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再勉生活! さて、どこに?

勤務先で始まった「海外留学制度」で社内選考の英語試験を受けることになりました。

GW明けの英語試験には30人程度が受けました。やはり、候補上限の「32歳」は私ひとりでした。
この1次選考は、結論から言うと足切り点が厳しすぎたようで、通過したのは二人のみでした。
私と、私の同期入社で1歳年下の男です。
人事課も英語だけで選考しようなどとは思っていなかったはずですが、この時点で既に、「候補者1-2名」という枠に達してしまいました。

しかし、従業員数百名規模の会社で1人か2人かは費用の点で大きな違いです。
役員審議の結果、再度英語の試験をして、
《2名を1名に減らす!》
ということになりました。
でもこれは、結果的に英語だけで選ぶことになってしまっています。

さて、ライバル候補者とは会社が会議室を提供する英会話教室で同じクラスになったことがありますが、英語能力が相当高い人でした(余談ですが、彼はこの数年後、JAXA宇宙飛行士に応募して国内最終選考に残る、という素晴らしい人材です!/この時選ばれたのは野口聡一さんでしたが)。

私は考えました。
(2次試験も同じ英会話教育会社が担当するのであれば、1次と同じクラス分け試験ではなく、米国の大学院合格に必要なTOEFLに準じた問題を出すはずだ)

ちなみに、TOEFL(Test of English as a Foreign Language)とは、非英語国の学生が、米国の講義を聴いたり教科書を読んで理解できるかどうかの能力を点数化する試験です。
企業などで英語力の指標とするTOEIC(Test of English for International Communication)とは異なり、日常生活で使う英語能力は含まれません。

丸善に行って、過去数回分のTOEFL試験問題を買い、何度か練習して2次試験に臨んだところ、驚くことに、このうちある年の試験が全てそのままの形で出題されました。
担当した教育会社の怠慢によるミスです。
私は《満点》を採りました。何しろ答えを知っているので。
この難しい試験で《満点》というのは、異常なことであり、採点した英語教育会社はさぞかしあわてたことでしょう。

これで決まりかな、と思っていたら、人事課の担当者が来て、2次試験は出題にミスがあったため、やり直したい、と言います。
これにはさすがに切れ、自分たちのミスを棚に上げて再度我々の貴重な時間を奪う教育会社にはもう付き合えない、私はもう試験を受けないので勝手にしろ、と告げました。

人事は結局、2次試験の結果は付けずに役員会議に二人を挙げ、すったもんだのあげく、第一回の留学生は私に決まりました。
いや、ライバルの方が有望だったかもしれませんが、単に《崖っぷち》を選んだのでしょう。
(幸い彼は、翌年の留学生に選ばれました!)

留学生に選ばれた私は、具体的な計画書を作ることになりました。上司からは緩い技術分野の制約が課されていました。

小さな会社に大きな授業料や寄付金の負担を与えそうな私大は避け、その分野でパイオニアの、
① ペンシルヴァニア州立大学(Penn State Univ.)
あるいは、当時材料工学系でMITに次ぐ評判だった、
② イリノイ大学(Univ. of Illinois at Urbana-Champaign)
の二大学に絞り、結局②に決めました。

担当役員であり、この研究分野の権威でもある上司(取締役兼部長)に報告すると、
「いい選択だ。Penn Stateは名古屋大学のように多種多様な価値観を肯定し、Univ. Illinoisは京都大学のように、学問に対して非常にstrictな大学だ」
と言われました。

どちらの大学も経験しておらず、この比喩はまったくチンプンカンプンでしたが、はあ、と引き下がり、イリノイ大学に願書を出すことにしました。

中西部の田舎、コーン畑と大豆畑が限りなく広がる大平原にある州立大学です。

この続きは……

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