見出し画像

【ひとりごと】医師としてジェンダー医療に何ができるか

ジェンダー外来の予約は
くじ引きで当選したら、予約が取れるんだよ。
ジェンダークリニック受診までに、数年待ちの人もいるんだよ。

14年前、医学生のとき。
トランスの友人からこの話を聞いた時
とても驚いたことを覚えている。

くじ引き、、、、、?
抽選で外来を予約、、、、?

ホルモン療法をしてるけど、
基本的に医師の診察はないし、
血液検査はないんだよ。

ホルモン量も自分で決める。
この量がいいと言えば、どんな量でもホルモン注射してくれるんだよ。

これにも驚いた。
この話は今でも患者さんから聞くことがある。

2週間に1回、エナルモンデポー500mgを打っているトランス男性や
血液検査の結果、E2(女性ホルモン値)が1000(pg/ml)以上のトランス女性に会ったこともある。

トランス女性の
女性ホルモン(E-GAHT)目標値は、100-200(pg/ml)であるが....


医師は診察した上で薬を処方する。

医師法20条
「医師は自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付してはならない(抜粋)」

つまり、医師による診察なしで処方箋を受け取ることは「原則」不可能。


トランスのホルモン量は、
個々によって異なるが、ガイドラインで量はある程度決まっている。
多すぎても少なすぎてもよくない。

人によって、ホルモンの必要量が異なるので、丁寧に診察し、ホルモン量の調整をしている。
なかなか難しい。

クスリにリスクはつきものなので、
1年に2-3回は血液検査をする。
副作用チェックのため。


タイで造腟術をされた患者さんが教えてくれた。

タイで手術を受けたら、
術後、日本の医師は診てくれないんだよ。
何か起きても、自分で対処するしかない。

?????

確かに国外での手術は、手術内容や術後経過がわからない。
医療連携が取れず、手術の詳細がわからないため、最善の医療は提供できないかもしれない。


では、海外旅行中に虫垂炎(盲腸)になって海外で手術を受け、
日本へ帰国後に何か合併症が起きたら。日本の医師から診察を断られてしまうのか....
それはないと思う。

もちろん
LUNAクリニック トランスジェンダー外来では、国外での手術問わず、造腟術後のアフターケアを行っています。

タイの術後患者さんも積極的に診ています。

↑タイ ガモン病院のガモン先生にアフターケアについて、相談しています。

先週、タイ医師が言ってた。

今、アラブ系の人ががん治療を求めて、タイにたくさんやってきているよ。
どこの国で治療するかは、患者さんが決めたらいいよね。

タイのハイレベルの病院は、
ハイレベルの米国に匹敵する最先端医療を提供しているらしい。

その医療を求めて、アラブ系の人たちがタイに殺到しており、最先端の医療を受けている(?)らしい。
(タイ医師から聞いた内容であり、その病院には訪れていません。)


一生に一回、
人生をかけて行うと決めた手術は、
託したい先生のもとで行う、
それが良いと思う。

医学生から医師となり。
目を見開いてジェンダー医療に接してみたら、たくさんの疑問点が浮かんだ。

誰もやりたくないなら、
やる人がいないなら、
僕がその医療をやりたいと思ったことがきっかけだった。

まだまだ勉強も足りないし、
できることも少ないかもしれない。

でも患者さんの話をよく聞いて、
できる限りのサポートをしていきたいなと思っています。

トランス医療は日進月歩。
まだまだわからないことだらけ。

毎日、海外のトランスジェンダー医療チームからメーリスが届き、みんなが議論をしています。

海外にはなりますが。
困ったら、いつでも連絡しておいで!
と言ってくれた仲間がいるので、
頑張れそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?