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【前編】中国語も韓国語もわからないのに中国から韓国に向かう国際フェリーに乗った

◇2019年5月2日 烟台渤海国际轮渡 平沢港行 烟台港1800→平沢港0830(+1day)◇

一緒に韓国まで旅行する予定だった、中国人の彼女が仕事で帰国(日本へ)しなくてはならなくなった。僕は、両国の言語がほとんど(韓国語は全く)わからないままに、中国の山東半島の都市・烟台から韓国の平沢まで烟台渤海国际轮渡(煙台渤海国際フェリー)の夜行フェリーに乗船することとなった。

英語が通じない地域で、片方の国の言語を片言でしか喋ることができない身で1人で国際フェリーに乗るのは中々まだ経験がなかった。

前編では、切符の受け取りから、寝るまでの1日目の様子。
【後編】こちら

切符の受け取り

予約ページの注意事項には、9:00~14:00に切符を取りに来いと書いてあったので、12:30前後に売り場に行くと、まだ窓口は空いておらず、サービスカウンターに行くと、13:30からとのこと。片言の中国語で話しかけ、簡単な中国語で返してきた。時間くらいなら聞き取れるぞといい気になる。

1煙台港外観

切符売り場
(烟台站(煙台駅)から徒歩10分弱の烟台国際客運站という建物)

2烟台港 寄り

国际售票厅と書かれたチケット売り場が中にある。

近くのショッピングモールでタオルや、忘れていた変換プラグを買ってから13:30過ぎに行くと、向かって左側の窓口2つが開いている。先ほどとは別の人で、日本のパスポートを見せると、若干驚かれたが、予約番号を見せたらちょっと時間はかかるものの、切符を発券できた。無事乗れる。

3 チケット売り場内部

切符売り場内部

最初売り場の係員は中国語ではなく、英語じゃないとダメと思ったのか、言い出すまでに周りと喋っていたが、こちらが拙いながらも中国語を喋ったので、なるべく簡単に「15時」だと伝えてきた。搭乗は15時からという事だと思う。

両替

平沢港についてからのバスのための現金が不安になり、ネット情報で両替ができるらしい近くの中国银行に行くも、ATMしかやっておらず、試してみるものの、銀行のカードがないと取引出来なさそう。帰りに烟台银行に寄ってみたが、あそこの中国銀行じゃないとダメだと言われ(たのだと思う。なにせ中国語なので)、できない。一文無しで渡るしかないか...?

15:00過ぎ、搭乗口に行こうとし、途中で何の気はなく切符売り場を覗くと入ってすぐ右に両替カウンターがあった!1回20元の手数料を取られ、277元(20元取られるので、実質両替したのは257元)で41000ウォンと(1元=159ウォン強)、かなりレートも悪いが、とりあえず現金があることは心強い。というか、バスすら乗れないことになるので危なかった。

4 両替

両替所

20元の手数料も、レートもかなり損であるので、周りでは韓国人と中国人が個人的に現金を両替している。自分も韓国ウォンを買ってくれないかと言われたが、言語がしっかりとは通じず、偽札かどうかがわからないため、躊躇ってしまい、正規のルートで両替。今から韓国に渡るのに韓国ウォンを売ってる人はどういう人なんだ??逆方向で来てからしばらく待ってるの??

いざ乗船

切符受け取り窓口を出て右側に搭乗口がある。手荷物検査を1回通り、チケットの1番右側の「通関用」(記憶が正しければ)というようなチケットを切り取り、渡す。

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チケットはこのような形。一番右のものは既に切り取ってある状態。係員にもぎってもらうのではなく、みんな自分で切って渡していた。郷に入っては郷に従えということで自分で切って渡した。

もう1回手荷物検査を行い、出国審査。手荷物検査を抜けた右側に出入境カードがあるので、それを記入し、「中国边检」のゲートへ。中国人ゲートと外国人ゲートに分かれていたが、中国人が多いため、外国人は逆にほとんど並ばずに通過できた。

5 港へのバス

15:35前後、出国審査を抜けると、バスが待ち構えている。そんな遠くじゃないだろうにと思って乗り込むと、港の敷地を出て、公道を通り、北站近くの方までと、かなりの距離を移動する。なんであそこに事務所も通関も構えたの???

6 港から

コンテナなどの並ぶのを見ながら、船の横に降り、いよいよ搭乗。タラップの前の係員に「船舶搭乘用」と書かれた右から2番目のチケットを渡し、乗り込む。

7 乗船前

乗り込むとすぐに受付があり、そこで残りのチケットを渡して、カードキーと交換。

受付での洗礼

9-2 受付

朝食券と、入国カードと携帯物品申告書をもらう。携帯物品申告書が、外国人(中国人以外)は、全部ハングルで書かれた紙を使わないとダメと言われ、絶望。中国語ならわかるから中国版くれと言っても外国人はそっちだからと言ってもらえない。いや、他の外国人どうしてんだ?絶対に乗らないん?

一旦部屋に行って荷物を置いてから、参考にして書くだけならいいのではないかと思い、受付に戻ってGoogle翻訳の力も借りながら伝えると、1枚くれた。もうGoogle翻訳の力を頼っていると後が思いやられる。

今夜のお部屋!

部屋は7階の2人部屋。彼女の分であったベッドがあるだけ余計に寂しい。

9 客室 ダブル


9-1 シャワー

シャワー
下の微妙な段差だけでどうして水をトイレ側に
漏らさないことができるだろうか?いやできない

因みにトイレとシャワーはあるものの、タオルや石鹸、トイレットペーパーはなく、事前に用意しないとダメ。トイレットペーパー持参は中国を旅するなら当然だろうけど、石鹸もないのは厳しい。

10 客室 コンセントなど

コンセント
すべてに対応できるもので、
もちろん日本用のものも使うことができる。えらい!

エアコンの使い方のみ全くわからず、暑いのがきつい。絶対にエアコンのスイッチとか調整つまみと思われるものと、空気の出てくる部分はあるのに。周りの中国人も部屋のドアを開けて、うちわを使っていたので、しばらく前から壊れているのかもしれない。

船内探検

2人部屋は全て窓側にあり、内側は4人部屋か6人部屋か10人くらいの部屋。7階には2人部屋と4人部屋のみか。窓側の4人部屋も存在する。大部屋は出稼ぎの人が乗っているようで、ざわざわとした雰囲気で、結構混み合っていた。

4階が、タラップから入ったところで、受付、餐厅(食堂)、バー、免税店(普通の売店含む)、カラオケ室?、ゲーム室(カジノ?)があり、5階にはBBQと書かれた場所(後ろ側の扉を出たところ)がある。フェリーでBBQするの楽しそう。5,6階は舷側に出ることができ、喫煙所となっている。6Fにシャワーがあるが、多くの部屋は自前でシャワーがあるよう。

13-1 食堂

食堂

13-2 バー

バー

18 船内で麻雀

まだ出航まで2時間ほどあるが、既にエレベーターホールでは麻雀にいそしむご老人達の姿。机も椅子も麻雀牌も持ち込んでるの流石すぎる。中国人のこういう楽しみ方いいね。好き。

受付にもう一回行って、クーラーや携帯物品申告書についていろいろ言ったりして、探検も済まし、しばし部屋で休んでいると、17:45に出航。予定では18:00のはずだけど?まあいいか。景色を見に行こうと、6階の舷側に出て、海を眺める。渤海に夕陽が沈んでいく。

16 渤海からの夕陽

夕食...にありつけない?

お腹が空いた。夕飯はいつ食べられるのか気になり、下に見に行くと、既に食べ終わっている人が多い。配膳のレーン(食堂の写真の左側のところ)も既に閉じている。まずいと思い、受付の女性船員に相談すると、「まだやってる」「15時まで」と言われ、謎。(あとから思えば15時からやっていたということだろうか?)とにもかくにも、中国語喋れないかわいそうな客だというように笑いながら、食堂に一緒に来て、配膳係の女性に食べ物を盛るようお願いしてくれる。すぐに盆に盛ってくれ、夕飯にありつく。受付の船員も閉まっていることに違和感を覚えていたようだから、時間を勘違いしていたのかもしれない。

15 夕飯

夕食
お盆に盛られるの、給食のような雰囲気だ。

どんどん他の乗客は部屋に戻っていき、とうとう配膳係達と自分だけになってしまったが、図太く食べ続ける。

渤海に沈む夕陽

食べ終えて、部屋に戻ってから、もう一度8Fへ。外に出られるところで、2~30人くらいが写真を撮っている。ちょうど夕陽の時間で、航行の線の後ろに渤海に沈む夕日を見ることができ、とても良い。

17 渤海に沈む夕日

渤海に夕陽が沈む

部屋でビールを飲みながら、本を読んだりしてから、もう一度外に出ると、廊下を歩き回る老人男性が数人。散歩できなくなるから廊下を往復しているのだろう。つくづく中国人は健康意識が高い。健康意識というか散歩意識か。

19 廊下

エレベーターホールに向かうと、麻雀とトランプの卓がさらに増えている。なんでみんな机と椅子を持参してるの?

【後編】へ続く。

記事としては、自分のblogをnote用にアレンジして載せています。

全国の美味しいお酒に変換します。