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王の帰還

 昨日は、ルピシアの冬の福袋「竹」を注文しました。
 うちは週末に家族でお茶の時間を持つので、フレーバードティーの茶葉はそれなりに消費します。ルピシアの冬と夏の福袋はコスパが良いのでいつも購入しています。予約を忘れていると、早い時期に売り切れてしまうんですよね。

 また、指輪物語を読み終えました。
 中学生の時に初めて読んだ際に、この、3部作の最終巻である「王の帰還」は、指輪が意外な結末を迎えて葬り去られたことは、確かに印象に残りましたが、それ以上に心に響いたのは、故郷に戻った主人公が、その活躍を知られることなく、指輪を葬るための過酷な旅で受けた心の深い傷を、周囲に知られずに過ごし、その傷ゆえに、時期をみて、故郷を去らなければならなかったことです。
 主人公は指輪所持者になったが故に、世界の表舞台の中心に立たされることになり、その栄誉と引き換えに、誰もが引き受けたがらない役目を果たすために、生きて戻ることも期待できない過酷な旅を続けることになりました。
 主人公が役目を果たしたことで、世界は救われたわけであり、表舞台では賞賛をほしいままにしましたが、表舞台は彼の生きる場所ではなく、故郷に帰っても、そうした経緯を知る者はほとんどいません。
 何か、非常にやるせない気持ちになったと同時に、世の中、こうしたことは、よくあることなのかもしれないなと、当時思ったことを覚えています。
 同時に、この作品が書かれたのは第二次大戦の前後でしたので、作者のトールキンは、国を守るために戦場に行った人たちも、戦地から故郷に戻り、同じような思いをしている、戦地での経験は人に話すにはあまりに過酷な記憶であり、心の傷について、家族や友人に話すこともできないし、話しても理解を得られないので、戦場以上に孤独を感じている人も少なくない。
 そんなことに重ね合わせながら、最後のくだりを書いたのではないか、僕自身がそう感じたのか、どこかにそんな書評があり、思いが引き出されたのか、今となっては判然としませんが、こうした思いを抱いたことも、本の筋を追うと同時に思い返しました。
 

 

 

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