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デザイナーになった私へ -実践編-

早いもので、「デザイナーになった私へ」という記事を公開してから一年が経ちました。あの記事では、これからデザイナーの道を歩もうとしている人たちへ向けた私なりのアドバイスと心構えを綴っています。まだ読んだことないよと言う人は、ぜひこの機会に記事を読んでみてください。

書いた当初は、当たり前のことすぎたのかもしれないのでは… と一抹の不安もあったのですが、予想以上の反響をいただき、今では書いて良かったなとホッとしています。しかし、同時に「心構えは分かったけれど、実際に手を動かすとなると何から始めればいいの?具体的なアクションとして何をすればいいの?」という質問も耳にしました。

今回は、そういった声に応える形で「実践編」として具体的なアクションを共有しようと思います。時には「デザイナー関係なくない?」と思われるような内容も含まれますが、デザイナー以前にクリエーターや社会人として必要なこととしてまとめたということでご容赦ください。それでは実践編いってみましょう!



判断力を養おう

目と判断力を鍛えるために、たくさん画像を見て収集しよう。いきなり良し悪しを判断しろと言っても無理だろうから、まずは自分的に好きか嫌いか、それとも判断できないかの3つでラベリングしよう。なるべくジャンルが偏らないように気をつけて毎日やろう。画像が貯まってきたら、それぞれの判断の理由を考えてみよう。これは定期的に繰り返そう。繰り返すことで、分からないと判断したものが分かるようになったり、自分の好みと違くても評価できるようになってくる。自分の感覚を研ぎ澄ましていこう。

今日からやってみよう!
① 毎日15分、(仕事を始めるの前とか)時間を決めて画像を集めよう。
② 集めた画像を見て、良い・悪い・分からないの3つに分類しよう。
③ ある程度集まったら、それぞれ「何でそう判断したか」か考えよう。


技は見て盗もう

SNSではインフルエンサーたちが、簡単に作れる方法や楽に映える方法など様々なTipsを紹介しているけど、ありがたがって使う必要はない。Tips系に飛びつくとすぐ成果が出て上手くなったように錯覚するかもしれないけど、エナドリで元気になったと勘違いしているようなもので効果は一瞬だ。それよりも音楽で言う耳コピと同じように表現を目でコピーしよう。自分の感覚を研ぎ澄ます訓練だと思って泥臭くても頑張ってみよう。回り道だったとしても、遠回りした数だけ深みが生まれる。

今日からやってみよう!
① 心が踊るような表現を見つけたら真似してみよう。
② 回りくどくても非効率でも下手くそでも大丈夫。練習、練習、気楽に。
③ 出来たら元と比べる。比べながらもっとよくする方法を考えよう。


とにかく作ろう

手を動かすこと。手を動かすこと。手を動かすこと。大事なことなのでたくさん言いました。あなたより上手な人がいたとして、大抵の場合は才能なんかではなくて、あなたの10倍も100倍も1000倍も手を動かしてそのものごとに向き合っていただけってケースが大半。だから、とにかく作りまくることが大事。とはいえ、UI系だと何を作ったら…という場合は「Daily UI」みたいにお題を出してくれるサイトがあるから登録して楽しみながらチャレンジしていくといい。仕事と関係ない個人の創作活動も大いにやること。

今日からやってみよう!
① Daily UI(https://www.dailyui.co/)に登録しよう。
② 毎日、お題に挑戦して作ろう。
③ 他の人の目が届くところにアップしてみよう。


好奇心を解放しよう

好奇心は焚き火みたいなもので、日々のルーティンに追われて目を離していると、たちまちにして火が小さくなってしまう。火が消えないように、定期的に新しい薪を焚べよう。いつもと違う道を歩くだけでも良いし、知らないジャンルの本を読んでみるのもいい。少しづつ火を大きくしよう。火が大きくなってくると、どんなものでも楽しめるようになる。デザインの仕事はクライアントによって様々に変化するし、同じことはほぼないと思ってもらっていい。好奇心は柔軟に戦うためにも大きな武器になる。

今日からやってみよう!
① いつもしていることを少しだけ変えてみよう。
② 色んなジャンルの本を薄く読んでみよう。
③ もし〇〇だったらみたいなIFを仮定して妄想してみよう。


収入の10%は貯金しよう

とりあえず、今の仕事で100万円を貯めよう。貯めるためには、自分の収支の確認はもちろん、収入の10%を固定で貯金に回すなど工夫しよう。余剰資金が増えてきたら、複利について調べてからiDeCoや新NISAなど、若いうちから始めておくと有利な制度を活用しよう。もちろん、少額からでいい。自分の資産が安定すると気持ちも安定する。デザインは誰かを幸せにするための仕事だから、自分の暮らしを安定させて全力で取り組める体制を作ることも大切だ。自分の力で貯めた100万は自信にも繋がるはずだ。

今日からやってみよう!
① 家計簿をつけて自分の収支を把握しよう。
② 収入の10%を固定で貯金に回してお金を貯めよう。
③ 余裕が出てきたら投資の勉強もしよう。


睡眠環境を整えよう

夜更かしはほどほどに。体力は、若者が使えるチートスキルの筆頭だけど、使える手持ちのカードの1枚でしかないからね。頼りすぎるとベテランに近づいてから後悔するよ。睡眠の負債は次の日の響くし、判断力も落ちる。体調さえ良ければもっと良いものが作れるのにとか呪いを吐いても、そんな日は待ってくれるほど仕事はのんびりしていないよ。睡眠の負債を溜めないように、若いうちから良い睡眠習慣を作る努力をしよう。遊ぶのも働くのも体が資本。全部、全力で楽しめるように、きちんと寝ましょう。

今日からやってみよう!
① 寝る場所を片付けよう。睡眠に不要なものは徹底排除。
② 寝る時は、できるだけスマートフォンなどの刺激を遠ざけよう。
③ ふとんは寝るだけの場所だと脳に刻み込もう。


自分を観察しよう

社会に出て働くと良いことばかりじゃない。嫌なことも面倒なこともある。プレッシャーで吐きそうになることもあるかもしれない。辛いことがあったら、日記でもメモでもなんでも良いから記録しておこう。1年後とか時間をあけて見返すと大したことなかったりする。要するに、今の不安も1年後に見たらきっと大丈夫!と過去の自分が背中を押してくれるようになる。慣れてきたら、もっと細かく観察して、自分の集中しやすい環境とか苦手で避けてしまうこととか。自分を理解できると仕事はうんとやりやすくなる。

今日からやってみよう!
① 日記をつけよう。(日記が嫌ならGoogleカレンダーにメモでもいい)
② 定期的に見返してみよう。
③ 自分の傾向を観察して、うまく乗りこなそう。



まあ、こんな感じかな。
他の人に話を聞けば、他にも様々なテクニックや、もっと大切なことが山ほど出てくると思うけど、一気に色々なことをやろうとしないでいいよ。まずは、自分の中に、大木の幹のようなしっかりとした軸を築くことが大切。幹がきちんとしていれば、枝葉は後からでもついてくるから慌てないこと。

目を養い物事を判断する力も、自分なりの形で表現する技術も、それらを拡張する好奇心も、そして資産形成や健康管理も。これらはすべて繋がっている。全てが組み合わさって、デザイナーとしてのあなたが形成されるから、一歩一歩確実に進んでいこう。

全部繋がっているからね。どれもサボっちゃダメだよ。疲れたら休んでもいいけど、続けるんだよ。続けた先にしか道はないからね。

がんばれ!新人


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