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ASD母の子育てライフハック

ASDと子育て

正直向いてないです

自分のペースを乱されるのが苦手
マルチタスクが苦手
大きい音や刺激が苦手
変化や新しい環境が苦手
人付き合いが苦手
実際的な生活能力に乏しい
体力がなく疲れやすい

子育てに必要な能力ばかりです

ほかのことをやっていても常に子どものペースに巻き込まれる
子どもは泣いたりぐずったり常に騒がしい
子どもの成長のスピードについていけない
子どもの成長に伴って新しい環境や人間関係に否応なく求められる
自分のこともままならないのに、子どもの世話はやることが多すぎる

子どもはほしい
でも、子育ては苦手
じゃあ、ASDは子育てできないの?

どうなんでしょうか?
子育てしている今も、わたしにはその答えが正直わかりません
(なぜなら絶対向いてないから)
ほかのことなら失敗したらやめたらいいけど、子育てだけは途中でイヤになってやめるということができないので、いまいち歯切れが悪くなってしまう

ASDとひとくちにいっても、
どんな特性をもっているのか
どんな人生を望んでいるのか
まわりの環境はどうなのか
十人十色です

ASDだから子育てできませんということもないし、絶対できるよともいいきれない
これだけは自分自身の責任で判断するしかないです

まあでも、実際子どもが産まれたら、どんなに向いてなかろうが子どもはかわいいし、絶対なんとかしなければという責任感が生まれます


そんなとき、一番大切なのは、母親(父親も)自身がどうやって自分のメンタルとフィジカルをケアしていくかということ

子育てをしていると、ああした方がいい、こうするのはダメだ、などなど、あらゆる情報が氾濫していますが
結局は親自身がそれなりに楽しく、健やかでいられることが、子どもにとっても一番よいことだと感じます

そんなわたしが考える子育てライフハックを紹介します

・自分は自分だと開き直る

子どもがその子以上のものになることはできないように、親も自分以上の何者になることもできません
まずは、その事実を受け入れましょう

ありのままの子どもを受け入れるように、ありのままの自分を受け入れてあげましょう

母親になると、いわゆる理想の母親像というものに、想像以上に苦しめられました(勝手に)

おいしい手料理をつくってあげられる
子どもと一緒に長時間いても苦じゃない
創意工夫して遊ぶのが得意
ママ友が多く、たくさんの友達と遊ばせてあげられる
仕事も家事も身だしなみもバッチリで溌剌としている

チクチクと自分の劣等感を刺激されます
子どもに対する罪悪感ハンパない
でも、しかたないんです

魚は鳥にはなれません
ほかの何者かになることはスッパリ諦めて、わたしはわたしのままで子どもにとっては十分な母親なのだと認めてあげましょう

・まず、寝る

子どもに当たり散らす
イライラしたり急に泣いたりしてしまう
子どもがかわいく感じられない
わたしって、母親に向いてないのかな?

この現象の9割は、身体的な疲れです

自分の母親としての適性を疑う前に、肉体的に疲れていないか疑ってください

眠いなら寝る
空腹ならなんか食べる
疲れてるなら予定をキャンセルして休む
肩が凝ってるならマッサージいくなりストレッチするなりしてください

家事はとりあえずほっときましょう
仕事はサボってもいいです
子どももYouTubeでも見せといてください

何を差し置いてもとりあえず寝ましょう

・限界だと思ったら、とにかく一人になる

上と似てますが、ASDにとってひとり時間は何物にも変えがたい充電時間です

誰にも邪魔されず、自分だけのペースで自分のこだわりを満たせる時間が絶対に必要です

子どものことは忘れて、自分の好きなこと、やりたいこと、リフレッシュすることや、心が落ち着くことを心おきなくやりましょう

わたしの場合は、ヨガのクラスに通ったり、深夜にひとりでチェーンのカフェにいってノートを書いたり本を読んだりするのがストレス解消でした

とにかく物理的にひとりになる
子どもと距離を置く

それだけで、特に何もせずともストレス解消になり、気持ちがリセットされます

夫や実家、保育園など誰かに子どもを預けられるなら預けましょう

子どもももう限界と死にそうな顔をした母親と一緒にいるよりは、ほかの大人と一緒にいたほうがずっといいです

だれかに預けるのが無理なら、子供の安全は確保したうえで、ひとりで別の部屋にしばらく心が落ち着くまで籠りましょう

・人に任せる

これ、一番大事

子育てで大切なのは、お金でもスキルでもない
人手、それだけです

あなたのまわりに頼れる人はいますか?

夫、実家、義実家、保育園や託児所
公的機関や、家事代行・ベビーシッターなどの民間サービス

利用できるものはなんでも利用してください

ASDの子育てで絶対にやってはいけないこと
それは、全部をひとりでなんとかしようとすることです

正直ASDがひとりで子育てするのは、かなりキツイと思います

わたしの場合は、かなりの割合で夫と家事育児を分担していますし、実家の母にもヘルプにきてもらっています

家事については、夫が料理やお弁当、わたしが掃除や洗濯、保育園の事務手続きなどを主にやっています
育児についても、保育園に連れていくのと、お風呂や寝かしつけは夫にお願いすることが多いです
(わたしは一時期赤ちゃんと寝ていて神経過敏になりすぎて不眠症気味になってしまい、授乳を終えてからは一人の部屋で寝ることが多いです)

できないこと、苦手なことは子どものためにもできることなら積極的に人に任せたほうがいいです
(環境によって難しい方もいるかもしれませんが…)

・自分の限界を知る

子育てに限らず、何事においても一番大切なこと
それは、己を知ること

一口に子育てといっても、自分にとってあまりストレスなくできることと、多大なストレスを感じることがあります

たとえば、わたしは、子どもと海や川、公園など、自然の多いところに出かけることは好きですが
室内遊戯場や、子育て支援施設のような場所にいくのは騒々しいし閉塞感があり苦手です

また、絵本を読んだり、一緒に体を動かしてボール遊びをしたりするのは好きですが、
不器用なため折り紙をしたり、一緒に料理や工作をつくったりということは苦手でイライラします

子どもに全部やってあげられなくてかわいそう
いろんな経験を積ませてあげたい

親になると痛いほど感じる気持ちですが、子どもに全部やってあげることは不可能であると肝に銘じましょう

できることはできる
できないことはできない

それだけです

できないことはすっぱり諦める
人に任せる
できることをしっかりやる

自分には限界があるのだという事実に向き合いましょう

・無理しないのは無理

子育て、しんどい
そういうと、必ずこういわれます

無理しなくていいよ

また、子育てライフハック本やSNSなどをみると、「無理しない子育て」についてたくさんの情報が出てきます

おかずは作り置き
たまには外食や惣菜ですまそう
家事は適当でいい

その情報をみるたびに、わたしはその「無理しない子育て」のハードルの高さに絶望感を抱いてしまうのです


そう、ASDの母親にとって
否、すべての母親にとって
子育てで無理しないことは不可能なのです

肝心なのは、コントロール可能な範囲の無理であること
回復可能な無理であることなのです

みなさん、自分の限界を見極める術を身につけましょう
無理しなければいけないことはたくさんあります
余裕をもって子育て
そんなことはできません

ボロボロのかっこ悪い自分で十分です
人に迷惑かけたってかまいません
右往左往しながら無理してる自分、それでいいです

大切なのは、低空飛行で細く長く続けられること
どうぞ、持続可能な無理をしてください


さいごに 子育て向いてなくたっていい

別に向いてなくたっていいんです
後悔したっていいんです

向いてることだけをしなければいけないとか、そんなことはありません

子育てしてると、しょっちゅう自分の限界にぶち当たります
子どもが産まれて、変わらざるを得なかったことも、諦めたこともたくさんあります

でも、後悔があるかといったら全然ありません

全然お母さんらしい良いお母さんじゃない
多分もっと向いてることも他にある

それでも、向いてないことをするのも、案外向いてることをするより、人生の発見がたくさんある気がします

なにより、この効率重視のコスパとかタイパとか叫ばれる世の中で、この自己中心的で吝嗇で自分のことしか考えてなかったわたしに、
与えられるのではなくひとに与える喜び、愛されるのではなくひとを愛する喜びを教えてくれた子どもという存在に感謝しています

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