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「イメージと返事」を【待つ】-フォトグラムワークショップを実施しました!@埼玉県草加市

2022.3/5。草加おやこ劇場さんで「イメージと返事を待つ-フォトグラムワークショップ」を実施しました。

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今回は、ポストカードサイズのフォトグラムを制作。

はじめに、アンナ・アトキンスさんのフォトグラムと視点を共有。

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植物学者でもあり、写真家でもあったアンナ・アトキンスさんは、植物の標本をサイアノタイプ のフォトグラムで記録し、写真集を作成。世界で初めてのフォトグラムによる写真集をつくった方です。アンナさんの制作を絵本にした「青のなかの青-アンナ・アトキンスと世界で最初の青い写真集」という絵本を紹介しながら制作が始まります。

少女の頃、ケシの花をみつけて「このままのすがたで、ずっとおいておきたい」と思った。という気持ちとサイアノタイプ のフォトグラムとの出会いと写真集の制作の情熱を共有しました。


そして、ワークに入ります。まず感光紙を自分で手作りします!

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薬品をていねいにムラなく塗る作業から、1から写真の制作をしていきます。


その後、春の街を探検し、気になったものたちを集めます。

この日は18°の晴天。春を感じられる気候です。梅が咲き始めて公園に良い香りが漂います。

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制作することで、普段何気なく見ているものたちをじっくりみるといろいろな発見があります。花弁の薄さやかたち、葉の葉脈や茎のトライコーム、落ちている実から上を見上げて木の種類に気付いたり、

また、落ちているものでそこに居た人のことも想像します。吸殻や空き瓶、イアホンの充電器なども見つけていました。


アトリエに戻り、見つけた素敵なものたちを並べてみます。

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そしてポストカードの画面にレイアウト。いろいろな影の組み合わせにも工夫が見られます。

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レイアウトが決まったらじっと太陽光で像を焼き付け、約15分の露光の間、どんなイメージがうまれるかじっと待ちます。

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かるい落ち葉などは風で飛ばされてしまったり、動いてしまうことも!これらも面白がりながらじっと待ちます。

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だんだん色が変化してきたのを目で確認しながら、撮影ストップ!

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モチーフをどかした現像前の感光紙に、うっすらと影が残っています。

そして、いよいよ現像!

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じわじわ鮮やかな青で生まれてくるイメージに、思わず「わっ!」と声が上がります。制作の中でとてもドキドキワクワクする瞬間です!

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現像後は鮮やかな青のグラデーションが美しい作品になりました。等身大の大きさで記録できるのもこの制作の醍醐味です。

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その後、そのイメージを届けたい相手に手紙を書き、返事を待つというワークをしました。

今回は、イメージと返事を待つという、「待つこと」に焦点をあてたワークショップの時間となりました。様々なものが即物的に得られる一方、1枚の写真をつくるまでの過程や、それを誰かと共有した時の経験は、じっくりと待つことで、はじめて味わえるものかもしれませんね。


この企画は「子どもゆめ基金助成活動(独立行政法人:国立青少年教育振興機構)」を受けて実施しました。

草加おやこ劇場さんとは継続的にこうした制作の時間をつくっていて、コロナ禍のインターバル後、約2年半ぶりの開催となりました。その間会えていない子どもたちは、声変わりをしていたり、中学校を卒業して高校に合格していたりと大きな変化をしていました。こうした変化もお互い共有しながら、ゆっくり制作できる時間はやっぱり尊いなぁと改めて。参加していただいた皆さん、草加おやこ劇場の皆さんに感謝です。ありがとうございました!


●カメラを使わない写真-フォトグラムとは!?
https://note.com/shunya_asami/n/n92f513c2816f


●フォトグラムワークショップの開催について
https://note.com/shunya_asami/n/n5615aa06ee79






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新生活をたのしく

⚫︎写真作家・造形ワークショップデザイナー ・キュレーター・「時間」と「記憶」をテーマに制作。2012年〜ヒロシマの被爆樹木をフォトグラムで作品制作 ●中之条ビエンナーレ2019参加アーティスト ●さいたま国際芸術祭2020 市民プロジェクトコーディネーター