採点ミスを指摘する正直さは誰も幸せにしない。

第19話

今日は中間試験のテスト返却がありました。
教室で一人ひとり先生に呼ばれて返され、
その後、採点が合ってるか各々確認する時間があると思うんです。
少なくとも私の学校にはあるんです。

その時に、採点ミスを見つけたら、皆さんはどうしますか?
点数が上がるときだけ持っていきますか?
でも採点ミスって点数が下がるもののほうが多いんですよ。
こっちのわかりにくいミスが丸されたものとかですから。

私は、点数が下がるときでも持っていくんですよ。
褒めてください。
といっても褒めてほしさは二の次であって、
シンプルに点数が違うのをそのままにしておくのが嫌なんですよ。
そのままにしておくと心残りになりそうというか。なんか無理なんですよ。
誰に育てられたんですかね。このバカ正直な心は。

その正直さは誰も幸せにしないんですよ。
私からしたら点数は下がるし、
先生も「ごめんね〜。」と謝るしかないし、
そしてまた私からしたら先生を謝らせてしまうことが申し訳ないですし。
先生を懲らしめたいとかいう気持ちはさらさら無いのに、謝らせちゃう。
誰も幸せにならないんです。

せめて私の幸せとして、平常点が上がるとかならいいんですが、
それはそれで不平等なんですよね。
採点ミスが無かった生徒には平常点が上がる機会が与えられないので。

採点ミスがあっても持ってかなきゃいいだけの話なんですけどね。
カントの定言命法のような感覚で、持っていくしかないんですよ。
採点ミスがあった以上、避けられない運命なんです。

そういうことが今日もまた起きたんです。


昨年度のいつだったか、
とある古典の試験返却ではもっとヒドかったことがありました。

私はいつものように採点ミスを見つけました。
採点ミスのなかでも、点数の合算ミスでした。
それを先生に持っていって言ったところ、
どうやらこのクラス全員の答案でその合算ミスをしていたらしく、

全員の答案が一旦回収されることになりました。
全員の点数が下がることになったんです。私がそのミスを指摘したがために。
クラスのとある馬鹿陽キャが騒いでこんなことを言っていたのを耳にしました。
「まってw赤点になるんだけどww」


私が悪いですか?
私はミスを指摘しただけです。
本来あるべき配点にしただけです。
彼はもともと赤点だったんです。私は悪くありません。


あの時答案を先生に持っていかなかったら、、、。
定言命法だ運命だと言っても、私がした行動なんですよね。
私がやめることもできたなか、私がやったんです。
厳密に言うと、私の正直心がやったんです。


ね?誰も幸せにならないでしょ?

正直心なんて、いつか弱まるものなんです。
その代わりに、
嘘をついてまでも他人を傷づけない、"優しさ"が芽生えるはずなんです。

17話で書きそびれたんですが、
(あの回は書いてるうちに何が書きたいか分からなくなっちゃったんですが、)
「テスト勉強してない」っていう嘘も、
友達を不安にさせないための"優しさ"だったんです。
ちなみに私は、したなら「した」と言ってました。

私には、その"優しさ"は芽生えませんでした。
あーあ。

以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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