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五臓の概説(精神五臓第一③)

最初の節では、刺鍼において「神」が最も大切であると言うこと第二節では、その「神」「気」が情緒や環境、労働などによって変化することを見てきた。この節では、前の二節を受け、より具体的に五臓とその虚実について書かれている。

原文

蔵血、血舍魂、在気為語、在液為涙。肝気虚則恐、実則怒。素問曰、「人臥、血帰於肝、肝受血而能視、足受血而能歩、掌受血而能握、指受血而能摂。」
蔵脈、脈舍神、在気為呑、在液為汗。心気虚則悲、実則笑不休。
蔵営、営舍意、在気為噫、在液為涎。脾気虚則四肢不用、五蔵不安、実則腹脹、経溲不利。
蔵気、気舍魄、在気為咳、在液為涕。肺気虚則鼻塞不利、少気、実則喘喝、胸盈仰息。
蔵精、精舍志、在気為欠、在液為唾。腎気虚則厥、実則脹、五蔵不安。必審五蔵之病形、以知其気之虚実、謹而調之也。

『鍼灸甲乙経』人民衛生出版 より抜粋

意訳

下記の現代語訳は試験的にAIで翻訳して手直ししております。
厳密な考証はしておりませんので参考程度にご確認ください。

肝臓は血を蔵し、血は魂を宿し、気は声に、体液では涙に表われます。肝気が虚弱になると恐れを感じ、実すると怒りっぽくなります。さらに素問には、「人が横になると血が肝臓に戻り、肝が血を受けて視ることが可能になり、足は血液を受けて歩け、手のひらは血を受けて握れ、指は血を受けて動かせます。」とあります。
心臓は脈を蔵し、脈は神を宿し、気では呑み方に、体液では汗として表われます。心気が虚弱になると悲しみ、実すると笑いが止まらなくなります。
脾臓は営を蔵し、営は意を宿し、気では嘆きに、体液ではヨダレに現れます。脾気が虚弱になると四肢が不自由になり、五臓が不安定になり、実すると腹は張り、排泄が困難になります。
肺は気を蔵し、気では魄を宿し、気では咳に、体液では涕(鼻水)に現れます。肺気が虚弱になると鼻づまりや呼吸が困難になり、実すると喘息や呼吸が荒くなります。
腎臓は精を蔵し、精は志を宿し、気では欠伸あくび、体液は唾液に現れます。腎気が虚弱になると手足が冷たくなり、実すると腫れや五臓が落ち着かなくなります。五臓の病態を正確に判断して気の虚実を知り、慎重に調える必要があります。

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