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変化することを怖れるな

人は、変わりたいと思っても、なかなか変われない。

変わらなければいけない場面でも、そう簡単には変わることができません。

それでも、訓練することによって、すぐに変化して切り替えることが可能になることもあります。

ですが、長く続けてきたことや、無意識にやっていることなどは、そう簡単には変わらないもの。

変化する時というのは、変わりたい自分と、変わりたくない自分との戦いで、「今のままでいたい」「こここら出たくない」という現状維持を好む心理が激しく邪魔をします。

この時に、人間は「嫌だ」「苦しい」「辛い」と感じてしまい、苦痛を感じるように出来ています。

これは、依存と同じ現象で、苦痛だと錯覚しているだけで、離脱症状と呼ばれるものによって、再び元の状態へ戻ろうとさせる脳の働きです。

習慣として、長く続けたことほどこの離脱症状は強く、より長く続き、本当はそこで耐えて完全に変わった方が楽だとわかっているのに、離脱症状の苦痛に耐えきれずに、元の状態へ引き戻されます。

これは、依存とまではいかなくても、無意識的に行う習慣の全てに言えることで、良いか悪いかは別の話になります。

こうした習慣の力を理解し、上手く活用できるようになれば、悪習慣を悲観することはないですし、新たな自分を時間をかけて作り上げることが出来ます。

変化しようとする時には、心や体、脳や精神は様々な動きをしているようですが、それは単なる知識として、シンプルに人は変わろうとする時には、変わらないようにする作用も同時に発生するということです。

これを理解すると、習慣のシフトはほんの少しだけ楽に考えられるはずです。

例えば、悪習慣の代表例として、タバコ、飲酒、ギャンブル、現代ではスマホがあげられます。

これらを「やめよう、もうやめよう」と思っても、なかなかそうはいかないもの。

本当は完全にやめてしまったほうがストレスは減るのですが、やめる方がストレスだと錯覚して、何度も繰り返してしまいます。

この時の行動は、それをすることでストレスを解消していると感じるのですが、それも錯覚で、離脱症状のタイミングでそれを実行して一時的な苦痛を回避しているだけのようです。

長期的に見れば、離脱症状を超えて、その先で全くそのことを考えないで済む毎日のほうが、圧倒的にストレスフリーになれます。

だからといって、簡単ではないのが続けてきた習慣です。

それでも、難しいからこそ価値ある挑戦となり、悪習慣を減らし、良い習慣を無意識に行えるまで積み重ね、完全に私生活を変化させてしまえば、後は楽に良い習慣はこなせるようになります。

習慣のシフトは、さらに脳の動きを理解すれば、やりやすくなります。

実は習慣というものは、良いか悪いかは別として、感じているものは同じとされています。

習慣として根付いてしまう根本的な原因は、脳内ホルモンの分泌によるもので、それが嬉しい、楽しい、快適と感じる時には、ドーパミンやセロトニン、アドレナリンといったホルモンが分泌され、私たち人間は、ただこの脳内ホルモンという報酬に対して依存しているだけのようです。

甘いものを食べた時や、大好きな揚げ物と白ご飯をお腹いっぱい食べた時。

疲れた後のビールや、仕事に集中したあとのタバコの一服。

これらは全て、実行した時に、脳内ホルモンの分泌によって至福を感じます。

それとは別に、何かを達成したり、成し遂げた時。

問題集を全て解き終わった。

トイレを徹底的にキレイにした。

やると決めた筋トレをやりきった。

こうした、何かを成した後にも、脳内では同じホルモンが分泌され、同じ快楽や幸福を感じます。

つまり、どちらを実行したとしても、得られる感覚としての脳内の報酬は同じ、もしくは似たようなものとされています。

ではなぜ、悪習慣のほうが依存しやすいのかと言えば、それはお金を使って簡単に手に入れられる状態だからです。

手っ取り早く、山を登った後の感覚、5キロ走りきった時と同じ感覚の状態に、すぐになれるからこそそれに依存するようになります。

少し怖くなるようなお話ですが、この作用を理解すれば、健康に悪いもの、人に迷惑のかかること、自分のためにならないことを減らし、やめていき、体に良いこと、みんなが喜ぶこと、自分ね成長へつながることへと、習慣をシフトしていけます。

感じる感覚、得られる報酬としての脳内ホルモンは同じなのですから、お金のかからないこと、人が喜ぶこと、健康になれること、成長することを実行していったほうが、複利的に幸福は増えていくということです。

だからといって、あまりストイックになりすぎると、それはそれで周りに迷惑をかけてしまうこともあるので、習慣のシフトは、ほんの少しずつからです。

何かをどうしても欲する時、依存していることに引き込まれそうな時、思い出してみるのです。

これは、変化を怖れる別の自分であり、感じたいものは、他のことで代用できると強く自分に言い聞かせてみましょう。

それらは全て、単なる離脱症状であり、自分が心から欲しているわけではないことを理解し、自分を俯瞰して眺めてみましょう。

短期ではむずかもしれませんが、少しずつ慣らしていくことによって、それまでに行っていた悪習慣が、だんだんと小さくなっていくのが感じられます。

そのうち、それはどうでも良いことになっていき、完全に忘れ去ってしまうことも可能です。

誰かに言われない限りは、思い出すことすらなくなり、「そう言えば、そんな頃もあったな」と思えるようになれば、新しい自分作りは大成功です。

そこまでのプロセスも、苦しいものとは捉えずに、楽しいチャレンジだと思えば、変化を怖れることはなくなり、変化を楽しむことも出来るようになるはずです。

成長すること、失敗しながらも、何度もチャレンジすること。

それこそが、人生の醍醐味です。

出来たかどうか、成功か否か、結果はがとうなのかは気にする必要はありません。

最も大切なことは、挑戦することであり、変化を怖れずに挑んだ自分を褒め称え、経験という財産を積み重ねましょう。

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