こころのきずあと

私は幼少期から人とコミュニケーションをとるのが大変苦手だ。

思い起こせば、幼稚園の時から親の影に隠れて人とまともに話すことができなかった。

なぜそうなったかは全く分からない。
四つ上の兄は友人も多く、コミュニケーションに困ったところを見たことがない。両親だって田舎の集落に溶け込んでおり、近所の人といまだに交流がある。

気質といってしまえばそうかもしれないが、幼い頃から私はそれに苦しめられていた。まず学校ですぐに友人ができない。これは大学時代まで引っ張った。というよりも、今40半ばを過ぎて尚その影響は色濃い。

子供の習い事の際、周辺のお母さんたちが仲良く固まって話している光景をいつも眺めている。「みんな何を話しているんだろう?そんなに長時間何を話すことがあるんだろう?」

海外旅行に行った時もそう思った。海外のショップ店員は皆固まり延々と話をしており、接客そっちのけである。接客してくれよという気持ちよりも「何を話しているんだろう?」という気持ちの方が大きかった記憶がある。

端的に言ってしまえば極度の人見知りなのだが、もちろん親友に対しては長時間のおしゃべりだってできるし、人に長時間付き合うことだって楽しめる。初対面・大人数の場にとても弱いのだ。

よく成功した人が「自分は人見知りが激しいから・・・」なんて言いつつも自分なりに克服し、良い仲間に囲まれた生活を送っている映像を見ると「その克服までの、毎日の些細な過程が見たいんだよ!」と切実に思っている。

周囲に溶け込めずそれが苦しくて、何日も一人悩むこともある。
最近、自分とは対照的な超ポジティブな方と話す機会があった。まず悔やまないしそんなに深く考えずにすぐ行動に移す。そういう人はたくさんいるのだろうが、これまでコミュニケーション量が極端に少ない私にとっては衝撃的な話だった。

人生の中で人と接する機会の量が少ないことは損なのだろうか?
自分はどうしたらいいんだろう?
愛する子供に恵まれ、その子供たちが私に対し「大好き」と言ってくれるだけでも超幸せなんだが。
いろいろ考えてしまう私は幼い頃からの傷痕をさすりながら、毎日自分のことを考えている。

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