しんはく(Sinhaku)

日常生活を営みながら、小さな旅を続けて数十年。薄れゆく旅の記憶を補助するためにカメラを…

しんはく(Sinhaku)

日常生活を営みながら、小さな旅を続けて数十年。薄れゆく旅の記憶を補助するためにカメラを持って、今日も明日も明後日も旅しています。旅の素晴らしさをみなさんにお伝えしたいと思います。

マガジン

  • 日本神話の探求「イザナギとイザナミ、鬼界カルデラ噴火」

    九州南端に日本の始まりの真実がある。

  • しんはく写真哲学

    写真やカメラ、芸術についての考察です。

  • 風景写真集「みちのそら」

    「みちのそら」には旅の途中という意味があり、文明と自然の融合点や境界線を旅しながら撮影した風景写真集です。道が好き、空が好き、そして旅が好き。どうぞご覧ください。

  • プロ野球キャンプ in 宮崎

    プロ野球のキャンプの様子を、写真をメインに観戦記で構成しています。

記事一覧

固定された記事

感動の仕組み

90年代初頭に、私は感動の仕組みを探ろうと、数年間調査研究したことがあります。映像が人間に与える影響なども含めて、寝る間も惜しんで取り組んでいました。懐かしい思…

邪馬台国の捜索に関して、ぜひ知っておくべきこと

 纏向遺跡などの発見によって、近年、邪馬台国論争が再び過熱しているようです。  様々な意見があり、それらをひとつずつ読んでみて思ったことがあります。  それは邪馬…

鬼界カルデラ 日本神話の世界へ旅を終えて

 自分でもよくわからない不思議な力に導かれるまま鬼界カルデラを訪れて、今まで漠然としていた点のひとつずつがようやく実感として線で繋がったように感じました。  現…

さようならドンドコ島

 島での最終日、起きてみれば昨晩からの大荒れの天気は全く変わらず。  海上の風速は11m/sで、昨晩は15m/s、台風並みの悪天候となり、前日はやって来るはずのフェリーが…

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平家落ち武者伝説、安徳天皇、不思議の島「ドンドコ島」

 天気予報とは裏腹にまずまずの空模様であったため、ドンドコ島(薩摩硫黄島)に到着してからすぐに、5km四方の小さな島を一周します。  翌日以降は次第に天候が悪化する…

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神住みたもうドンドコ島「薩摩硫黄島」

 早朝4時にドンドコ島を目指して宮崎市を出発した私は、今回の話のスタート地点でもある都城の檍神社へ参りました。  昨晩の天気予報では、旅の間は全て雨天、しかもか…

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日本神話とドンドコ島 イザナギとイザナミの話

 私は10年前に宮崎市へ移住して生活を始めたのですが、お陰で南九州を本格的に撮影出来るようになりました。とてもありがたいことです。  中でも特別に好きな風景があ…

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温暖化、少子化、高画素化

過去にいくつか例を挙げて、専門家の多くはみなさんが思っているほど能力は高くなく、「間違ったことや偏ったことを大きな声で言っている専門家は非常に多い」という旨の記…

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ソラトタコ

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ノイズ

かつてノイズについて語ったことがありますが、ノイズは写真において極めて重要な要素であって、鑑賞者の感動にアクセスする手段のひとつであると言いました。 感動の仕組…

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飫肥街道

宮崎市から南へ1時間ほど走ると、日南市があります。 飫肥杉で有名な日南は古くから林業で栄え、かなりの力を持った飫肥藩が統治していました。 飫肥藩が参勤交代の際にも…

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1:1

宮崎にもゴールデンウィーク(GW)がやってきました。 GWには遠出はしません。 お祭り的休日なので、若い人ならそれを楽しむという方法もあると思うのですが、やっぱり…

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M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO 実写

雨と聞くと皆さんのイメージは大抵憂鬱で暗いものだと思います。 生物学的に考えても雨の時は行動を抑えて、エネルギー消費を減らすのが多くの哺乳類では基本だと思います…

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Voigtländer NOKTON 17.5mm/F0.95 VS LAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO

焦点距離、マニュアルフォーカス、開放値、大きさ、重さ、とても似ているこの2本を撮り比べてみました。 前回も紹介したように解像度が明らかに高いのはLAOWA Argus 18mm …

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36mm付近(謎)選手権

マイクロフォーサーズのF5.6 / 18mm付近の比較写真を撮ってみました。 レンズによって同じ焦点距離でも撮影範囲が結構異なる上、三脚が設置できない場所での撮影なので完全…

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M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO

標準ズームレンズを10年ぶりくらいに刷新し、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROを導入しました。 ここ10年ほど標準ズームは、LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH.…

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感動の仕組み

感動の仕組み

90年代初頭に、私は感動の仕組みを探ろうと、数年間調査研究したことがあります。映像が人間に与える影響なども含めて、寝る間も惜しんで取り組んでいました。懐かしい思い出です。

それは仕事でも何でもなく、とにかく今後、自分の芸術をどういう方向へ向かわせるか、その判断をするためでした。
まぁ要するに方向性で、いろいろと悩んでいたわけです。

主な研究手段は、絵画と写真、そして90年代に一気に花開いた3D

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邪馬台国の捜索に関して、ぜひ知っておくべきこと

邪馬台国の捜索に関して、ぜひ知っておくべきこと

 纏向遺跡などの発見によって、近年、邪馬台国論争が再び過熱しているようです。
 様々な意見があり、それらをひとつずつ読んでみて思ったことがあります。
 それは邪馬台国論者の多くが、基本的な問題をそもそも理解していないということです。これは恐らく専門家であっても、多くの人がそれを理解してないのだろうと思います。
 今回は、あまり理解できていないと考えられることに関して、簡単に紹介しようと思います。

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鬼界カルデラ 日本神話の世界へ旅を終えて

鬼界カルデラ 日本神話の世界へ旅を終えて

 自分でもよくわからない不思議な力に導かれるまま鬼界カルデラを訪れて、今まで漠然としていた点のひとつずつがようやく実感として線で繋がったように感じました。
 現地に行くことは大切だと思いました。机の上だけでは分からない事があるものです。特に当時の人たちの心を理解する上で、現地での活動は欠かせないものです。

 さて日本神話の話に戻ると、イザナギは黄泉の国から帰って来た後に、アマテラス、ツクヨミ、ス

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さようならドンドコ島

さようならドンドコ島

 島での最終日、起きてみれば昨晩からの大荒れの天気は全く変わらず。
 海上の風速は11m/sで、昨晩は15m/s、台風並みの悪天候となり、前日はやって来るはずのフェリーが欠航してしまいました。
 今日も欠航したらいつ島を離れることができるのだろうか、不安を抱えながら、相変わらずの暴風で荒れる外に出てみます。
 強風でへし折れた宿泊施設の頑丈そうなポールが、まず最初に目に入って来ました。やばいなぁ。

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平家落ち武者伝説、安徳天皇、不思議の島「ドンドコ島」

平家落ち武者伝説、安徳天皇、不思議の島「ドンドコ島」

 天気予報とは裏腹にまずまずの空模様であったため、ドンドコ島(薩摩硫黄島)に到着してからすぐに、5km四方の小さな島を一周します。
 翌日以降は次第に天候が悪化すると、私の直感が言っています。

 今回は離島探索最強と言っても過言ではない、スーパーカブ110を持ち込んでいます。
 世間では125ccのお洒落なCT125ハンターカブが大人気のようですが、山で本気で使うなら圧倒的にノーマルのスーパーカ

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神住みたもうドンドコ島「薩摩硫黄島」

神住みたもうドンドコ島「薩摩硫黄島」

 早朝4時にドンドコ島を目指して宮崎市を出発した私は、今回の話のスタート地点でもある都城の檍神社へ参りました。
 昨晩の天気予報では、旅の間は全て雨天、しかもかなり大荒れの予想ということもあって、今回の旅に当たっては神様に見守っていただくようにお願いしておく必要を感じました。
 神域をうろつくのだから、一応報告しとかないと失礼だからね。
 御加護もあったのか、少しずつ天候が落ち着いて雨が止んできま

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日本神話とドンドコ島 イザナギとイザナミの話

日本神話とドンドコ島 イザナギとイザナミの話

 私は10年前に宮崎市へ移住して生活を始めたのですが、お陰で南九州を本格的に撮影出来るようになりました。とてもありがたいことです。
 中でも特別に好きな風景があり、都城盆地の南部には小高くなだらかな丘があるのですが、ここは特に私が大好きな風景です。
 盆地を挟んで北の反対側には神聖な高千穂峰がそびえており、西を見ると遥か彼方に噴煙をあげる桜島が鎮座するという、とても特別な丘なのです。
 ここを通る

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温暖化、少子化、高画素化

温暖化、少子化、高画素化

過去にいくつか例を挙げて、専門家の多くはみなさんが思っているほど能力は高くなく、「間違ったことや偏ったことを大きな声で言っている専門家は非常に多い」という旨の記事を何度か書きました。

例えば私は温暖化問題について、最初からあまり相手にしていません。
現在の温暖化自体は少なくともウソではなく、事実だと思います。
でも地球規模で見ると、今後やってくる可能性が高いのは壮絶な寒冷化です。つまり氷河期です

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ノイズ

ノイズ

かつてノイズについて語ったことがありますが、ノイズは写真において極めて重要な要素であって、鑑賞者の感動にアクセスする手段のひとつであると言いました。
感動の仕組みの記事でも述べていますが、これはノイズによる不鮮明さや不確かさの部分に、鑑賞者の経験に基づく過去の感情が補完されるためです。
鑑賞者の過去の記憶や経験からノイズに対して映像補完が行われることで、鑑賞者はリアリティを感じます。

つまり写真

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飫肥街道

飫肥街道

宮崎市から南へ1時間ほど走ると、日南市があります。
飫肥杉で有名な日南は古くから林業で栄え、かなりの力を持った飫肥藩が統治していました。
飫肥藩が参勤交代の際にも使用していた街道が、飫肥街道です。

飫肥街道は現在の県道27号沿いに宮崎市から南へ伸び、途中から花立山方面へ山中を通過します。
時々、県道27号をそのまま飫肥街道として紹介する記事を見かけますが、これは間違いです。ご注意ください。
県道

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1:1

1:1

宮崎にもゴールデンウィーク(GW)がやってきました。
GWには遠出はしません。
お祭り的休日なので、若い人ならそれを楽しむという方法もあると思うのですが、やっぱり人混みの凄さにひたすら疲れてしまいます。

宮崎市にはすぐ裏側に鰐塚山があります。
なんと1,118mもあり、そこそこ大きな山塊です。
ここが穴場のひとつでして、地元民ですらほとんど無視しているような状況ですから、いつ訪れてもまず人がいま

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M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO 実写

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO 実写

雨と聞くと皆さんのイメージは大抵憂鬱で暗いものだと思います。
生物学的に考えても雨の時は行動を抑えて、エネルギー消費を減らすのが多くの哺乳類では基本だと思います。
でも子供の頃を思い出してみると、雨が降る中でバシャバシャ遊ぶのは楽しかったし、私たちはもう少し雨を好きになってもいいような気がします。
私は旅が好きだし、雨のときはもちろん多少憂鬱な気持ちもあります。
ただ、昔から世の中の風景写真ってい

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Voigtländer NOKTON 17.5mm/F0.95 VS LAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO

Voigtländer NOKTON 17.5mm/F0.95 VS LAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO

焦点距離、マニュアルフォーカス、開放値、大きさ、重さ、とても似ているこの2本を撮り比べてみました。
前回も紹介したように解像度が明らかに高いのはLAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO(以下LAOWA)なのですが、だからと言ってVoigtländer NOKTON 17.5mm/F0.95(以下NOKTON)が劣っているわけでもないのです。
NOKTONの解像度が低いと言っても

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36mm付近(謎)選手権

36mm付近(謎)選手権

マイクロフォーサーズのF5.6 / 18mm付近の比較写真を撮ってみました。
レンズによって同じ焦点距離でも撮影範囲が結構異なる上、三脚が設置できない場所での撮影なので完全完ぺきな比較ではありません。
光の加減は常に変化しており、レンズを交換しながらの撮影なので各撮影において時間が経過しており、これまた正確性はありません。
補正は歪曲補正のみです。歪曲補正をかけないと実際の雰囲気の比較が難しいため

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M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO

標準ズームレンズを10年ぶりくらいに刷新し、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROを導入しました。

ここ10年ほど標準ズームは、LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH.を使用していました。
LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH.は、同じく標準ズームであるオリンパスの12-40mmF2.8PROと双璧を成す超

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