アガサ・クリスティーとエラリー・クイーンは一部ノンミステリやジェビナイルを除いて、ほとんどの作品を複数回読んでいるはずだが、それと比較すると三大巨匠と言われている中で、ジョン・ディクスン・カーはまだ未読の作品がいくつかある。それを評して京大ミステリ研時代から、「カーとクロフツは老後の楽しみのためにとってある」と言い張っていたが、ひとつには当時はまだ未訳や絶版の作品も多かったこともある。とはいえ、いろんな意味で現代ミステリの源流にあり、現在でも重要な存在であるクリスティー、クイーンと比較するとカーは一部好事家のみが評価する過去の遺物のイメージが拭いきれてないかもしれない。
そこでカーについても再び考えて直してみようと調度考えていた時に取り壊す実家調べたら、京大ミステリ研時代に例会の読書会のレジメとして用意した文章が発掘された。
それは「皇帝のかぎ煙草入れ」(THE EMPEROR’S SNUF)を取り上げたもので、かなり詳細な作品分析を行っている。いずれこのサイトにも改訂版を掲載したいところだが、写真で一部を転載したいとも考えたものの、ネタバレ御免で書いているためここには原文を掲載することは今回は見送ることにした。
その後にアラン・バンコランものの最後の作品であるジョン・ディクスン・カー「四つの凶器」を書店で見つけた。できたら未読のカー作品をまとめて読むことができたらと考え、まずこの作品を読むことにした。
四つの凶器 (創元推理文庫)
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