「『テスト勉強全然してない〜』←嘘つけ。」をほじくる

第17話

「テスト勉強全然してない〜」

嘘つけ。

こういう経験、誰にでもありますよね。
それでそいつのテストの結果が良いからウザいんですよね。

でも「してない」と言う側の心理も納得がいきます。
「した」と言って→結果が悪い
という最悪のシナリオを避けるため、「してない」と言うんです。

そのシナリオを、「言:した、結:悪い」と表しておきます。
他に考えられるシナリオは、(結果は良いと悪いで二分できるもととする。)

言:した、結:良い
言:してない、結:悪い
言:してない、結:良い

です。最後のが、ウザいんです。
だって「してない」ってのが嘘である可能性がだいですからね。

でも、嘘じゃない場合もあるんです。

本人は「テスト勉強はしていない」(勉強"量"がゼロ)のつもりでも、
実は日頃からの勉強の"質"が良すぎて、
良い点取れちゃう、って人もいるかもしれません。
その人を嘘つきと責めるのは間違っているのです。

整理すると、
シナリオに関わってくる条件は4つ、
「質」「量」「言」「結」があるわけです。
シナリオは、2の4乗で16通りです。

全部書いてみますね。

  1. 質:良い、量:多い、言:した  、結:良い

  2. 質:良い、量:多い、言:した  、結:悪い

  3. 質:良い、量:多い、言:してない、結:良い

  4. 質:良い、量:多い、言:してない、結:悪い

  5. 質:良い、量:無い、言:した  、結:良い

  6. 質:良い、量:無い、言:した  、結:悪い

  7. 質:良い、量:無い、言:してない、結:良い

  8. 質:良い、量:無い、言:してない、結:悪い

  9. 質:悪い、量:多い、言:した  、結:良い

  10. 質:悪い、量:多い、言:した  、結:悪い

  11. 質:悪い、量:多い、言:してない、結:良い

  12. 質:悪い、量:多い、言:してない、結:悪い

  13. 質:悪い、量:無い、言:した  、結:良い

  14. 質:悪い、量:無い、言:した  、結:悪い

  15. 質:悪い、量:無い、言:してない、結:良い

  16. 質:悪い、量:無い、言:してない、結:悪い

こんな感じです。

ですが、「質」と「結」は基本的に比例するので、
2,4,6,8(質:良い、結:悪い)と9,11,13,15(質:悪い、結:良い)
は考えないものとします。

では、問題です。

問1.上記のシナリオのうち、当人が"嘘をついている"ものはどれか。
  すべて答えよ。ただし、当人が自覚できるのは「勉強の量」だけであり、
  「勉強の質」は自覚できないものとする。

〈解説〉「量」と「言」を見る。
    「量:多い、言:してない」と「量:無い、言:した」を選べばよい。

答.3,5,12,1314
※4,6,11,13は"考えないもの"に入っている。

できました?"考えないもの"に注意ですよね。
次です。

問2.10行目「最悪のシナリオ」とあるが、それはどれか。すべて答えよ。 

〈解説〉「言:した、結:悪い」を選べばよい。

答.10,14

問3.最悪のシナリオを避けたもののうち、勉強量が多いものはどれか。
  すべて答えよ。

〈解説〉最悪のシナリオを避けたものは、1,3,5,7,12,16である。
    そのうち「量:多い」を選べばよい。

答.1,3,12

問4.4つの条件のうち、当人の力で最も容易に変えられるものは「言」だが、
  問3で答えたもののうち、最悪のシナリオと「言」の条件が同じものを
  答えよ。

〈解説〉最後のシナリオは「言:した」である。
    1,3,12のうち「言:した」のものを選べばよい。

答.1

問5.問3で答えたもののうち、問4で答えなかったものは、
  これまで(問2〜4)見てきたように、最悪のシナリオを避けるために
  必然的に起こりうるものであるが、同時に
  問1を見ると"あるもの"とも言える。それは何か。答えよ。

〈解説〉問3で答えたもののうち、問4で答えなかったものは、3と12であり、
    この2つは問1の答えにも含まれる。
    問1の設問が何だったを見ればよい。

答."嘘をついている"もの


あーー、疲れた。

つまりは
「最悪のシナリオを避けようとして嘘をついちゃうのは当然」ってことです。
それだけです。

今のはある種の"学問"のパロディです。
簡単なことをほじくって難しくするんです。

前提とか定義が強引ですし、
そもそも、結果が良いと悪いで二分できるわけないじゃないですか。

あーー、ばかばかしい。

以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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