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ウェルビーイングは、ビジネスを成長させるのか?【解説】ザ・ウェルビーイングレポートVol.2

こんにちは。今回は「ウェルビーイング」をテーマにしたレポートについて編集に携わった伊藤幹(現在博報堂)が解説します。

昨今、「ウェルビーイング」という考え方が注目を集め始めています。
WHOの規定では「身体的、精神的、社会的に良好な状態」のことで、しばしば「健康」「幸福」とも訳されます。

2022年1月にリリースした「ザ・ウェルビーイングレポートVol.1」では、ウェルビーイングに関する大規模調査を通して、日本人の幸福感を新たな視点で捉えることにチャレンジしました。

α世代から100歳まで約10,000人を対象とした調査とその分析を通して、企業のマーケティング活動に、人々の幸福感を高める可能性が大いに秘められていることが見えてきました。

その他の「ザ・ウェルビーイングレポートVol.1」詳細はこちら: https://signing.co.jp/pdf/wellbeing-report1.pdf

一方で、「ウェルビーイングとビジネスは、両立できるのだろうか?」「利益を追求するビジネスに、幸福を追求するウェルビーイングを組み込むことが出来るのか?」というビジネスパーソンからの疑問や不安を感想としていただくこともありました。

そこで、その本質的な問いから目を背けず、ビジネスの“成長”と顧客・従業員の“幸せ”の両立をテーマに、新たに調査・分析を行ったのが2022年11月にリリースした「ザ・ウェルビーイングレポートVol.2」です。

この記事では、「ザ・ウェルビーイングレポートVol.2」の編集員でもある私が、レポートの内容を解説していきたいと思います。

●ビジネスにおける「ウェルビーイング」の浸透実態

今回の調査では、企業の経営者と、マーケティングや企画・商品開発などの企画職に従事する担当者を対象者としてインターネット調査を行いました。

まず、「ウェルビーイング」という言葉の認知率を調査したところ、経営者で48.7%、担当者では40.5%という結果でした。「SDGs」の認知率が約9割であることを考えると、ウェルビーイングの概念はまだまだ浸透中という状況のようです。
さらに、ウェルビーイングの概念をビジネスに取り入れているのは、その認知者のわずか3割にとどまりました。

「直接的な利益に結びつかない」「これと言った成果をあまり聞かない」など、ウェルビーイングをビジネスに導入することへのメリットが不明なことが、主な未導入理由のようです。

現状のウェルビーイングのビジネスへの導入としては、「働く環境の整備」や「新人事制度の導入」など、人材マネジメント活用、いわゆる「ウェルビーイング経営」文脈での活用が多いようです。

しかし興味深いことに、ウェルビーイングを人材マネジメントに活用するだけでなく、マーケティング領域でも活用することで、その担当者の仕事の満足度が大きく向上することが調査で明らかになりました。

●「ウェルビーイング」のマーケティング活用による効果


経営者・担当者ともに仕事の満足度が高まるウェルビーイングのマーケティング活用。
その要因や影響をさらに分析してみました。

ウェルビーイングを人材マネジメントに活用すると「ワークライフバランス」「社員の心身の健康状態」などへのメリットが感じられる一方で、マーケティングに活用すると、「会社の社会貢献度向上」「売上や業績アップ」「新しい商品・サービスの開発」など、企業の成長・やりがい・創造性など多方面でのメリットが感じられることがわかりました。

実際、ウェルビーイングをマーケティングに活用した担当者からは、
「社員一同モチベーションが比較にならないほど上昇した」
「闊達な意見交換が各部署で展開されるようになった」
「創造的な業務の効率が上がり新しい開発が加速している」
などの実感の声があげられました。

ウェルビーイングのマーケティング活用は、仕事がうまくいっている状態であることに最も必要とされる「仕事へのやりがい」を刺激しているからこそ、ポジティブな連鎖を生んでいるのかもしれません。

●はたらく人のやりがいを刺激し、社内外へと幸せをつなげる「ウェルビーイング・バリューチェーン」

私たちは、ウェルビーイングのマーケティング活用をきっかけに、ポジティブな変化が連鎖的につながっていくことを「ウェルビーイング・バリューチェーン」と名付けました。

ウェルビーイングをマーケティングに活用することで、社員の仕事のやりがいが向上し、お互いを高めあい、応援しあえる人間関係が構築される。
創造性が刺激され、新たなアイデアや挑戦が生まれることで、顧客の幸せ、そして社会の幸せへと還元されていく。
「ウェルビーイング・バリューチェーン」は、生産・物流・販売などの社内の機能に閉じるのではなく、社員の幸せや社会の幸せまで捉えたより大きなバリューチェーンになりうると私たちは考えています。

「ザ・ウェルビーイングレポートVol.2」では、このウェルビーイング・バリューチェーンを生み出すための第一歩として、普段向き合っている「顧客」の幸せについて改めて考える新しいアプローチ、ウェルビーイングを活用したマーケティングの考え方やプラニングステップについても触れていますので、興味のある方はぜひご一読ください!

「ザ・ウェルビーイングレポートVol.2」詳細はこちら:https://signing.co.jp/pdf/wellbeing-report2.pdf 

Written by 伊藤幹(SIGNING コミュニケーションデザイナー・ウェルビーイングクリエイター ※在籍当時)

【ザ・ウェルビーイングレポートVol.2 調査概要】
●対象者
企業経営者: n=317、企画系担当者(※マーケティング・企画・商品開発など):n=200
●調査日時:2022年9月12日〜13日
●調査手法:インターネット調査

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