しんけちゃん

普通の生活をする定年退職者です。 生活の中で感じたことをテーマに、短いブログ毎日一本…

しんけちゃん

普通の生活をする定年退職者です。 生活の中で感じたことをテーマに、短いブログ毎日一本が目標です。

マガジン

  • 船旅 地球をまわる

    一度だけの世界一周の船旅の思い出を綴っています。

  • 万葉集と私

    万葉人にとって和歌は日常の表現のひとつ、生きた文芸だと思う。いや文芸というのではなく、生活のひとつの行為に過ぎない。どういうシチュエーションで作られたかが非常に気になる。学べば新たな発見がたくさんあるだろう。

  • 食べ物日記

    折にふれて感じた食べ物のことや思い出を綴っています

  • 旅と私

    旅から学んだいろいろなことを綴ってます

  • 母の短歌

    母が生前に作った短歌をまとめたものです。

最近の記事

  • 固定された記事

言葉は人を動かす、言霊の幸ふ国

言葉は人を動かし、人は言葉に動かされる。古代より言葉には力があると信じられ、言霊と呼ばれた。   私事で恐縮だが、かつて「君ならどこへ行っても大丈夫だよ」と上司から言われたことがある。世間に疎くて働いてきたと思っていただけに、意外だった。しかし、そう言われるとそういう気になるのが、言葉の力なのだろう。勇気づけられる言葉は、人生の道中手形のようなものだ。これで人生を旅していても大丈夫だという気がしてくる。 また、倉敷の土産物店の主人から「あなたはもうかっている。人に使われる

    • ダブルレインボーを見た

      虹は雨上がりの日に見られるので、夢や希望をイメージして見るとワクワクした気分になる。大きく開けた場所で見る虹は雄大だ。虹は、水滴があれば、見られるので、滝でも見た。身近な場所では、公園の噴水でも虹は見られる。 仲間で貝柄山公園というところで噴水に架かる虹を見たことがある。午後の太陽が南中を過ぎた真夏の頃だった。噴水があったので、友人に「滝は太陽に対してどこで見られるかね」と聞くと「たしか、イグアスの滝で太陽を背にした時に見た気がする」と言うので、太陽が背になるように、ぐるっ

      • 洋上の太極拳

        毎日、朝早く、日の出前から 船尾の甲板で太極拳が行われた。たくさんの人が甲板に集まり、若い指導者の下で太極拳を楽しんだ。 太極拳の先生は、海を背にして、私たちの方を向いている。私たちは先生の姿を見ながら太極拳を見様見真似で行う。先生の後ろに海がある。船は西回りだったので、朝日が洋上から上るのが見えた。日の出を見るのが、楽しみだった。 太極拳はまだ日の出前の薄暗いうちから始まった。身体をゆっくりと動かし、静かに息を吐く、そんな動作を繰り返して行くうちに次第に空が白みだしてく

        • 新緑の森の動画をいただいて

          今朝、知人から長野県佐久の新緑の動画が送られてきた。森の小径から撮影したものだが、森の中を歩いているようで清々しい。小鳥のさえずりが聞こえ、心が洗われるようだった。 歩くことは健康に良いということは、今では常識である。日常的にも、歩くと心身にプラスに働くことを経験している。 学生の頃に体調を崩して、家で養生していることがあった。久しぶりに江戸川の土手まで往復した。帰ったら快い疲れと穏やかな気持ちが感じられた。その時、心拍数を測ったら、身体を使わない時に比べて、少なくなって

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        言葉は人を動かす、言霊の幸ふ国

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        • 船旅 地球をまわる
          28本
        • 万葉集と私
          20本
        • 食べ物日記
          38本
        • 旅と私
          34本
        • 母の短歌
          23本
        • 先祖の話 父母と祖父母の時代
          37本

        記事

          万葉の歌 ひむがしの 東野炎立所見而

          東野炎立所見而反見為者月西渡 軽皇子が宇陀阿騎野に狩りに行ったときに柿本人麻呂が詠んだ反歌のひとつ。 これが、どうして「ひむがしの のにかぎろひの たつみえて」と読むのか、また読むことができるのか不思議だった。「ひむがしの のにかぎろひの たつみえて かへりみすれば つきかたぶきぬ」の読みは、学生時代から習い親しんでいる。しかし、この読み方を忘れて、初めてこの原歌に接したとすると、私のような素人は、「ひがしのに かぎろひたちて」のように読んでしまう。どうやって、先人は、「

          万葉の歌 ひむがしの 東野炎立所見而

          製品開発の対象者と漏れた人

          電車に座っている人は、多くがスマホを手にして画面を眺めている。優先席でもスマホが使われている。昔はみな新聞や本を読んでいたな。まだガラケーが一般的だった頃、電車内の優先席近くに立っていたら、座っている高齢の男性が、「申し訳ないが、私はペースメーカーを入れているので、携帯電話をやめてもらえませんか」と席前で携帯を使っている若い人に頼んだ。若者は黙って携帯をカバンにしまった。その頃は優先席付近での携帯電話の使用は控えて下さいという案内が流れていた。 義母も心臓にペースメーカーを

          製品開発の対象者と漏れた人

          春に咲く白菊の綿毛

          道端の白い菊のいくつかが花の盛を過ぎて、綿ぼうしをつけいていた。 この間、たんぽぽの綿毛を子どもがフーと吹いいた。綿毛は風に乗ってふわふわと飛んでいく。よい季節になった。いい気分だ。 今日の白菊の綿毛も風が吹けば、ふわふわと飛んで行くのだろうな。私は、手で綿ぼうしをたたいてみた。意外だった。パラパラと落ちて、少し飛んだものもあるが、大部分は下の地面に落ちてしまった。風がない日に綿ぼうしをたたいてはいけないのだ。 悪いことをしたなと思った。人間の手の不必要な力が、菊の運命

          春に咲く白菊の綿毛

          歳をとって読んだ源氏物語4  女性論

          源氏物語を読み出して止まってしまった。帚木の巻のいわゆる雨夜の品定めが、なかなか煩雑で、古典の素人には難路が続いた。しかし、ここを読まないと次の巻に進まないようだ。ゆっくりと読んでみた。 1 階級と女性 まず、頭中将の女性の階級分類から始まる。 ①上品(じょうほん)の女性は、大事に育てられ、表に出ないので神々しく見える。要するに真の姿が分からないと言っている。 ②中品の女性は、それぞれ自分を持っているように見えて、こういう人だと分かる点が多く、要するに個性的だと言っている

          歳をとって読んだ源氏物語4  女性論

          マダガスカルの運転手さん

          旅の思い出には、楽しい思い出と嫌な思い出の他に切ない、はかない、申しわけないという類の思い出がある。この第3の思い出として、船旅で寄ったマダガスカルのタクシー運転手さんに申し訳なかったという思い出がある。 マダガスカルのトアマシナのタマタブ港に着いた。船からは、なだらかな山々を背景にヤシの木々、インド風の家並み、キリスト教会が見えた。 一泊二日の寄港だったので、初日は、夫婦でイヴルイナ動物園に行くことにした。船内で20ドルを42,000アリアリに交換した。マダガスカルの通

          マダガスカルの運転手さん

          歳をとって読んだ源氏物語3  光源氏の性格

          「光源氏、名のみことことしう、言ひ消たれたまふ咎多くなるに、いとど、かかるすきごとどもを」と高校の友人が口ずさんだことがあった。それを聞いて、意味をよく理解しないながらも、光源氏の好色家のイメージを抱いてしまった。 高齢者の仲間入りをして、ゆっくりと原文(帚木)を読んでみた。今では使われていない言葉が多く、古語に習熟していない自分には、読むのに時間がかかる。それでも、正確な解釈ではないかも知れないが、概ね意味は通じる。かくして自分の中に次のような光源氏像が得られた。 わが

          歳をとって読んだ源氏物語3  光源氏の性格

          子鹿物語

          講談社の絵本で『子鹿物語』というのが、実家の本棚にあるはずなので、探して持って帰った。題名は、『講談社の絵本 子じか物語』(©1956)だった。 小学校に上る前に父親が買ってくれたが、絵が美しかった。カタカナに不慣れな私は、主人公のジョディを読めず、また、ジョディという初めて耳にする名前が言いづらかったので、父親がひらがなをふってくれた。今開いて見てみるとたしかにひらがなが書かれていた。保存や記録への感動というのはこういうものなのだろう。 『子鹿物語』の原題は『イヤリング

          雨上がりの日の傘の忘れ物

          雨が止むと傘の忘れ物が多い。 西船橋から東西線に乗った。三鷹行の各駅電車に乗車する時、ドアの下に折りたたみ傘が落ちている。どうやら今降りた乗客の誰かが落としたようである。 西船橋駅は東西線の終着駅(東葉高速鉄道と乗り入れするようになってからは東葉勝田台駅行もある)なので、乗客は皆降りる。その日は、雨だったが、午後から止んで曇り空になった。そんな日は、傘を持参していることを忘れてしまう。折りたたみ傘を畳んで、リュックのポケットに指したが、リュックを背負う時に落ちたことも考えら

          雨上がりの日の傘の忘れ物

          カツ丼のカツは丸が良い

          「友だちにカツ丼のカツは、丸いよね」と言ったら、意外なことを言うという顔で、ただ笑っていた。何度か食べた経験から達した結論なのだが、そうだねという反応がないと一般的な話ではないのかと不安になる。また今度、カツ丼を注文して、丸いことを確認しようと思った。 今日、蕎麦屋でカツ丼そばセットを注文した。出てきたカツ丼を見たら、カツが見事に丸かった。しかもどんぶりの中にぴったりと収まっている。やはりカツ丼のカツは丸が正解だ。楕円形では、丸いどんぶりからはみ出してしまう。小さい楕円形で

          カツ丼のカツは丸が良い

          ふるさと考

          東京の片隅で育ち、今も東京の端に住んでいるから、ふるさとがない。かつて、夏休みに帰郷する人の話を聞いて、うらやましい気持ちになった。「ふるさとがあっていいですね」と言うと、「お金がかかるから大変だよ」とのこと。電車賃やお土産代等で出費が多くて大変だと聞いたら、憧れの対象だったふるさとが急に現実的な存在に変わった。夢のようにはいかないのが現実ということだ。それでもふるさとがないという淋しい気持ちは変わらなかった。 自分にとってふるさととは何だろう。 辞書を見れば、ふるさとは、

          楽しい時間は長いだろうか、短いだろうか

          もう4月中旬だ。この間まで、桜に浮かれていたと思ったら、今日などは夏のように暑い。月日が経つのが早いなと思う。 「働いていた時は、毎日が忙しいせいか、時間が経つのが遅かったな」 と言ったら、家内がすぐに反応してきて 「反対よ、毎日忙しいから、あっという間に時間は過ぎていくの。退職して毎日時間がある人は、時間が過ぎるのが遅いのよ」 と反対のことを言う。 ありゃ、どっちが本当なのだろうと頭をかかえてしまった。 この難問を解くために、しばらく無い知恵をしぼった。 先ずは、生

          楽しい時間は長いだろうか、短いだろうか

          日本橋の景観

          月に何度か日本橋を渡る。頭上には高速道路が走っている。東京に高速道路が造られのは、前の東京オリンピックの時だった。高速道路網は、新幹線と並んで経済成長する日本を象徴していた。オリンピック開催国にふさわしい近代化された国を海外からの旅行者に見せたいという当時のリーダーたちの意気込みを感じる。この前の東京オリンピックより、1964年の方が問題がなく、国民全員が燃えていたという記憶がある。 急いでいたのだろう。高速道路は、河川を利用して、その上に建設された。隅田川から堅川の上に、

          日本橋の景観