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本日のワンシーン!「柳色の桜を探して」3

こんばんわ!そして!お久しぶりです(・∀・)
シマでございます……なんとか生きておりました!🤣
いやぁ、転職先のお仕事に慣れてきたと思ったら、大きなコンテストに出す作品制作に追われ……なかなか投稿できずに申し訳ありませんm(__)m

しかし!無事に作品も出し終わり、身体も労われたので、やっと投稿の準備ができたというわけなのですφ(゚-゚=)
(仕事はまだ忙しいため、投稿頻度は不定期のままですが……)
やっと、「柳色の桜をさがして(略称「柳色の桜」)」に集中
……と言いたいところですが、新しい作品が完成すると、新しい構成が3案ほど出てきてしまうんですよね……こればかりは、そういう執筆脳なので……( ̄∀ ̄)
まぁ、そちらも執筆しつつ、「柳色の桜」も完成させていきますよ!

さて、小話ですが……久々に高校の頃のお話をしましょうか。
ちょうど3月ということで、卒業式の話題です。
皆さんが持っている卒業式のイメージはどんなものが多いのでしょうか?
学校の同級生とこれからのことを語り合い、卒業証書を渡され、後輩から惜しみの涙を流される。
いやぁ、青春ですね(≧∇≦)
私が持っている卒業式のイメージも皆さんと同じだと思います。
しかし、私の所属していた高校の卒業式は……


5時間ありました。

なんどかご紹介しました「私立自由の森学園」(分からない方はこちらから!
この学校では音楽の授業にも力を入れておりまして、合唱曲を3年間で何曲も習うのですが、卒業式ではほとんどの曲を歌います。
在校生よりも歌います。
しかも一曲、一曲、全力です。
いやぁ、ものすごく叫びますよ(」^o^)」
(私は歌うのも好きでしたし、そういう式も悪くないと思いましたが、周りはどうだったのでしょうか)
まぁ、3年間習った曲をほぼすべて歌うわけですから、それはものすごく時間は掛かりますよね(゜▽゜)

でも……それだけではないのです……
一番、時間がかかるのは合唱ではなく……卒業証書授与

皆さんが高校生だった頃の卒業証書授与を思い出してみてください。
通常、一番最初の人が名前を呼ばれ、受け取りに行きます。
そこから最後の人までは流れるように受け取り、また最後の人だけ名前を呼ばれ、締めくくると思います。

しかし、自森の卒業式は……全員の名前を呼びます
そして、中央にあるモデルがファッションショーで歩くような長いランウェイを歩き、校長のもとに卒業証書を受け取りに行くわけです。

私がいた学年のクラスは6クラス。1クラス約30人でしたので
180人の名前を呼んで、長い道を歩いたわけです。
……校長先生も大変だ(゚ロ゚)

名前を呼ぶだけで、そんな大変なのか?時間がかかるのか?
そう考える人もいるでしょう。(いるのかな?)
しかし、ただ生徒は呼ばれて歩くわけではありません。
一人ひとりにアピールタイムがあるのです。
ある生徒は3年間のお礼の言葉を言い。
ある生徒は生徒の全体写真を撮り。
ある生徒は寸劇を始め……🤨
ある生徒は女装をアピールする……σ(∵`)?
(卒業式は服装が自由でしたので様々な格好をした人がおりました)
そりゃあ時間がかかるわけです。

そうして、生徒全員が証書を受け取り、席に戻ったら……全校生徒でまた歌うのです。
そして、生徒が退場し、終わりかと思いきや……また卒業生が入場。
ここで、各々生徒同士で挨拶する時間となるのです。

こうやって卒業式の時間が5時間と長い時間になるわけですが……
意外と楽しかったんですよね😁
長い時間だからこそ、生徒の思いを思いっきりみんなに伝えられますし、生徒全員が良い卒業式にしようと思っているので、飽きることはないわけです。
普通の卒業式ではなかったですが、一生の思い出にはなりました。
ちなみに著者は一眼レフを持ち込み、写真を撮りましたΣp📷ω・´)

これらのほかに、OBが熱々のおでんを構えて男子生徒を待っていたり、映像が流れたりと多くのイベントがあるのですが、それはまたの機会に……😅

さて、長々と書いてしまいましたが、本日のワンシーン!
「柳色の桜」の続きです!本日はシーン3、お楽しみください!😄
それではシマでした!

PS:卒業した皆様、おめでとうございました!あなたにとってよい道が続くことを祈っております。


本日ワンシーン

「柳色の桜を探して」3
歩美「そうか……もう咲く頃か」
   コール音が増えていき大きくなる。
   暗転

パチンコ屋・店内(夕方)
騒がしくジャラジャラとなるパチンコ屋の店内。
その一席に座り、パチンコをしている歩美。
後ろのアナウンスでは新春の台のCMが流れている。

公園(夜)
大きな桜が街頭に照らされている。
紙袋に大量のお菓子の景品を持ってやってくる歩美。
辺りを見渡すが誰もいない。
近くにあるベンチ座り、ジッと桜を見る歩美。
茂みからシャッター音が聞こえる。
歩美が振り向くとリュックを背負い、カメラを構えた道子が立っている。
歩美「……何しているの?」
道子「いやぁ、絵になるなぁと思ってね。やっぱり対照的なもの同士が移るといいよね」
歩美「対照的?」
道子「綺麗なものとーー」
歩美「帰る」
道子「待ってよ!冗談だって!」
歩美「……相変わらずだねあんたは」
道子「そりゃ、1年間でなにか変わるとはならないでしょ?」
歩美「だとしてもだよ」
道子「私は私!神田道子は何物にも捉われず自由に生きるんです!」
歩美「……のんきだねぇ」
  とため息をつきながらお菓子を出し始める歩美。
道子「今年も大量だね!」
歩美「まぁね。欲がないから当たるんじゃない?」
道子「そうなの?」
歩美「そういわない?コツは無心に手を回すこと」
   と手でパチンコを回す動作をする歩美。
道子「じゃあ、私も!」
   とリュックから一升瓶を取り出す道子。
歩美「いいねぇ!」
道子「これがないと始まらないもんね!」
歩美「わたしたちも子供じゃないからね」
道子「でも、大人っていうほど成長してないでしょ?」
   とリュックから取り出した紙コップに酒を注ぐ道子。
歩美「まぁね。それはお互い様だよ」
道子「とりあえずーー」
歩美「酒だね!」
道子「……うん」
   歩美にコップを差し出す道子
歩美「それじゃあ!乾杯!」
   と一気に飲みほす歩美。
道子「……乾杯」
   と対照的にちびちび飲む道子。
歩美「どうしたの?急にテンション低くして」
道子「歩美が高くなっただけだよ」
歩美「そりゃあ、お酒があればね!」
   と酒の催促をする歩美。
道子「はいはい。全く、子供の頃からじゃ考えられないよ。歩美がこんな酒飲みになるなんてさ」
歩美「そういうあんたは、想像通りだね。今年はどこの桜を見に行ってきたの?」
道子「今年はヨーロッパを主に回ったかな。でも外れ。スペインのヘルテ峡谷は綺麗だったけど、他のはねぇ……向こうじゃ、さくらんぼの木も桜って呼ぶからさ、なかなか思ったものがないわけよ」
歩美「あんたもよくやるよ。青い桜にはまってから色んな桜を探してさ。今じゃ、桜の写真集で食っていけるようになってるんだから、大したものだよね」
道子「たまたまテレビで取材されて、話題になっただけだよ」
歩美「結果、成功しているんだからいいじゃない。いいなぁ、好きなことをやって生活できてさ。私なんて、なんとなくで仕事をして、なんとなくで生きてるだけだもん。羨ましいよ」
道子「なんとなくねぇ。それが普通だと思うけどな。私は、誰かに認められたくて、桜を見てたわけでもないんだけど」
歩美「カー!嫌味だとしても清々しすぎて、嫉妬できないわ」
   と酒を煽る歩美。
道子「そんなつもりはないって」
歩美「で、どうなの?青い桜は見つかりました?それが目的で桜を撮り続けてるわけだし、納得できる桜と出会いましたか?」
道子「……まだなんだよね。やっぱりないのかなぁ」
歩美「ないない。この木が一番近いって言っている時点で、そんな夢見たいなものはないんだよ」
道子「そうなのかもしれないね」
歩美「……諦めたら?」
道子「……」
歩美「もうあんたは十分探したよ。他の国まで見て探してさ、もう見たことないところなんてないんじゃない?ここいらで潮時、ひと段落、お疲れさまでした!って区切れをつけてもいいんじゃない」
道子「……考えとく」
歩美「ぜひ、前向きに検討してください!」
道子「歩美、あんたは言ってることは変わらないけどさ、やっぱり大人――」
歩美「あっ、ウグイス!」
   と立ち上がり、桜を見る歩美。
   それに釣られて道子も見る。
道子「春が来たって感じがするね」
   ウグイスが鳴く。
   その様子をじーっと見る歩美。
道子「歩美?」
歩美「もし私が、猟師なら、この距離から一発だね!」
   しばらくの静寂。
   ウグイスが飛び立つ。
歩美「逃げてももう遅いね!もう私の中では焼き鳥だよ!」
道子「……多分、ウグイスも飽きれたんだろうね」
   と荷物をまとめる道子。
歩美「もう帰るの?」
道子「ちょっと飲みすぎたからね。酔うと私は無口になるし」
歩美「私と正反対だもんね!」
道子「そうだね。……これがほんとに反対ならよかったのにね」
歩美「確かに!言えてる!」
道子「それじゃ、またね」
   と立ち去ろうとする道子。
歩美「今度はどこに行くの?」
道子「海外はひとまず休み。コロナだし、どこにも行けないからね。ひとまず、日本にはいるよ」
歩美「じゃあ、今年は春まで待たなくてもいいわけだ」
道子「……確かにね。また連絡するよ」
   と立ち去る道子。
歩美「もう、大人か。なりたくなかったよ」
   風が強くなり、咲き始めている桜の木が揺れる。
歩美「おい、桜!風なんかに負けるなよ!世知辛い春風に勝って、最高に綺麗な花びらを私に見せてみろ!」
   と歩美の言葉に反応する様に、街灯が風で静かに揺れる。
   暗転

前回の話はこちらから(「柳色の桜を探して」2-2)

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