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【蒸留日記 vol.96】北海道育ちのキタゴヨウマツ折れ枝を蒸留する!

こんちゃこんちゃ。蒸留家のエフゲニーマエダです。
クラフトジンやウイスキーを醸造するほうの蒸留家ではなく、植物から香料を採るほうの蒸留家ですどうも。
おまけに植物から青い油も取ってます。来年は赤い油の採取を目指したいっすね。絵の具のように青と赤を混ぜて紫色の植物油をつくりたいんですわ。

さてさて!
今回はそんな誇り自慢するほどの内容でもないんですが、せめてエコな考え・ポリシーを持って精油生産活動をしているよ!ということを意識して96番目のタイトル書いていきたいと思いまっす。
(さっさとvol.100に到達したくて焦りがみえはじめている…)


そういえば。

先々日のドイツトウヒ(P. abies)蒸留を行った日のこと。。。
広大な雪原を雪中行軍したとき、ドイツトウヒとは別のマツの下に雪の重みでボッキリいったらしき折れ枝を発見していました。
他の針葉樹であるモミ属トウヒ属に限っては積雪環境に適応した植物種なので雪による折れ枝というのがなかなか発生しないのです。

詳しくは何マツなのか特定していませんでしたが、たいていの針葉樹は精油が出るのでとりあえずの脳内精油資源回収リストに書き留めていました。

で本日。。。

■材料準備!

正面のどデカイ松(Pinus sp.)の下に折れ枝があった。

多少陽は暮れ気味だがまだ『明るい』判定なので折れ枝回収に向かった!

こういった折れ枝から精油資源を回収する。
放っておくと葉っぱと木部は土に、精油成分は大気中へ放散される。

はい!本日の蒸留材料です!

見たところキタゴヨウ(Pinus parviflora var. pentaphylla)のようです。
あくまでぱっと見の目見当!

幹の色を見てみると、アカマツ(Pinus densiflora)ほど赤色には染まっていないのですが、明らかにマツの何かしらであることはわかります。
枝に着く葉っぱも総じてやや小柄です。

折れ枝の近くに落ちてた松ぼっくりとその葉っぱ。

植物を判別するには葉っぱだけだと似たものが多くてわかりずらい!
ということでお次は「植物の花」を見比べて確実な差を掴みましょう。
ということでいわゆるマツの花・果実である松ぼっくりを見てみます。

すごいどこかで見たことある松ぼっくりしてますね。
そうです、札幌の公園で拾ってきたキタゴヨウの松ぼっくりとソックリですね!

断定はできませんが、カサの一枚一枚の形状や葉っぱのつき方などの特徴が他種の何より似通っているということでキタゴヨウ(Pinus parviflora var. pentaphylla)であると踏んで精油を採っていきたいと思います!

処理方法はベースメソッドと化した粉砕処理を行う。

山から下ろしてきたキタゴヨウの折れ枝

雪には折れた大枝の一部が見えてたのかな〜と思ったのですが、意外と小ぶりな枝した。
なので素材量としてはあまり期待できるほどの多さではないのかなーと。

キタゴヨウはさほどわんさか生えている針葉樹ではないので、雪が溶けた春先にまた枝葉集めに出向こうと思います。今回はあくまでタイトル番号稼ぎのエコ((笑

バケツ・容器重量を抜いて純粋なBotanical weight 2,071gを出している。

さて、粉砕処理を完了したキタゴヨウ枝葉の素材重量計測です。
今回のキタゴヨウ枝葉蒸留は素材重量2071グラムで実施します。

蒸留時間は1時間30分とした。

釜に素材をぶっ込んだ図。
樹種判別用に拾ってきた松ぼっくりを添えて。
ちなみにキタゴヨウの松ぼっくりからはぜんぜん精油は取れない。
むしろヤニまみれのストローブマツ(Pinus strobus)の方がおかしいくらい精油が採れる。

ではでは、トウヒ属やトドマツとはまた違ったアロマの精油が採れることに胸をはせてレッツディスティレーショ〜〜〜ン!

■いざ蒸留!

精油の滴下開始から約15分ほど経った頃のセパレータのようす。
今回の蒸留素材も枝の木部(精油が多い)の配合比率がやや大きめとなりましたが、開始直後からそこまでドバドバとわんさか抽出されるワケではないようです。

そしてフローラルウォータがすっごい透明。。。
(これはこれで珍しい光景)

■蒸留結果は…!?

蒸留完了後のセパレータのようす。
どうやら蒸留開始直後のオイル抽出量からあまり大差がないように思われ、やはり粉砕処理は抽出速度を早めていることがうかがえる。

今回抽出できた精油は前回からストックしてるボトルに合計したので、抽出量の計測はピペットの目盛りでの計測としました。
(なので写真はなく悪しからず…)

ピペット計測の結果、抽出量は5.5mLとなっていました!

1.収油率

抽出量[ 5.5ml ]÷ 素材重量[ 2,071g ]x 100 = 0.265%

24年1月キタゴヨウの折れ枝蒸留の収油率

2年前にも雪で折れたキタゴヨウの大枝から各部位それぞれ小枝、松ぼっくり、葉っぱと分けて蒸留を実施していました。
が、重量計測と収油率計算を取り入れてなかったため、キタゴヨウにて収油率を算出したのは今回が初めてとなります!わーい!

2.香りとか

まず芳香蒸留水/フローラルウォータの香りから。
蒸留抽出中は他素材の蒸留のように白濁した蒸留水ではなく、はじめからかなり透き通ったクリアな芳香蒸留水が抽出されていました。
香りはマツ属(Genus Pinus)に共通した、甘っぽい香りがしています。
前述しちゃいますが、精油より甘い香りがしているのが特徴です。
加えてキタゴヨウの香り特徴とも言えるだろう、ハーバルでうっすらとスーッとした涼しさを感じるような香りがしています。

続いて精油の香り。
これはおそらく蒸留臭が着いていて、冷蔵熟成を待ちたいと思います。

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【キタゴヨウマツの蒸留記事】

【水蒸気蒸留マガジン】


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