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北陸建物巡り 福井編

福井県の武生へ用事で行くことに。用事は夜からなので、それまでは武生の建物巡りをすることに。

なんといってもここには岡太神社・大瀧神社がある。複雑な屋根の形状で有名な神社だ。

千鳥破風と唐破風の重ねが、大きい前段と小さい後段のふたつあり、それが下りおちる瀧のような重厚な表現を生んでいる。複雑な形状の屋根は檜皮で葺いているとのこと。

岡太神社・大瀧神社

藤森照信/藤塚光政の「日本木造遺産」世界文化社 でこの大瀧神社が紹介されており、建築巡りリストに登録してあった(木造建築を分かりやすく紹介しており、尚且つ腰原幹雄氏による構造学に基づいた解説まであり、とてもお勧め)。


横から見るとその屋根の異形ぶりが良くわかる

江戸後期の建築となるので、日光東照宮と同じく木彫は派手な感じ。観光客どころかだれもいない閑静な境内で、しばしうっとりと見惚れる。

その後は岡太神社・大瀧神社から車で10分ほどのタケフナイフビレッジへ。

越前打刃物という伝統的工業品にインダストリアルデザインを取り入れ、タケフナイフビレッジという統一ブランドを作り上げたもの。デザインはインダストリアルデザイナーとして著名な川崎和男氏。1社によるブランドではなく、協同組合であることにも驚いた。

ここには毛綱毅曠設計の旧館と長田直之設計の新館とがある。

到着してみて毛綱毅曠設計の方はひと目で分かった。まさに彼の建築としか言いようがない。

毛綱毅曠設計の旧館。奥の工房と繋がっている
奥の工房では実際のナイフ製作現場が見られる

どちらも建物内部に入れ、その構造も確認でき、しっかりと楽しめた。

新館ではタケフナイフビレッジブランドの包丁やナイフが販売されている。

タ新館の奥には川崎和男氏の展示作品も。「切る」という行為をそのまま空間に表現したもの。包丁が沢山ぶらさがっている。

川崎和男氏の作品

夜は友人たちと地元の有名な料亭「うおとめ」で料理を楽しむ。

本日のお作り。盛り方はフレンチ
トリフや数の子、シャドークイーンを合わせたもの

懐石料理のしっかりしたベースがありつつ、その枠にとらわれない素晴らしい料理だった。

友人たちとの楽しい宴を経て、翌日の福井・石川編へと続く。

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