しんはく(Sinhaku)

日常生活を営みながら、小さな旅を続けて数十年。薄れゆく旅の記憶を補助するためにカメラを…

しんはく(Sinhaku)

日常生活を営みながら、小さな旅を続けて数十年。薄れゆく旅の記憶を補助するためにカメラを持って、今日も明日も明後日も旅しています。旅の素晴らしさをみなさんにお伝えしたいと思います。

マガジン

  • しんはく写真哲学

    写真やカメラ、芸術についての考察です。

  • 風景写真集「みちのそら」

    「みちのそら」には旅の途中という意味があり、文明と自然の融合点や境界線を旅しながら撮影した風景写真集です。道が好き、空が好き、そして旅が好き。どうぞご覧ください。

  • プロ野球キャンプ in 宮崎

    プロ野球のキャンプの様子を、写真をメインに観戦記で構成しています。

最近の記事

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感動の仕組み

90年代初頭に、私は感動の仕組みを探ろうと、数年間調査研究したことがあります。映像が人間に与える影響なども含めて、寝る間も惜しんで取り組んでいました。懐かしい思い出です。 それは仕事でも何でもなく、とにかく今後、自分の芸術をどういう方向へ向かわせるか、その判断をするためでした。 まぁ要するに方向性で、いろいろと悩んでいたわけです。 主な研究手段は、絵画と写真、そして90年代に一気に花開いた3DCGの3つを使って、それぞれの作品を徹底的に比較することでした。 各作品から、ど

    • 温暖化、少子化、高画素化

      過去にいくつか例を挙げて、専門家の多くはみなさんが思っているほど能力は高くなく、「間違ったことや偏ったことを大きな声で言っている専門家は非常に多い」という旨の記事を何度か書きました。 例えば私は温暖化問題について、最初からあまり相手にしていません。 現在の温暖化自体は少なくともウソではなく、事実だと思います。 でも地球規模で見ると、今後やってくる可能性が高いのは壮絶な寒冷化です。つまり氷河期です。 温暖化問題は大切です。どうでも良いわけではありません。 しかし寒冷化問題はも

        • ノイズ

          かつてノイズについて語ったことがありますが、ノイズは写真において極めて重要な要素であって、鑑賞者の感動にアクセスする手段のひとつであると言いました。 感動の仕組みの記事でも述べていますが、これはノイズによる不鮮明さや不確かさの部分に、鑑賞者の経験に基づく過去の感情が補完されるためです。 鑑賞者の過去の記憶や経験からノイズに対して映像補完が行われることで、鑑賞者はリアリティを感じます。 つまり写真からノイズを除去する考え方を、私は真っ向から否定しています。 私がかつて感動の仕

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        感動の仕組み

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        記事

          飫肥街道

          宮崎市から南へ1時間ほど走ると、日南市があります。 飫肥杉で有名な日南は古くから林業で栄え、かなりの力を持った飫肥藩が統治していました。 飫肥藩が参勤交代の際にも使用していた街道が、飫肥街道です。 飫肥街道は現在の県道27号沿いに宮崎市から南へ伸び、途中から花立山方面へ山中を通過します。 時々、県道27号をそのまま飫肥街道として紹介する記事を見かけますが、これは間違いです。ご注意ください。 県道から分かれて花立山を通過する飫肥街道は、途中から徒歩でないと追跡できないため、今

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          宮崎にもゴールデンウィーク(GW)がやってきました。 GWには遠出はしません。 お祭り的休日なので、若い人ならそれを楽しむという方法もあると思うのですが、やっぱり人混みの凄さにひたすら疲れてしまいます。 宮崎市にはすぐ裏側に鰐塚山があります。 なんと1,118mもあり、そこそこ大きな山塊です。 ここが穴場のひとつでして、地元民ですらほとんど無視しているような状況ですから、いつ訪れてもまず人がいません。 新しいズームレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm

          M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO 実写

          雨と聞くと皆さんのイメージは大抵憂鬱で暗いものだと思います。 生物学的に考えても雨の時は行動を抑えて、エネルギー消費を減らすのが多くの哺乳類では基本だと思います。 でも子供の頃を思い出してみると、雨が降る中でバシャバシャ遊ぶのは楽しかったし、私たちはもう少し雨を好きになってもいいような気がします。 私は旅が好きだし、雨のときはもちろん多少憂鬱な気持ちもあります。 ただ、昔から世の中の風景写真っていうものは、概してピーカンの青空や真っ白な雪景色だったりと、決まりきったお約束の綺

          M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO 実写

          Voigtländer NOKTON 17.5mm/F0.95 VS LAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO

          焦点距離、マニュアルフォーカス、開放値、大きさ、重さ、とても似ているこの2本を撮り比べてみました。 前回も紹介したように解像度が明らかに高いのはLAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO(以下LAOWA)なのですが、だからと言ってVoigtländer NOKTON 17.5mm/F0.95(以下NOKTON)が劣っているわけでもないのです。 NOKTONの解像度が低いと言っても、一般的な単焦点と同等の十分な解像度を持っているし、そもそもLAOWAの解像度が

          Voigtländer NOKTON 17.5mm/F0.95 VS LAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO

          36mm付近(謎)選手権

          マイクロフォーサーズのF5.6 / 18mm付近の比較写真を撮ってみました。 レンズによって同じ焦点距離でも撮影範囲が結構異なる上、三脚が設置できない場所での撮影なので完全完ぺきな比較ではありません。 光の加減は常に変化しており、レンズを交換しながらの撮影なので各撮影において時間が経過しており、これまた正確性はありません。 補正は歪曲補正のみです。歪曲補正をかけないと実際の雰囲気の比較が難しいためで、それ以外はホワイトバランスの統一くらいです。 私自身は補正前の画像を見て、歪

          36mm付近(謎)選手権

          M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO

          標準ズームレンズを10年ぶりくらいに刷新し、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROを導入しました。 ここ10年ほど標準ズームは、LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH.を使用していました。 LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH.は、同じく標準ズームであるオリンパスの12-40mmF2.8PROと双璧を成す超高性能標準ズームレンズで、全域で単焦点レンズと同等の画質を誇るレンズです。 たぶ

          M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO

          岡山城と後楽園

          先日帰省した際に訪れた岡山城と後楽園を、写真で簡単に紹介しようと思います。 岡山城は備前、備中の国を治めていた城です。 この地域はヤマト王権の時代からとても重要なエリアとされていて、全国でも畿内に次いで古墳が多い場所です。 備前で栄えていた福岡の町は、現在の福岡の名前の元になった場所としても知られています。 岡山城の歴代城主はなかなかの大物揃いで、宇喜田秀家、小早川秀秋、と変わって、池田輝政へと継がれます。 池田輝政は世界遺産の姫路城を造り上げた大名です。そして後楽園を造っ

          岡山城と後楽園

          実家の岡山へ帰省旅

          私が宮崎へ移住してかれこれ10年になるのですが、高齢の両親に会うために実家の岡山へ行ってきました。 1年か2年に1度、岡山へ帰省していましたが、毎回不思議な感覚に見舞われます。 子供の頃から何百回、何千回と見てきたはずの風景、それなのに旅をしているような新鮮さを感じたり、突然懐かしさで溢れたり、よくわからない感動を憶えたりと、何とも不思議な感覚です。 岡山を中心として、子供のころから親の転勤によって住む場所は何度も変わっているので、このような感覚には慣れているはずなのですが、

          実家の岡山へ帰省旅

          LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.実写レポート

          旅用に仕入れた35mmフルサイズ換算50mmの「LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.」を試写してきました。 休みの日にお昼ご飯を食べるため、駅前をさらっとぶらついて撮影してみました。 結果は予想通り、素晴らしい写り。 以前フルサイズで15万円くらいのレンズと光学性能が同等だろうと言ったのは、決して大袈裟ではなく、本当に惚れ込むほどのものです。 これで実売価23,000円なのだから、なんとエコなんだろう。 チョー軽いし、プラスチッキーでオモチャみたいだけど、そのガジ

          LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.実写レポート

          SDカードの選び方

          SDカードって種類が多くて、何を選べば良いのか分からないですよね。 私はSanDiskのSDカードを昔から使っています。 理由は一度も不具合に出会ったことがないから。 つまり信頼性が高い。 しかし最近では、例えばアマゾンなどを見ると、同じSanDiskのSDカードでも膨大な種類が並んでいて、何が何だかわからないと思います。 そこで簡単に、SDカードの種類を説明しておきます。 まず最初に注意事項として、SDカードは偽物が多い分野です。 だから圧倒的に安い奴を探し続けると、

          SDカードの選び方

          LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.

          今更ながらここに来て25mm(35mmフルサイズ換算50mm)を導入しました。 仕入れたのはLUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.です。ライカじゃないヤツです。 じゃないヤツ。 安かった。 なんと新品23,000円くらいでした。 しかし馬鹿にしてはいけません。 光学性能は、15万円くらいするような35mmフルサイズの50mm単焦点レンズと大差ありません。 もちろんF1.7だからF1.2などの明るさはないし、中央のピーク解像力で負けていますが、私が風景を撮影する時に

          LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH.

          日向景修園

          あまり知られていないのですが宮崎市は全国でも珍しく、支配的な藩が存在しない場所に作られた街です。「作られた街」なのです。 北海道の札幌に少し似ているかも知れません。 だから大きな城も無いし、庭園や寺社仏閣も無い。 戦国時代初期に島津が戦いに使用した城跡などが、微かに残る程度です。 ちなみにこれも知れらていないことですが、島津の本拠地は宮崎県の 都城です。鹿児島ではありません。 では宮崎市はどのような場所だったかというと、幕府の天領でした。 というか、ただの野っぱらでした。