダの研究では、生涯学習が認知症のリスクを減少させる効果があることが示されています。

これらの研究結果は、生涯学習がメンタルヘルスに良い影響を与えることを強く支持しています。学び続けることは、単なる知識やスキルの習得だけでなく、心身の健康を維持し、豊かな人生を送るための重要な要素であることが分かります。

まとめ

このように、生涯学習はメンタルヘルスに対して、多くの良い影響を与えます。認知機能の維持と向上、自己効力感の向上、社会的つながりの強化、ストレスの軽減、人生の目的意識の向上など、その効果は多岐にわたります。

日常生活に生涯学習を取り入れることで、心身の健康を保ち、より充実した人生を送ることができます。興味のある分野を見つけ、小さな目標を設定し、学習コミュニティに参加するなど、今日からでも始められる生涯学習の方法を試してみてください。

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