見出し画像

スーパーの資源リサイクルの図を見て

近くのイオンスーパーに、ペットボトル、牛乳紙パック、食品トレー、アルミ缶の4種を入れる資源置き場がある。その壁にリサイクルのポスターが貼ってある。そこには、リサイクルの流れが説明されていて、どういう物に再生されるかということが書かれていて、大変に分かりやすかった。上の4つはいずれもリサイクルの優等生だが、予想に反して、その完成度が違っているのを知った。

ペットボトルは、透明のPET樹脂になり、それからビニール傘やシャツに再生される。牛乳パックは、原反ロールに再生され、トイレットペーパーやティッシュペーパーになる。この2つの共通点は、もとのペットボトルや牛乳パックには再生されずに、他のものになる点である。リサイクルではなく、一方通行のワンサイクルである。トイレットペーパーは流されて下水に消えていく。傘やシャツも資源ゴミにはならない。

アルミ缶は、アルミ塊からアルミ板に再生され、再びアルミ缶になる。食品トレーは、チップ状に加工されて、再び食品トレーになる。これらは元のものになる完全リサイクルである。

リサイクルの図をみて永久機関ということを思い出した。一度力を加えると永遠に動き続ける機械という、錬金術とともに、中世のヨーロッパ人が挑んだ一大プロジェクトだ。しかし失敗し、そこから近代科学が芽生えた。リサイクルの実体を知り、永遠に資源が循環して再生するリサイクルも永久機関のような夢物語に思えてくる。アルミ缶はアルミを溶かして成形し直すだけだからできる。金だったら必死に集めて完璧なインゴットにしている。方法はそれに近い。

しかし、ほとんどのリサイクルは、牛乳パックから作られるトイレットペーパーのように下水に流れていく一回限りのものである。技術不足の問題というより、経済コストの問題が大きいのだろう。労力をかけて分ければ資源というような簡単なものではない気がする。リサイクルには資源だけでなく、水や燃料が使われる。いつかは、イノベーションが起きて、完全リサイクルができるかも知れないが、今の人類には利潤追求に精一杯で遠い未来のようにも思える。トータル的に資源が有効に使われているのかどうかの証明には、宇宙船のような閉ざされた系の中で資源のリサイクルができるかどうかなのだろう。宇宙船になれば、限られた資源の再利用をせざるを得ないし、経済効率など言ってはいられない。

イオンにあった資源リサイクル図



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?