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新緑の森の動画をいただいて

今朝、知人から長野県佐久の新緑の動画が送られてきた。森の小径から撮影したものだが、森の中を歩いているようで清々しい。小鳥のさえずりが聞こえ、心が洗われるようだった。

歩くことは健康に良いということは、今では常識である。日常的にも、歩くと心身にプラスに働くことを経験している。

学生の頃に体調を崩して、家で養生していることがあった。久しぶりに江戸川の土手まで往復した。帰ったら快い疲れと穏やかな気持ちが感じられた。その時、心拍数を測ったら、身体を使わない時に比べて、少なくなっているのに気づいた。心臓は使うことで丈夫になると知った。身体は使わないと衰えていくのは真理のようだと感じた。

ベートーベンは、森を散歩しながら、曲想を得たという話がある。耳の病で落胆したベートーベンは、療養のためにウィーンのハイリゲンシュタットにやって来るが、そこにはベートーベンが毎日散歩した道があり、「ベートーヴェンガング」(ベートーヴェンの散歩道)と呼ばれている。ここは、ベートーベン再起の場所である。

自然にふれながら歩くことは、穏やかな心を取り戻すことができる。歩くことの効用は、身体だけでなく、精神的にもプラスになる。今西錦司だったかが、山を歩くと動物的な勘が働くようになると何かに書いていたが、自然は人間に思いがけない力を与えてくれるものなのかも知れない。

何もやることがない、暇なとき程、人間にとって大事な時間である。忙しいと忙しい事に頭がいっぱいになり、頭が一つのことに囚われて硬直する。やることがないと自由になれる。囚われない心で道を歩いていると、いろいろな思いが自然と湧いてきたり、ふと目にとまった物に心が動かされたりする。こういうことは、じっと座っているときより、歩きながらの方がはるかに多い。歩くと身体の動き、血流、心のリラックス、脳の働きなどが一体となって変化するのだろう。それも街の人混みの中を歩くより、人の少ない自然の中を歩く方が思いつく。

やはり、人間は、歩いて身体を動かすようにできている。今では座って仕事をすることが多くなったが、はるか昔は狩猟や採集で生活していた。そのときの身体の仕組みは、今でも変わっていないということだろう。

 佐久の森


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