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課題(テーマ)の詩

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ある言葉をテーマに詩を書いた作品です
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記事一覧

詩『沈む夕日』

題名(テーマ)
『沈む夕日』
もう、
こんな時間だ

おうちに帰るの?
ママが待ってるの?
夕食はカレーがいいね
こんばん、テレビは何見る?

遠い
帰り道

宿題あったっけ?
パパ、早いといいな
疲れたぁ、バタンキュー眠りそう
あしたは、何して遊ぼうか

赤く
染まる田んぼ

沈む夕日が
ビデオカメラなら
主役の僕らは
しあわせそうに映るんだろうネ

実は
学校…キライ

子供ごころの
ドロドロ

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詩『君の目を見つめると』

題名(テーマ)
『君の目を見つめると』

いたずらで いじわるで
まっすぐで きびしくて
純情で 楽しげで
やさしくて さみしげで
怒ったり 憎んだり
不安げに ほほえんで…

この僕は そのたびに
ドキドキが 止まらない
宝石も かなわない
いつだって 愛してる
その瞳 美しく
運命も ひざまずく

目が合うと なんどでも
電源が オンになる
ミュージック 流れ出す
世界はもう 二人きり
生きて

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詩『星空の下で』

題名(テーマ)
『星空の下で』

四月の上旬の夜は
まだ少し肌寒くて
変わりゆくこの町は
遅いさくらを散らしてる

親戚の伯父さんの訃報
友だちの転勤
変わらなきゃって、思うけど
僕は今が、好きだった

見上げれば
永遠のような光のつぶがある
10年後も100年後も
僕らを見ているのだろう
あなたに急に会いたくなってくる
変わらぬ夢、変わらぬ愛
見上げりゃ必ずそこにある
そう願って、寝転んだ
星空

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詩『それでいい』

題名(テーマ)
『それでいい』

おやじぃ なんだよ
ん? ……それでいい

うるさいなー なにぃ?
じゃー ……それでいい

話しかけないで
もう どっちでもいいってば
わかった ……それでいい

「それで」は冷たい言葉じゃない
信頼ときずな だから

なに言ってるの?
気持ち悪いなー

そう
それでいい

今日も我が家は平和だなぁ~
これがいい!

詩『1つだけ』

題名(テーマ)
『1つだけ』
1つだけ
何でも願いが叶うなら
永遠の
命をくれって言うでしょう

1つだけ
何でも願いが叶うなら
あの人を
生き返らせてと頼むかな?

1つだけ
何でも願いが叶うなら
いくつでも
叶える魔法をくれ!と言う

1つだけ
いちばん大事なものは何?
生き甲斐さ
生きてて良かった…と思いたい

詩『大切なもの』

題名(テーマ)
『大切なもの』

世界は 大切なものであふれてる
きっと誰かの大切なもの
ゴミさえ 心血注いで作られた
たましい…こもった 製品だ

室内も 大切なものでいっぱいだ
愛という名の思い出 ずらり
命より 大切な人はあなたです
寝息さえ いとしくて 泣けてくる

それでも
人生は陰険で冷酷で無情です
なにもかもが終わりへの旅だからです

世界は 大切なものであふれてる
それは終わりを悟

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詩『エイプリルフール』

題名(テーマ)
『エイプリルフール』

あいつのあだ名は 四月バカ
憎めぬうそを言うからさ
秋でも冬でも 四月バカ
まじめな場所でも笑ってる

遺影となって何年だろう?
四月の命日 また来てしまう
スキだと言ってた 菜の花やるよ
今年は愚痴を聞いてくれ

「そっちに行ってもいいかな?」
駄目!と言ったら
それがうそにもなる日…なんだよね。笑

エイプリルフール
本音が言える 素直に言える
真っ裸に

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詩『幸せに』

題名(テーマ)
『幸せに』

恨み辛みもあるけれど
ぼくをいじめた人たちよ
妬(ねた)み嫉(そね)みもあるけれど
ぼくを笑った人たちよ

過去は冷凍保存され
けっして捨てやしないけど
今じゃ、とうさん、かあさんに
いっぱい苦労もしただろう

人生は理不尽さ
それでも幸せの順番は
ぼくに今でもまわってこない
それでも不幸の責任は
きっとその後の生き方なんだ

「幸せに」
それはすべての解放だ
それは

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詩『何気ないふり』

題名(テーマ)『何気ないふり』

とんでもないふりをして、生まれ
とんでもないふりをして、愛され
とんでもないふりしてる、じぶん

何気ないふりをして、生きて
何気ないふりをして、愛し
何気なくひとりきり、じぶん

死んでいるふりをして、隠れ
死んでいるふりをして、ねむり
死ねなくて食べている、じぶん

何気ないふりこそが、せかい
何気ないふりこそが、人生
何気ないふりのうそ、うざい

何気ないふ

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詩『ハッピーエンド』

題名(テーマ)『ハッピーエンド』

ここは沼だ 泥沼だ
行き詰まった 人生だ
ヌメヌメとした かなしみが
まとわりついて
夜の暗闇に 引き込んでゆく

ここは沼だ 底無しだ
あきらめれば 死ねるのだ
ブツブツと沸く さびしさは
まるで大鍋
人のやさしさが 煮殺してゆく

ここは沼だ その底だ
朝陽さえも 届かない
ヘドロの汗に 縛られて
わたしは消える
それもだれかには ハッピーエンド

きっと 

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