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虹の思い出 噴水とダブルレインボー

虹は雨上がりの日に見られるので、夢や希望をイメージしていて、見るとワクワクした気分になる。大きく開けた場所で見る虹は雄大だ。虹は、水滴があれば、見られるので、滝でも見た。身近な場所では、公園の噴水でも虹は見られる。

仲間で貝柄山公園というところで噴水に架かる虹を見たことがある。午後の太陽が南中を過ぎた真夏の頃だった。噴水があったので、友人に「滝は太陽に対してどこで見られるかね」と聞くと「たしか、イグアスの滝で太陽を背にした時に見た気がする」と言うので、太陽が背になるように、ぐるっと噴水を周ると、はたしてきれいな虹が出ていた。皆はあとからやって来て、本当に虹ができていると感嘆の声をあげていた。

それから、船旅をする機会に恵まれて、ビクトリアの滝やイグアスの滝で虹を見ることができた。滝の幅が広く、水滴が豊富で、南国の強い太陽の光が幸いしていた。しかし、なかなか大空にかかる大きな虹は見る機会がない。

大空の虹を見たのは、タヒチ島を出港して3日目の朝だった。朝の太極拳が終わり、日の出を見ていると、「虹が出てる」という大きな声がした。声の方に振り向くと雲を背景に半円の大きな虹が見えた。さらに幸運なことに虹の外側にもうひとつうすい虹があった。これが副虹か、生まれて初めて見たダブルレインボーだ。しばらくすると虹は消えてしまった。虹の素になる水蒸気がなくなったのだろうか。(見出しの写真)

ダブルレインボーが見られたなんて、きっと一生に一度のことだろう。こうなるとちょっと、虹について関心が出てくる。そこで、いろいろ聞きかじったのが以下である。

虹は水玉に光が反射して作られる。光は水玉に入るときに屈折し、中で反射し、出るときに屈折する。波長の長い赤は、屈折率が小さく、波長の短い紫は、屈折率が大きい。その結果、円の外側から赤、橙、黄、緑、青、紫のように並ぶ。屈折→反射→屈折の結果、入る白光と出る紫色の角度は40度、赤色の角度は42度らしい。

これに対して、副虹は、屈折→反射→反射→屈折と水玉の中で2回反射してできる。
特色は、①2度反射するので、主虹より薄い。(すべてが反射しないで直進する光があるから1度より2度の反射の方が薄くなる)②入る白光と出る赤色の角度は51度、紫色はさらに角度が大きい。そのために主虹の外側に円の内側から赤、橙、黄、緑、青、紫と並ぶ。

自然は、分かるとシンプルだ思う。この世の中は分かったようで、経済、特に物価や為替の動きなど今一つ訳が分からない。そう思うのだが、しかし、光は光子という素粒子と聞いているが、それぞれ屈折率の違う色があり、その外側には紫外線や赤外線というのがある。光子は一つではないのか。またまた分からなくなった。

昔、「風に色があったらこわいわ」と言った民宿の婦人がいたが、幸運にも、色のついた光が全部集まると無色透明になる。だから、光の存在を気にすることなく、のんびりと生きていける。自然とは不可思議なものだ。


噴水に出た虹
大多喜城で見た大きな虹

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