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【見える化】目的から考える【第1歩目】

はじめの一歩

あなたの手元にデータがあるとしましょう。ビッグデータと言う単語が流行った時期に集め始めたデータです。
敢えて言い換えるなら『将来の為にとりあえず集めたデータ』です。

そして今、あなたの上司がデータを活用したいと考えました。あなたに与えられたミッションはデータの見える化です。


さて、あなたは何から始めますか?


▼ データの中身を確認しますか?
誤ったデータからは誤った結果しか得られません。データに間違いや異常値がないか。用途不明の列が存在しないか。確認は入念に行いましょう。

▼ データウェアハウスを構築しますか?
取得したデータはフォーマットや拡張子がバラバラです。データを扱いやすい形に整形することは、作業の質を大幅に向上させます。

▼ データの概要を描画しますか?
とりあえず可視化してみることは重要な工程です。不足しがちなドメイン知識をデータからも補う技術は分析者の必須スキルです。


これらのアプローチはどれも間違いではありません。
全て大切な作業であり、いつかは 必ず行う必要があります。

では、最初に やるべき作業とは何か。
それは『見える化を依頼してきた上司にヒアリングを行う』ことです。より具体的には『見える化する目的を正しく理解する』ことです。


見える化の落とし穴

見える化で最も多い過ちとは何か。
それは、見える化することが目的になってしまうことです。


私はよく「見える化の目的は何ですか?」と尋ねます。多くの方は「現状を理解するため」と答えます。

しかし「あなたの仕事の目的は何ですか?」と尋ねると、多くの場合「現場の作業効率を上げる」「売上を伸ばす」と答えが返ってきます。
これらの共通点は改善が必要なこと。そして仕事の目的は『改善活動を促進すること』と言い換えることができます。

この『見える化の目的』と『仕事の目的』の乖離こそが「とりあえず見える化して見たけど、仕事の改善に役立てることができなかった」という失敗の元凶になります。


では、どうすれば良いのか。
その答えが、見える化する目的を正しく理解することであり、見える化と仕事の目的を合わせることです。


目的ありきで考える

ここまで見える化の進め方について話してきましたが、実際に手を動かしていると忘れてしまうこともあります。

その為、見える化を行うときは以下の点にのみ注意を向けてみてください。


『データありき』ではなく、『目的ありき』で考える。


見える化をする時は、今手元にあるデータを中心に考えがちです。
しかし、本当の目的を達成する為には、手元にあるデータだけでは不十分なことも多いです。

その為、常に目的ありきで作業を進めることを心掛けてみて下さい。


現状がなんとなく分かるだけのグラフでは、いずれは誰も見なくなります。
ですが、そのグラフを見る目的がはっきりとしていれば、あなたが作成したグラフは日々の業務に使われ続けることでしょう。

上:データありき  下:目的ありき



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