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三十路のオタクがグラベルロードを買った話

MTBを買って約10年ぶりに自転車趣味に復帰し、分不相応だと思いつつも星の導きのままにCheckpint SL5を買った貧脚デブの、自転車復帰~Checkpoint購入までのお話。

つまらないうえに中身のない話だけれど、よければどうぞ。

自転車との出会いとオートバイ

 中学生の時、職業体験で地域の自転車屋さんに行き自転車にハマってからというもの、お年玉もお小遣いもひたすら貯めて買ったクロスバイクをシバキ倒し、学生時代に車を買った同級生から原付を手に入れたりしつつも自転車小僧をしていた。
 学生生活終盤に手に入れた原付がそこそこ楽しかったのもあり、就職した年に大型自動二輪車免許を取得、以来休みとなれば連日狂ったようにツーリングに繰り出す生活をしていた。結婚して頻度は下がったものの、今度はサーキットに通おうとトランポにミニバンを買って「お前がようやく車か!子供か!」と職場の先輩をぬか喜びさせたりしていた。

 そんなある日、上司から札幌転勤を打診される。
 家に帰り妻に相談すると妻は「札幌?ええやん、うちの仕事も考えたいし確定したら教えて(要約)」と普通に乗り気。というわけでその次の四月から札幌住まいと相成った。
 職場の先輩方からはツーリングし放題やな!と言われ当然バイクも一緒に引っ越したのだが…

北海道の道、楽しくない。

 そう、楽しくないのだ。
 これにはいろいろと背景があるのだが、簡単にまとめると
「北海道の道は旅で来て走るから楽しいのだ」
 となる。札幌に住んで日帰りで走るには直線ばかりで路面の悪い北海道の道はまったく楽しく感じなかった。
 結果としてバイクに乗る頻度も下がり、事務所で座っている時間が増えたことも相まって体重増加にも拍車がかかる日々、ふと開いたインスタで高校時代の友人がクロモリハードテイルのMTBで楽しげにしてるのを見る。

そうだ、自転車だ。

 自転車に乗ろう!
 もともとハードテイルMTBのルックスが好きだったのもあり各社の現行ラインナップを調べ、これだと思ったのが「TREK Roscoe」、熱心にスポーツ自転車の情報をあつめていた高校時代から15年近く経ち、あまりの変わりように???となりつつ職場近くのTREK販売店へ。 
 お店の方に相談したらMTBデビューするならRoscoeは是非お勧めしたいとのことだったので数日悩むも契約、これが2022年6月。ここからがコロナによる調達遅延でとてもとても長かったのだが…。

 忌まわしいコロナのせいで入荷が遅れに遅れ12月、北海道のトレイルシーズンは終わってしまったがようやく手元にRoscoeが来た。久々のまともな自転車にテンション爆上げで降るや否や根雪になった札幌ではしゃぐ30歳。調子に乗りすぎて納車当日に脛に穴をあける。雪の積もった道をセコセコ漕いであちこち行くのだが、デブってしまった体では踏みも回しもできない。雪の抵抗に負けアラサーデブの現実を突きつけられる。

雪の中はしゃぐ30歳男性

 そんなこんなで春。Ban.K Trailsの年パスを大喜びで買いに行き、アスファルト走行ですら不満のあった止まらないブレーキをSLXに交換し、持病の発作でホイールを2setも買い、5月末にダートデビュー、無事自転車にもう一度ハマる。 ショップのスタッフさんに誘われるままにあちこちのMTBコースやトレイルを走り、車だった通勤も天気が良く荷物が少なければ自転車に。健康診断の数値もかなり改善していいことづくめ。

ハードテイルMTB最強じゃね

と思っていた、利尻を走るまでは…

 そして盆休み。せっかくの長い休みに何もしないのはもったいないと自転車復帰のきっかけになった地元の友人に声をかけ、ドライブしつつ本州のMTBパークに遊びに行こうと思っていたのだが、まさかの台風襲来。本州遠征を断念してどこへ行こうと考えた。

 いっそ山じゃなく北海道に居るうちに行っておきたいところに行こうと調べ、本州からだとハードルの高そうな離島をえらぶ。利尻島一周と礼文島縦貫である。

 稚内で車中泊し一便目のフェリーで利尻に上陸、楽しくサイクリングを始めたのだが…

ギア比が!向かい風が!

 MTBトレンドのフロントシングルワイドカセットが裏目に出た、道程の六割をすぎたくらいのところで。
 健脚なベテランサイクリストならどうということはないのかもしれないが、貧脚デブな自分には30x10-51の山ではなんの不満もなかったギアが向かい風の平地巡行ではとてもつらいのだ、一段ごとのギア比が開いていて楽なペダリングを維持できないし、上体の起きたポジションのせいで向かい風をモロに受ける。しかも嫌がらせのようなアップダウン。
 景色はよくて風も涼しく最高に気持ちいいのだけど、アホみたいな向かい風のせいでシンドイわりにぜんぜん進まない、そして車にたどり着くまでまだまだ残ってる。きれいな景色に感動しつつも半泣きだった(笑)

絶景だった利尻。進まない以外は最高だった(笑)

 とっくに売り切れた脚で何とか車に戻り、温泉につかって車中泊。翌朝礼文島に渡り、懲りずに礼文を走ったが、礼文は利尻を超える強風。全身怠くても跨がってしまえばそれなりに脚も回るもので、強風にぶー垂れながらも楽しんだ。礼文は帰りに追い風だったのでかなり助かった。

礼文島から望む利尻富士。強い北東風で波しぶきを被りっぱなしだった。

 そんなこんなで、シンドイながらも楽しかった離島遊びは終わり、自転車で通勤し休みのたびに山を走る生活に戻る。シーズン終わりに怪我をしたりいろいろあったが自転車復帰一年目の、そして短い北海道の自転車シーズンが終わった。

 札幌の長い冬、前年は見送ったスパイクタイヤを購入し、雪の札幌をときたまサイクリングしながら来シーズンはどこ行こうといろんなサイトをめぐっていたら、急にグラベルバイクが欲しくなってきた。ニセコグラベルも楽しそうだし、キャンプツーリングにも興味あるし、ドロップハンドル車も乗ってみたい。去年の利尻礼文はほんとしんどかったし、北海道って路面よくないからグラベルっていろいろとちょうどいいのかも…。

 Twitter(X)でグラベルが欲しいと言い続け、友人からははよ買えとつつかれて春。頑張って高いの買わなくてもFUJIのJariとかリーズナブルでシバキ倒せていいんじゃないかな、買っちゃおうかな、とか思っていた矢先の

オイオイ…
オイオイオイ…


はい。

 そういう星のもとに生まれたのだ。

 アルミのほうが気楽そうだしTREKで買うならCheckpoint ALRがいいかなと思っていたんだ、嘘じゃない。でも、ALRの価格でSLが買えるとなると話は変わってくるだろ???
 妻には完全に事後報告だったが「ええやん」で許された。ホンマに感謝。

リビングに鎮座する自転車。この二日後自室を片付けて移動した、さすがに。

 自転車生やすと毎度はしゃぐ31歳、納車当日は家の前でハンドルの高さを上げたり下げたり…翌日は札幌~北広島のサイクリングロードを走りつつサドルを上げたり下げたり。自室の片づけと入荷の遅れていたペダル取り付けで二日挟んで朝里~定山渓ライド。納車から4日で164kmも走っていた、自己新記録。疲れるわけである。

 SNSでバリバリのホビーレーサーやブルべ勢を見ていると感覚がおかしくなってくるが、自転車で100kmはやっぱり俺にはシンドイ。でも今どきの自転車はすごいもので、自分のような貧脚デブでも94km+1037mを休憩時間込みの6時間以内で走れてしまうのだ。人並みに体力のあった学生時代でもロングライドはほぼしていなかったので思いのほか走れてけっこう驚いている。
登りは当然亀なのだが、40cのタイヤとディスクブレーキ、いい仕事をするフレームのおかげで下りがそこそこ速かったのだと思う。札幌湖畔は強い向かい風で登りでバテた貧脚にはつらかったが、利尻で泣きそうになった時のことを思えば全然進む。グラベルロード、すごい。
 競技勢以外はみんなグラベル乗ればいいじゃないかな(笑)

朝里ダム。この辺りまでは余裕があった。
朝里~定山渓のルートのピーク、朝里峠。キツかった…

Checkpint SL5、すごい…

 今の自分には過ぎたバイクだという実感と、ちゃんと鍛えればもっとしっかり乗れるなという確信、自転車はやっぱり楽しいという喜び。いろんなものを嚙み締めたCheckpint SL5納車後の4日間だった。

 せっかく買ったグラベルロード、今年は奥尻島を走りたい。利尻礼文ももう一度行きたい。都合がつけば道東、根室のあたりも走りたい。秋のニセコグラベルも走りたいし、来年度も本社に戻されなければ春のニセコグラベルも走りたい。でも一番は自転車で楽しく減量したい(笑)


 当分はなんとかおなかを引っ込めてもう少しハンドルを下げることを目標に、自転車を楽しもうと思う。あとシューズ、MTBと兼用できるし見た目も好きだし前使ってて感触良かったしとペダルをエッグビーターにしたけれど、山用の靴だと重いし不便だからロード向けを買おう。

 さて、次の休みはどこへ行こうかしら。

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