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『SHADOW TREASURE HUNTING− 浅見俊哉 ×さいたまde海賊 −』 さいたま国際芸術祭2023市民プロジェクト「創発 inさいたま」先行事業 スタートします!

さいたま国際芸術祭2023市民プロジェクト「創発 inさいたま」先行事業 『SHADOW TREASURE HUNTING
− 浅見俊哉 ×さいたまde海賊 −』がスタートします!


□日時:2023年 3月11日(土) 〜 19日(日) 13:00〜17:00  

□場所:STUDIO・45
〒330-0063 埼玉県さいたま市浦和区高砂4丁目3−1 高砂サニーコーポ 103

展示作品『現在の青図ーShadow of Lives -2017ー』
浅見俊哉 2017制作


□企画概要:

 「さいたま国際芸術祭2020」をきっかけにして出会った写真作家:浅見俊哉と「さいたまde海賊(さいたま国際芸術祭2020先行プロジェクト:サーキュレーションさいたま)」が手をつなぎ、あなたの「たからもの」を影の写真にして展示する『SHADOW TREASURE HUNTING』をさいたま市の写真スタジオ:STUDIO・45で実施します。

展示搬入後の写真


 内容は、あなたの「たからもの」を持参していただき、カメラをつかわない影の写真(フォトグラム)を共に制作し、会場に展示していく参加型プロジェクトです。会期中、参加者の「たからもの」の影が会場に溢れ、次第に変化していく空間をつくっていきます。会期後は『万影集』として編纂します。

 浅見はこれまで全国各地でフォトグラムのワークショップ『影をつかまえる』を開催し、参加者との制作を通して様々な対話の場を生み出してきました。今回の展示作品のひとつに、『現在の青図ーShadow of Lives -2017ー』があります。「中之条ビエンナーレ2017」で発表した本作は、群馬県吾妻郡中之条町の博物館から借用した約5500年前の縄文土器、弥生人の人骨、古代人の宝飾、農機具や養蚕の道具、広島の被爆樹木の葉、東日本大震災によって残された日用品の様々な遺失物等をモチーフとして撮影し、太古から現在に至る人々の生活の営みを1つの感光面に記録した青写真です。本プロジェクトとこの作品を組み合わせることで、生活都市さいたまでどのような意味を見出せるでしょうか。

宮城県名取市閖上の遺失物たち


『現在の青図ーShadow of Lives -2017ー』 2017年制作
235cm×450cm Cyanotype
中之条ビエンナーレ2017 伊参スタジオ


 会場のSTUDIO・45は、約35年営まれたまちの写真撮影スタジオ。その空間を生かし、来た人がホッと、落ち着ける場所、人と人とが繋がる空間作りを目指して様々なプロジェクトを行っています。今回は、STUDIO・45を「さいたまde海賊」のアジトと見立て、プロジェクト参加者の「たからもの」の宝物庫のイメージで皆様をお迎えします。どうぞ、お気軽にご来場ください。


会期中は誰でもいつでもフォトグラムの制作が可能な環境を整えています。

□関連企画

①:フォトグラムをつくってみよう!!

会期中(3/11-3/19)はカメラを使わないフォトグラムの制作が可能です(A4サイズ:210mm×297mm)。

制作希望者は「たからもの」をご持参の上ご来場ください。制作の所用時間は60分-90分です。作品は2枚制作し1枚を会期中会場に展示させていただき、会期終了後は『万影集』として編纂します。1枚は記念にお持ち帰りいただけます。

(参加は無料です。エプロンなどの作業着をご用意下さい。天候の状況により撮影が出来ないこともあります。参加人数多数の場合にはお待ちいただくこともあります。予めご了承下さい。9歳未満は保護者同伴での参加になります。)

②:トークイベント

トークイベントの様子

3/11 15:00-16:00

本企画関係者、「美術と街巡り・浦和」実行委員:松永康氏をゲストに、
出品作家:浅見俊哉と、STUDIO・45小泉文、「さいたまde海賊」が
展示作品やプロジェクトについて語り合います。
【定員:15名先着順】


トークイベントでは、「美術と街巡り・浦和」実行委員:松永康氏から、これまでの浦和での活動と今回の企画意図を紹介、浅見より、展示作品とワークショップを連携したことでのねらい、STUDIO・45の主宰、小泉文氏から、写真館をリノベーションしてアートプロジェクトを行うことへの期待を共有しました。さらに、今回の企画の発端となった3年前の「さいたま国際芸術祭2020」先行プロジェクト「サーキュレーションさいたま」で生まれた「さいたま de 海賊」のメンバーから、今回の企画に参加することでの発見や視点の変化等をそれぞれの切り口で発表しました。

印象深い事柄は、トークが3/11に行われたこともあり、12年前の事を忘れないように噛み締めている中、1人の参加者から、

−今回の展示作品『現在の青図ーShadow of Lives -2017ー』に使用されているモチーフ「閖上地区の遺失物」に言及し、災害等でバラバラに散らばってしまった生活用品が、作品制作を通して、1つの秩序を持って見えてくることに驚いた。今回の企画は、自分の「たからもの」を持参して、その影を記録できるワークを会期中に行っているが、自分たちの生活を見渡してみると、その生活自体にも様々なものが混在している、その中で、あるテーマを持って生活を改めて見て、フォトグラムにすることで、普段は気がつかなかった大切なものが立ち現れてくる。その経験はこのワークならではのものでとても尊い−

といった内容の言葉が共有されました。展覧会と連動した作品制作の機会があることで、自らの生活や日常について改めて主体的に関わり、一緒に制作する参加者一人ひとりの大切にしているものたちを共有する時間も生まれています。


③:公開制作


3/19 13:00-14:00

出品作家:浅見俊哉氏が「さいたま de 海賊」と作品の公開制作を行い
ます。
【9歳未満は保護者同伴・定員:10名先着順】


プロジェクトの最終日に行った「公開制作」では、展示作品『現在の青図ーShadow of lives -2017ー』を鑑賞し、等身大の影で構成される作品のイメージを共有。その後、実際に制作で使用したモチーフと、参加者が持ってきた「たからもの」を組み合わせて、影をみながらレイアウトを工夫し「フォトグラム」を制作しました。

私の「たからもの」である「東日本大震災の遺失物」と、参加者が持参した
「たからもの」を組み合わせ、A4サイズの感光紙で好きな場所の影を焼き付けました。ものに自らの感性や経験から、意味や価値を見出すことで、自分だけの「たからもの」を創造できることの尊さを共有しました。

作品を「みる」だけではなく「つくる」、「つたえる」活動も加わることで、それぞれの活動独立して行われるのではなく、多角的、複合的に行われることで、作品、自分のこと、他者のことへの洞察も深まりました。

制作を終え記念写真


展示空間の床に広がった影たちは、太古の人たちが夜空の星々を結んで星座を生み出した行為の様に感じられる不思議な時間でした。「さいたまde海賊」との制作を通して生まれた新しい「星座」が次の航海の羅針盤になりそうです。

2023.3/15:埼玉新聞掲載記事



以下展覧会詳細:


□website:
美術と街巡り・浦和
さいたま国際芸術祭2023市民プロジェクト「創発 inさいたま」先行事業


□問合せ:STUDIO・45
info@studio-yongou.jp(小泉)


□主催:さいたま国際芸術祭実行委員会
336-0024 さいたま市南区根岸1-7-1

電話:048-767-5411/FAX:048-767-5351

さいたま国際芸術祭2023 −テーマ「わたしたち」
2023.10/7日(土)-12/10 (日)開催予定



⚫︎写真作家・造形ワークショップデザイナー ・キュレーター・「時間」と「記憶」をテーマに制作。2012年〜ヒロシマの被爆樹木をフォトグラムで作品制作 ●中之条ビエンナーレ2019参加アーティスト ●さいたま国際芸術祭2020 市民プロジェクトコーディネーター