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「戦闘機輸出」という言葉の一人歩き

戦闘機輸出問題が取り沙汰されている中、地元公明党の支部会で丁寧に質疑応答が催され、やはり公明党は平和の党で、かなりフルブレーキをかけたという事が分かったのでここで皆様にシェアしておきたい。

先般、「戦闘機輸出」に関する閣議決定がなされた。皆さんはおそらく

「戦闘機が海外へ輸出できる様になった」

と理解されている事と思う。しかしこれは正確な理解ではない。ここを丁寧に言語化して皆さんに情報提供したいと思う。

英、伊が求めてるのはコスト低減の「仕組み作り」

先ず勘違いしているのは、開発パートナー国の英、伊が求めてきてる事とは、完成品を輸出する事と思われている事と思うが、正確には、輸出できる「仕組み作り」を求めてきているのである。

日本は武器を輸出できる仕組みを持たない。そこで英伊は、この戦闘機の開発コスト低減の為、この戦闘機に関してのみ輸出できる仕組みを作ることを求めてきているのである。ここが第一の勘違いである。英伊は

「直ちに戦闘機を輸出する約束をしろ」
と言ってるのでは無く、

「とりあえず輸出できる仕組みを作って姿勢を示してくれ」

と言ってるのだ。

これを受けて公明党が最大限に譲歩して与党で作ったルールがこうだ。

・輸出できる防衛装備品は次期戦闘機に限る(つまりその他の武器を輸出する事は原則認めない)

・現状では国連憲章や厳格な武器使用の国際ルールを守れる15カ国に限り輸出を許可する。

・現在戦闘状態の国民には絶対に輸出しない。

である。ここから読み取れるのは

「開発コスト低減の為、この戦闘機だけは輸出を許可するけど、ルールが守れない国には売らないよ!」

って言ってるのと同じである。俗っぽく言うと

「しゃーなし売るけど、約束守らん国には売らん!」

と言う事だろう。

さてこれが、一部の批判にある様な、

「日本は死の商人になろうとしている」

と言えるだろうか?少なくとも積極的に武器を売ろうとする態度ではない事は明らかだ。「潮」の5月号で佐藤優氏が今回の件について述べてる記事があるが、そこにも

「日本は死の商人にはならないとの態度を明確にした」

と評してくださっているとの事だった。

完成もしてない「戦闘機」は輸出しようがない


そもそもまだ完成していない。完成は10年後と言われており、その時の世界情勢がどうなってるのか誰も予測出来ない。当然開発コストもどれだけ必要なのか現時点では不透明だ。だからこそ今回、英伊は開発コストが膨れ上がる事を予想して、コストが賄えなくなった場合のコスト低減の仕組みを作っておきたかった。特に日本の担当する開発部門にコストがかさむと睨んでの事だろう。各国も当然予算が無限にある訳ではない。ましてや日本は防衛費にかなり制限がある。そういう背景があり、先ずは輸出の仕組み作りを日本に求めてきたのだろう。この件を受け、首相から山口代表へ

「国策の大きな転換なので、議論に参加して欲しい」

との依頼があり、公明党が協議に参加し、「戦闘機輸出」の事が明るみに出たのが正確な流れとの事だ。そうして出来たのが前項で記述した3つのルールなのだが、より慎重にコトを運ぶ為に輸出を正式に決定する時にも閣議決定を必要とする仕組みを付け加えた。報道や批判する方々は既に輸出できる事が決まってるみたいな論調だが、そんな事はない。この二重の閣議決定の意味を平たく言うと

「まだ正式には輸出を認めてないよ。買いたい国の治安が安定してて、約束守る条件で、開発コストが高すぎたらしゃーなし輸出するかもだけど、完成した時にもう一回議論しましょうや」

と言う事だ。これは厳格なブレーキを付けたと言ってよいと僕は思う。何せ結局はまだ輸出できると決まった訳ではないのだから。

他国へ輸出した戦闘機は本当に紛争へ使われる心配は無いのか

ここに関しても答えていただいたので回答を説明すると、国連憲章は国際的なルールである。輸出入した武器に関係する所を平たく言うと

「武器に対する厳格な管理体制を取りなさい」
「輸出入した武器を侵略目的で使ってはいけません」

とある。しかしこれは法的拘束力が無い。その代わりに「国際的信用」と言う鍵をそれぞれの心に掛けている状態だ。この状態で、それに反して輸出入した武器を紛争に使用するとどうだろう?
「国際的信用」は地に落ちて、安全保障パートナーとしても手を切られ、孤立してしまう可能性を自ら作るという事になる。なのでその約束を確実に守れると認定できる国にのみに輸出する事で、次期戦闘機が他国の国民の生命を奪う様な可能性を限りなく低くする事ができる。つまりは、厳格に審査した国にのみ輸出を許可する事で、紛争へ使用される危険性はほぼありませんと説明されていた。

これでもなお

「紛争に使用するかも」

との論を主張するなら、国家間の信用を無視した、外交上大変問題のある発言だという事を認識しなければならない。これについても厳格ルールを科している事がわかる。

しかし、極論を言うと
「結局武器輸出を認めた事実は変わらない」
と言う人もおられると思う。なのであえて反論をさせていただくと

「まだ認めた訳ではない。それを決めるのは完成した10年先の話である」

と言う事だ。

この件は「輸出を認めるしかない」と言う状況まで外堀を埋めておいて、協議のテーブルに置いた官僚や行政側が悪いのであって、公明党が与党にいなければ、勝手に輸出できる事態に発展していた可能性が高い。危ない状況だった。またこう言う話もしてくれた。この戦闘機の党内協議の中で

「完成した10年後、公明党が野党になっていたらどうするんですか!」

と厳しく言い放った議員がいたそうだ。その場が凍りついたのは言うまでもない。しかしその後、絶対にそんな事態にさせてはならないと議員全員が一致団結したそうだ。僕も一支援者として、これは他人事ではないと同じ気持ちになった。

今回の件についても、党が話す事や、調べた事、質問した事を総合すると、やはり報道はかなりいい加減で、正確さに欠けていて、恣意性をもってイメージをつける悪意を持ったものが多いのだなという事がよく分かった。今回の支部会で丁寧に説明の場を設けてくれた議員さん方々に感謝する。ただ、支部会でこう言う指摘もあった。

「私達はこうして説明を受けて納得できてても、周りの人は大半が「公明党は平和の党の看板を下ろした」みたいに思っている。是非ネットや様々なメディアを通じて正しい情報を強く発信して欲しい。発信力を強化して欲しい。」と。

これは本当にその通りだと思う。僕は主体的に支援しようと思うので、この「発信」と言う部分でお手伝いさせていただこうと思いnoteにまとめてみた。

最後に言っておきたいのは、完成してもないものは輸出しようがない。しかしながら、「戦闘機輸出」と言う言葉だけが一人歩きをしてる。否、意図的に一人歩きさせてるとさえ思える。何故ならこの「戦闘機輸出」を認めさせる空気感を利用して、その他の武器も輸出できる様にしたい人達が大勢いるからだ。そこが問題の本質であり、公明党はこれからもその輩達と「とられじ、うばわん」と戦わねばならない。報道には恣意性があり、ある方向へ誘導する性質がある。それを見抜き扇動されない様に努めていきたい。今後もこの戦闘機を含め、他の武器まで輸出する様な事にならない様に監視を強めて行きたい。

最後まで読んでいただきありがとうございました!



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