見出し画像

「忘れていってしまうコロナ禍の日々」を新聞に青焼きして記録し続ける作品とは?

2020年1/7に、中国武漢で新型コロナウイルス判明から、めまぐるしく日々が過ぎ、気がつくと2年が経つ。その時の情報、身体感覚、気持ちなどを思い出そうとしてもそれらの記憶は薄くなっていることに気づく。

その中で、2020年4/7に緊急事態宣言がはじめて発布され、コロナ禍の日々を制作を通して記録したいと考えはじめた「現在の青図-社会の皮膚-COVID-19」の制作。

ものを直接感光面に置き一定の太陽光を当てることで撮られる写真(フォトグラム)の技法を用いて「時間」と「記憶」をテーマに制作された作品群のひとつとして現在も制作を続けている。


スクリーンショット 2022-02-10 22.20.51

スクリーンショット 2022-02-10 22.20.59

スクリーンショット 2022-02-10 22.21.07

「現在の青図 - 社会の皮膚-COVID-19」
ウェブサイトで日々作品が更新されている


コロナ禍において日々変化する「今」を忘れないように、COVID-19関連記事の新聞紙に感光液を塗布し、マスクをはじめとする生活用品をモチーフに制作。

画像16

画像17

画像18

インスタグラムではほぼ全ての作品制作の過程をアップしている


制作のきっかけは、2020年4月7日から5月25日の緊急事態宣言下、ステイホーム期間により外出の機会が減ったことで、久しぶりの外出の機会に自らの皮膚が太陽光で日焼けする現象もフォトグラムであると感じた経験から、新聞を「社会の皮膚」と見立てた。そこに、日々の時間を焼き付けることで「社会の情報」と「個人の記憶」の関係を探り、表現することがライフワークとなった。

現在を現在が充分に理解しきれていない実感から支持体を新聞紙とし、その上に日々の生活用品の影を焼き付け、重ねていく。日記のようにその日を記録することで、未来へ手紙を描く様な感覚で制作を行っている。

全237作品(2021.12/21現在)


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10

画像11

画像12

画像13

画像14

Don't forget "now". in a covid-19 environment, I apply a photosensitive solution to newspapers and create photograms (cyanotype). I shoot with the motif of daily necessities such as masks.I think of newspapers as "social skin." In addition, we are exploring the relationship between "social information" and "individual memory" by burning daily time with sunlight.I have a feeling that the "present" is not fully understood by the "current people." For this reason, I use newspapers as a medium for photography, and create them as if they were letters to the future.


●「現在の青図-社会の皮膚-COVID-19」作品リスト

https://asa19821206.wixsite.com/shunya-asami/blank-5

●作品展示のアーカイブ


●制作方法


⚫︎写真作家・造形ワークショップデザイナー ・キュレーター・「時間」と「記憶」をテーマに制作。2012年〜ヒロシマの被爆樹木をフォトグラムで作品制作 ●中之条ビエンナーレ2019参加アーティスト ●さいたま国際芸術祭2020 市民プロジェクトコーディネーター